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民主党の公約が発表された。その評価。
結論から:ようやくデフレ解消につながる手が打たれ始めたと言えよう。画期的な政策史上に残るものになるであろう。
評価をする場合、政治的や社会的な面より経済的な面から捕らえ、特に今の日本に必要なデフレからの解放の道筋が付けられているかどうか、その点を重視して分析しています。そして単独で評価するより、自民党の経済対策と比較考量しなければ意味がない。
民主党公約
1、年金制度を一元化し年金の基礎部分を全額税で補う。
税金を何で補うのか明らかにしていないが、消費税の増税となるのなら無意味どころか最悪である。負担を増やしデフレを深刻化する物に過ぎない。
2、子供手当の支給、月額2万6千円、
子供手当の支給は広い範囲でなされるものではなく、限定的なものであるため、効果の少ないものである。しかし消費者側に貢献するものである。
それ故デフレの時はこのお金を借金をして出すのか、他の負担を削って捻出するかにより大きく変わる政策である。借金をして出すのであればやらない方がよいであろう。選挙対策にはなる。
3、公立高校の授業料無料化や奨学金制度の拡充などは、経済政策としては意味がない。やや消費には貢献するが、福祉策であろう。
4、漁業補償、農業補償、中小企業支援などの対策は、デフレではいくらしても効果のない生産者側への投資であり、するべきではない。このような政策は、借金増大策であり、デフレでは正しい政策ではない。与党、野党ともするべきではない。選挙対策に過ぎず効果がない。
デフレは収穫逓減の法則が支配する世界である。それがデフレだ。生産量を増やすほど単価が低下し、付加価値が減じていく。それは消費が増えないから必然的に起こる現象である。この理解がないことがデフレ促進策が大手を振ってまかり通っている理由である。
5、高速道路の無料化、これは正しいデフレ解消策である。この政策の要旨はあくまで消費者への資金投入にあり、消費を増やすことに力点がある。物流コストを下げることは2の次である。特に大事なことは通勤に使われるような路線を集中的に下げ一気に消費者に還元すべきである。
このような政策が消費を増やし売上を増やすことから内需を増やすきっかけとなる。これが大事なのである。財源以上の税収が見込まれる。
それでも財源が心配なら、無料でなく7割減でもよい、そのすべてを道路公団の剰余金で賄うべきである。
それで借金の増えないすばらしいデフレ解消策となる。
6、道路特定財源の暫定税率の廃止:これこそデフレ解消の理想策である。ガソリンが安くなりそれが消費者に投入される分消費が増えていく。財源は道路に費やされる分を削減するため、生産者側への投資を少なくすることになる。
売上が増え生産量が減ることは、1単位辺りの付加価値が増えることを意味し、所得が増えることにつながる。それは所得線の角度を引き上げることを意味し、デフレ解消を促進させる。
特にガソリンが安くなるにつれ消費者に還元される物が多くなるのが、この政策のいいところである。
これらの民主党の制策に対してばらまきという批判を展開している評論家や経済学者、政治家などが多数いるが、政策は多かれ少なかればらまきである。
それがよりうまく所定の効果を上げることが大事なのである。
今回の民主党の政策ははっきりと消費者側への還元をうたい、実際に直接消費者が使えば使うほど消費者が得になるものである。
自民党の今年度の経済対策と比べると雲泥の差がある。同じ資金を投入するのでも、消費者側への資金還元、消費者の消費を増やすというデフレ解消の根本になる政策がみ当たらないことである。
デフレにおいて、もし同じ借金の量を投入したとすると生産者側に投入してもほとんどが無駄に終わり、景気が回復しないが、消費者側に投入すれば、その借金以上に経済が拡大するのである。
自民党の経済対策は漁業補償にしろ、農業対策にしても、生産者側への無意味な投資であり、無駄な補助金になる。このような補助金等の対策は何度も繰り返されたが、一向に消費が上向かなかった。今の状況ではこのような政策を取っても漁業者や農業者は、恐らく返さなければならない補助金なら欲しくないという状況になってきている。
また高速代金の半額にしても、ほとんど消費者への資金投入という観点が見られない。
定額減税は、今のように逼迫した消費状態では一定の効果を上げることができよう。しかし心配なのは、今までこの政策は日本では効果を上げ得なかったことである。将来への不安だけとは思えないほど貯蓄に回りがちであるため、減税額のすべてが消費に回らないため、消費に火がつかなかったのである。これを再度借金で行うのは危険な掛けとなろう。
やはり日本では消費者が使えば使うほど得になるような施策が大事だと思う。
このことから自民党の経済対策は、デフレに対抗できず、再び借金を増大させ、より日本経済を危険の縁にほうり込むであろう。
そして今行われている自民党の総裁選に見る各総裁候補の政策は、デフレ解消には程遠いものばかりである。
1、小泉構造改革は完全に失敗したものであり、外需の恩恵により見栄えがよかっただけなのである。これを継承することは、デフレをより促進させることになる。低金利、過剰融資、銀行救済だけを考えた政策により、貸しはがしによる企業淘汰、その結果、日本は低所得化し、輸出と輸入に頼る発展途上国型の経済になってしまった。
小泉構造改革の継承は、日本をより不幸にするだけである。(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/小泉政権の経済政策の失敗の総括)
2、財政均衡:民間賃金が減少し、物価が上昇している状態でプライマリーバランスを取ること、すなわち財政均衡を優先することは、国民に負担を掛け、さらに資金を市場から奪うことを意味する。それ故、経済を縮小させているに過ぎない。経済が縮小している時の財政均衡は民主主義に反する行いだ。
3、消費税は安定財源になり得ない。特にデフレで消費税を上げることは、デフレスパイラルを起こすことであり、日本の破綻である。特に与謝野氏が、回りの経済学者により裸の王様にされ、匹夫の勇を示すことは気骨がある人だけに残念である。
4、成長戦略であれ、上げ潮路線であれ、骨太政策にしろ、、すべてが生産者側への補助金、援助金であり、これではデフレから解放されるのは不可能である。
財源の最終兵器と思われる埋蔵金をこのような似非
成長政策の財源に使われ、借金をさらに増やされると日本は利子の支払いに耐えられないだろう。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/埋蔵金の使い方参照)
5、公共投資の増大による「夢よもう一度」政策は、
今まで何度もやり失敗した政策であり、もはやその失敗した原因も分かっているものである。いまさらするべきものではない。
餅投げに例えると、デフレ状態というのは、ただでも拾い手が多く、投げる餅の量が少ないものである。
そこへさらに拾い手を大量に増やすようなものなのである。一人当たりの餅の量がさらに減るだけであり、拾えない人もたくさんでる。このようなことを理論的にしているのがデフレの公共投資なのである。
これ以上餅の拾い手を増やさず、餅を増やす政策がデフレ解消策であり、経済復活の前提である。
このことから今回の民主党の政策は、今まで(平成3年度より今まで)とってきた経済対策の中では最も優れたものである。特にガソリン税の低減や高速代金の低減は、消費者に還元され消費を促すものであり、また生産者への利益供与となるため大きな効果を上げるだろう。しかも道路へ使う予算を削り、財源を捻出することは、負担も増えないため、一挙両得である。道路は急ぐ必要がなく、景気がよくなればまた作ればよいのである。
高速代金の財源も公団の剰余金を活用すべきである。
さらに完璧にするなら、財源の必要のない消費税の減税を行うべきであろう。日本全体でなくとも、四国、九州、北海道などの消費税を3%に戻す事が、より良いデフレ解消策となろう。
一言主。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/デフレ・インフレの一般理論参照