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麻生氏勝利なら長期金利上昇で金融緩和圧力も−日銀会合始まる(2)
9月16日(ブルームバーグ):景気の停滞感が強まる中、自民党総裁選では景気対策が争点の1つとなっている。景気重視派や上げ潮派が総理・総裁となれば、日本銀行に対して金融緩和圧力が強まる公算もある。日銀の金融政策決定会合が16日午後2時、2日間の予定で始まった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では有力日銀ウオッチャー17人全員が現状維持を予想した。
4−6月の実質GDP(国内総生産)改定値は前期比年率3.0%減と、1次速報値(同2.4%減)から下方修正された。JPモルガン証券の菅野雅明調査部長は「米国での減税効果はく落に伴う個人消費の大幅減速、欧州、特にドイツでの企業景況感の大幅悪化、東南アジア諸国でのハイテクを中心とする鉱工業生産減速など、日本経済を取り巻く環境は一段と厳しさを増している」と指摘する。
そうした中、佳境を迎えているのが、麻生太郎幹事長、石破茂前防衛相、小池百合子元防衛相、与謝野馨経済財政担当相、石原伸晃元政調会長の5人が争う自民党総裁選だ。物価の上昇と景気の停滞が同時進行する中、政策金利が0.5%と低水準にある金融政策は、表向き焦点とはなっていない。しかし、新政権による財政政策の運営次第では、再び金融政策が脚光を浴びる可能性もある。
日銀に対して強面(こわもて)ぶりを発揮してきた上げ潮派の中川秀直元幹事長。同氏が推す小池氏は公約で、マクロ経済財政政策運営について「財政出動には効果がない」として「金融政策を中心」とする考えを示しており、総裁・総理に就任すれば、「政治的には利下げ圧力、あるいは利上げ反対圧力が高まることも考えられる」(アールビーエス証券の山崎衛チーフエコノミスト)。
赤字国債発行で買い切りオペ増額も
対照的に、日銀に対して常々理解ある態度を示してきた与謝野氏。公約で「金利正常化による預金収入増と消費拡大」を唱えており、財政再建重視派の同氏が新政権に就けば、「逆に早めの金利正常化再開に道が開かれる」(三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジスト)との見方が強い。そして、景気対策を最優先する立場を鮮明にしているのが、本命視されている麻生氏。
ゴールドマン・サックス証券の山川哲史チーフエコノミストは「財政政策が拡張的なスタンスに転換する中で、赤字国債発行による金利上昇懸念が台頭すれば、これを相殺すべく、日銀に対して現状の低金利政策を長期化する圧力が働いてもおかしくはない」と指摘する。三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストは「国債増発により長期金利が急上昇すると、日銀の中長期国債買い切りオペの増額を求める声が浮上する公算もある」という。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト「自民党は『改革を止めるな』をスローガンに3年前の総選挙で大勝したが、最近は改革路線からの逸脱が見られる。小泉改革の功績の一つは『景気対策として財政政策を安易に利用しない』を徹底したことだった。財政政策は効率的な資源配分を大きく損ない、利益誘導型政治の温床となるなど、コストがあまりに大きい」と指摘する。
白川日銀の政治手腕は未知数
「公的債務残高が未曾有の水準に達しているにもかかわらず、長期金利が低水準で安定している理由は、政府が財政規律を保っていること、そして金融市場がそう認識していることだ。骨太方針2006で掲げた2011年のプライマリー赤字脱却の約束を簡単にほごにすることは、将来の公的債務返済に疑念を生み、財政リスクプレミアムを呼び覚ます恐れがある。そうなった場合、日銀が超低金利政策を続けても、長期金利を低位安定させることはできなくなる」(同氏)。
総裁選後、間を置かず総選挙突入も取りざたされている。HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは「景気後退下で財政プレミアムが増幅した場合、総選挙後の新政権から利下げ圧力がやや強まる可能性はある」という。白川日銀は「これまで政治的に無風状態で政策運営してきたので、政治手腕は未知数」(野村証券の松沢中チーフストラテジスト)。真価が問われるのはこれからだ。
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