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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu176.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アメリカ政府は巨額の財政出動で金融危機を乗り切るつもりだが、
その金はどこから出てくるのだろうか? 誰が米国債を買うのか?
2008年9月21日 日曜日
◆大不況の足音 その5 9月21日 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
http://www.melma.com/backnumber_45206_4232113/
米財政赤字の累積は10兆6千億ドルから11兆3千億ドルへ
「危機は去った」という楽観論は情報操作、危機は実際には深化している
米国の金融再建策が、大規模かつ大胆であったため世界的に株価が回復、一部には「危機は去った」と楽天的見通しを語るエコノミストがいる。
ブッシュ政権は主眼として個人財産を守るためにMMF救済に財政出動、不良債権買い取りの二大支柱のひとつに位置づけた。
ただ、このために財政赤字累積額上限を設定し、これの議会承認が必要である。休会前状態で大統領選挙本番を控える米国議会は、これを承認する模様だ。
で、累積赤字は11兆三千億ドルになる。
米国のGDPが15兆ドルと推定されるから、対GDP比で75%。日本の累積赤字は建設国債を含めて800兆円とすると、対GDP比は145%。
日米比較で言えば、まだ米国のほうが「健全」?
しかし国民の金融資産比でみると日本の1500兆円の金融資産から見れば、日本政府の抱える累積債務は国民の資産の53%。反対に米国は消費優先、クレジットカードで借金している社会だから、担保がない。
つまり、米国債は販売の25%以上を海外投資家に依存せざるを得ないのである。
財政の巨額出動で当面の危機は乗り切るかもしれない。しかし本質に横たわる根源的なガンはさらに内部を浸食してゆくだろう。
言ってみれば財政出動による金融機関と預金の救済は必要だろうけれども、モラルハザードの拡大であり、実質経済は悪質になる。
◆大不況の足音 その4 9月20日 宮崎正弘の国際ニュース
http://www.melma.com/backnumber_45206_4231467/
ブッシュ政権が金融再建のための総合対策を発表したが、砂漠に水をまく行為。
システムの延命と当面の市場安定が得られても、ドルの崩落は不可避的となった
世界市場の大波乱が続いている。
株価の乱高下はジェットコースター相場の再現である。
週末にブッシュ政権が大規模な公的資金導入を発表し、AIG救済、メリルリンチ合併に引き続きての緊急措置として、総合的再建策をまとめた。
19日に発表された大枠とは、−
(1)公的資金を使った不良資産の買い取り機関を創設する
(2)貯蓄性の高い投資信託MMF(マネー・マーケット・ファンド)の保護に政府基金最大500億ドル(約5兆4000億円)を使う
(3)金融機関株式の空売り(ショート・セル)を全面禁止する
などを目玉に、投入する公的資金の規模は数千億ドル(数十兆円)になるという。
しかし国民の税金を後ろ向きに投資する金融機関の不良資産買い取りの具体策は議会との調整が必要だ。
ブッシュ米大統領はポールソン財務長官をともなって記者会見し、「市場は不安定であり、政府介入が必要だ。公的資金を用意している」としたが、顔色はさえず、そもそもブッシュ大統領は個人的にシステムの本質を理解していないだろう。
直後から世界的規模で株価が反騰した。一瞬の安心感、心理パニックの瞬間的治癒。
私が注目したのは、三項目の(2)、MMF保護である。
MMFは個人投資家が銘柄選択に躊躇するとき、投資のプロ達が「絶対安心」の銘柄を組み合わせて、安定した投資信託として売る金融商品のベストセラー。よもや、この最後のリゾートであるMMF市場までがこわれかけていたとは!
現実に老舗パトナムがMMF精算を発表したというニュースに触れて驚いた。パトナムのMMFと言えば、超安全な政府債、社債、超優良企業の株にしか投資せず、今回の金融危機表面化以後も、適切に配当を維持させていた。
そのパトナムのMMFさえ、投資家のパニック売りか、あるいは手元資金充足のための解約か、全米規模で解約要請が集中し、まともな投資信託の運営が難しいとして精算に踏み切ったというのだ。
これは一種の取り付け騒ぎに近い。
同時に総合再建策を検討し基本的な事態の本質を整理してみると、中核的解決には結びつかないことが分かる。
先にもふれたが、米国の住宅証券はすでに600兆円という天文学的市場規模。これが「米国債より安心」というセールストークで海外に売りまくった。おおよそ四分の一が外国勢所有。残り四分の三が米国の金融機関。韓国では公的年金ファンドが購入してきた。日本の保有額が25兆円! 全体の4・2%弱。
さらにこれを梃子にデリバティブで新しい金融商品に化かしているため、全体の規模は4500兆円。
まさに信用の膨張と野放図な金融資本主義への信仰だ。
米国政府はファニーメイ、フレディマック債券の保証として21兆円を投入するとしたが、手元資金不如意のため、日本、EU、英国など六極の中央銀行に呼びかけて共同でドル資金の供給を決めた。
これは三月の「ドル防衛」という三極の密約に従う。
英語圏の新聞は「Central Banks Unite to Offer a Lifeline」と書いた。まさにライフライン確保の資金提供で中央銀行が団結して見せた、とうい意味である。(日本経済新聞の見出しは「六中銀、米危機対応で19兆円、日米欧、ドルを緊急供給」(9月19日)となっていた)。
日銀は六兆円を供給し、欧米銀の資金繰りを支援した。
▲米国にとって次の関心事はドル防衛である。
だが、こうした小手先の措置は緊急措置であっても、本質の治療とはいえない。肺ガンとわかっているのに、風邪薬を与え、とりあえず睡眠薬を飲ませて静かにさせようというごまかし、換言すれば砂漠に水を蒔くようなものである。
しばしの延命はかえって本体を危険にさらす。
国債と住宅債を産油国などが売り浴びせに出れば市場は混乱から損壊へと至る恐れがあり、ドルは下落というより崩落に至る恐れが高まっている。だからブッシュ政権は株の空売りを禁止する挙にでた。
株式市場での行為が禁止されれば次なる標的は通貨である。
一ドル=80円、70円時代が来ることになり、世界経済の基本が失われる懸念がさらに現実的となってきた。
日本は米国追随型だから、保有を維持するだけでも、みすみす巨額の損害をだす米国債の引き続きの保有を中断することが出来ない。
まだまだ必死で紙くず化してゆくドルを守ろうとするだろう。
ドルの価値が下落し、ドル本位制が崩落すれば、日本からの輸出産業が壊滅する懸念があり、これが心理恐慌をきたして、ドルを守ろうということになるわけだが、基本的には軍事力のない日本が米国に安全保障をゆだね続ける限り、ほかの通貨が、その國の国益を守るためにドル離れを起こしても、日本はドルとの心中しか選択肢がないことになる。
麻生次期政権は、この“どんづまり状況”を独自の経済政策で突破できる「とんでもない構想力」を持っているとも思えないし、小派閥の悲哀から自民党を強引に牽引できる政治的実行力はさらに疑わしいだろう。
米国の金融危機は日本の存亡をかけた金融戦争になるというのに。
(私のコメント)
アメリカで起きているバブルの崩壊は1年余りで大手投資銀行の5社のうち3社を吹き飛ばし、政府系二大住宅金融公社を国有化して、AIGという巨大保険会社を公的資金で救うという話です。このようにアメリカ政府は次々と救済手形を切っていますが手形が落とせるのだろうか?
連邦準備銀行もほとんど資金を使い切ってしまったし、政府救済案が議会を通って法案が出来てもどこから資金を調達してくるのだろう。アメリカは日本とは異なり経常赤字国でありアメリカは2000兆円もの金を借りまくっています。日本政府だけでも100兆円のドル証券を持っている。
あとは民間が持っているのですが、アメリカの金融破綻の確率が高まってきた以上は売り抜けないとドル債を持っている会社は株主代表訴訟に晒されるでしょう。アメリカ政府の救済策が効果のあるうちが売り時なのですが、日本の農林中金やメガバンクはドル債を売り抜けるつもりが無いようだ。アメリカ政府が直接高官を派遣してきて圧力をかけている。
これだけ世界的にアメリカの金融破綻が影響しているのだから、アメリカをIMFの管理下に置いて1997年にインドネシアや韓国のように管理すべきなのだ。そしてドル離れが起きないように金利を上げるべきなのだ。しかしFOMCでは2%に金利を据え置いた。しかしFF金利が2%の金利でいったい誰が米国債を買うのだろうか? ユーロの短期金利が4%だから誰だってユーロ債を買うだろう。
だから最近の米国債の買い手は外国の政府と中央銀行しかなく、中国と日本が一番買っている。先日も日銀が6兆円の資金供給をドルで行ないましたが、世界のドル債券売りラッシュを世界の政府と中央銀行が買い支えている。2%の金利では民間では買い手が無い。闇の金利相場では10%の金利でドル債券が発行されている。
ところが日本では短期金利が0,5%だから東京ではサムライ債の発行ラッシュが起きていたのですが、リーマン・ブラザースの破綻でリーマンの債券が紙切れになってしまった。アメリカ政府系住宅金融会社の債券も買う人は政府関係だけであり、民間では売るに売れない状況だ。だからMMFですら運用できなくなっている。
MMFといえば証券会社の普通預金のようなものですが、国債や政府債ですら買い手が無いような状況では運用が出来なくなっているということです。不思議でならないのはアメリカの債券市場が機能不全に陥っているのに株式市場は堅調な事だ。金融常識では考えられない事なのですが、アメリカでは金融機関のみならずGMなどの一般の会社も倒産の危機が迫っているのに株が高いのは理解できない。
アメリカ政府は株の空売り禁止を決めましたが、アメリカ版PKOも限界に来ているようだ。さらにアメリカ政府は不良債権の買い取り機関を設ける事を発表しましたが、不良債権の総額が時々刻々増え続けているのに買うことが出来るのだろうか。その資金はどこから持ってくるのだろうか。ニュースでは最大75兆円だそうですがこれでは気休めにしかならない。
なぜならばアメリカの住宅ローン残高は1200兆円規模ですが、10%下がっただけで120兆円の不良債権が出来るわけであり、日本では住宅は半値にまで下がったから最終的にはアメリカも500兆円くらいの損失が出てアメリカの金融機関を吹っ飛ばしてしまうだろう。
アメリカは経常赤字国であり国民の貯蓄はゼロに等しい。金融機関は経営の危機に直面しており、財政を支える国債の買い手はいない。日本や中国が国債を買い支えているからドルは何とかもっていますが、このままでは日本と中国はアメリカと抱き合い心中になってしまう。
日本だけでも何とか切り抜けられる方策を見つけて、出来れば米中だけで心中してもらいたいものです。アメリカとしては世界中を強引に巻き込んでアメリカが破綻すれば世界も破綻だぞと脅して海外政府と中央銀行にドルを支え続けさせるだろう。そのツケを一番引き受けるのが日本である。中国は最終的にはアメリカを裏切ってドル売りを仕掛けるかもしれない。
そうなればアメリカは破れかぶれになって中国と戦争状態にもっていって、借金をチャラにする計画かもしれない。戦争にはならなくても封じ込める事で中国を締め上げてアメリカの借金を帳消しにすれば一気に解決する。そこまでにはならないだろうが日本のようにアメリカに毟られ続ける事もなく、中国はいつかはアメリカに反抗する。
日本としてはそうさせないために、EUや中国やロシアやアジアやアフリカ諸国にまで手を回して、アメリカをIMF管理下に置いて徹底した「構造改革」をさせるべきだろう。アメリカの多くの金融機関や企業は日本などの外資に買収されて、アメリカがタイやインドネシアや韓国のような経済植民地になれば、日本はアメリカからの真の独立の時がやってくる事になる。