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http://markets.nikkei.co.jp/column/fxwatch/index.aspx
グリーンスパン元米連邦準備理事会(FRB)議長は最近、アメリカ経済は100年に1度の危機に直面している可能性が高いと発言していたが、それがいよいよ現実化してきている。米大手証券会社リーマン・ブラザーズが経営破綻に陥ったのである。 この週末は経営危機に陥っているリーマン・ブラザーズへの救済策が注目されていた。米大手銀行バンク・オブ・アメリカ(BOA)や英大手銀行バークレイズはリーマン・ブラザーズ買収に興味を示していたが、今回の交渉は不調に終わったようである。 争点は米通貨当局、政府の対応であった。今年3月にベアー・スターンズが経営危機に陥った際、FRBがJPモルガン・チェースに緊急融資を実施、その資金を活用してJPモルガン・チェースはベアー・スターンズを買収した。このスキームでは、買収に関連して損失が発生した場合、FRBが損失を保証するという条件がついていた。さらに、FRBが損失を計上した場合、政府への上納金を減額できるという点で実質政府が損失保証をするとポールソン米財務長官は発言した。正にいたれりつくせりの救済策であったわけである。 さらに、ちょうど1週間前には連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に最大で20兆円の公的資金を投入することが決定されている。こうした過去の事例をみて、各金融機関は今回も公的資金の活用を期待していたわけである。 しかし、今回米当局は公的資金の活用を拒否したようである。米政府としても、これ以上公的資金の投入をすればモラルハザードを招きかねない、さらにはこのまま金融機関を救済し続ければ、一体どれぐらいまで投入資金が膨れ上がってしまうのかわからないと恐怖を感じていたのかもしれない。 また、バンク・オブ・アメリカが米大手証券メリルリンチを買収すると発表したのも今回はマイナス要因として働いたようである。メリルリンチもそれほど経営環境が悪化していたのかという印象を市場関係者に持たせてしまったのであろう。 さらには米保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も資金調達難に陥り、金融機関に救済を求めているとの報道もある。アメリカの金融システムは完全に崩壊してしまった。 各国の株式市場にはかなりマイナスの影響がでることは避けられないだろう。リーマン・ブラザーズの破綻により、損失を被った投資家もかなりいると考えられる。さらなる損失が出ることを恐れて、投資家は新規投資には相当慎重になるだろう。既存の投資を手仕舞いする動きもでてくるだろう。 為替市場の反応は単純にドル安と反応するかはやや疑問がある。投資家がリスクを手仕舞いする動きがでる場合は、今まで活発に投資資金が流入した市場から資金が流出するからである。資金流入が集中していた通貨は米ドルではなく、やはり、オセアニア通貨や欧州通貨、新興国通貨などであろう。ここ2カ月ほどで、急速に円高が進行しているが、この流れはこの先まだ続くと考えておくのが妥当ではないかと思う。 本日16日、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回の混乱を受けて、FRBは緊急の金融緩和を実施する可能性がある。現状の円買い圧力が強い中で利下げが実施されると、対円ではドル安が進行する可能性がでてくる。一時的に100円を割り込む展開もあるかもしれない。(FXマーケットウオッチ) |