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GSE救済策の本音は景気回復とインフレ(KlugView)
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投稿者 そのまんま西 日時 2008 年 9 月 08 日 23:28:47: sypgvaaYz82Hc
 

GSE救済策の本音は景気回復とインフレ(KlugView)
2008/09/08 (月) 17:44

米政府は、経営難に陥った米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(2社をGSEと称します)を政府の管理下におくとともに、20億ドル(約2160億円)の公的資金を投入することを発表しました。これにともない、ファニーメイととフレディマックの経営陣は更迭され、2社の普通株と優先株の株主に対する配当金の支払いも停止されることが決まっています。

今回の米政府の決定に対して、金融市場はおおむね好感を示しています。たとえば、東京株式市場では、日経平均株価が3営業日ぶりに反発し、終値は前週末比412円23銭高い1万2624円46銭で終わっています。為替市場でも、米失業率の上昇といった悪材料に反応し、ドル円レートは一時105円台半ばまで下落しましたが、週明け8日の朝方には、一時109円台まで上昇しています。

ただ、米政府によるGSE救済策は、あくまで急場しのぎ策であり、抜本的な不良債権(いわゆるサブプライムローン問題)処理ではないとの指摘もあります。また、米金融システム不安の根源であるサブプライムローン問題が解決されない以上、いずれ、同じ問題は再燃し、米国を始めとする金融市場も不安定になるとの見方もあります。

たしかに、GSEが抱える不良債権額は、途方もない規模であり、ある試算によると、米政府はGSEの救済のために米GDPの2.5%(約38兆円)の財政支出が必要となるだろう、との見方もあります。財政支出の拡大は、最終的には米国民が支払う税金が拡大することを意味しますので、米国景気を下押しし、米国の通貨であるドルの下落を促すともいえます。

ただ、こうした考え方は、短期的には正しくても、長期で考えた場合、必ずしも正しいとは限りません。なぜなら、米政府は、税金をあてにしなくても、物価上昇(インフレ)によって財政支出の負担を軽減することが可能だからです。

インフレは、財政出の負担軽減だけでなく、住宅を始めとする不良債権問題にとっても朗報です。一般にインフレが進めば、それにあわせて住宅価格も上昇し易くなるため、サブプライムローンを始めとする住宅ローン債権の保有者である金融機関も損害を回避し、資金を回収することが可能になります。

もちろん、米政府が、現在のサブプライムローン問題を解決するべく、インフレ政策を推進すると明言することは考えにくいでしょう。しかし、今回の米政府によるGSE救済策を疑問視する方々が指摘するように、このままの状態を続ければ、米政府もいずれ苦境に陥る可能性が高まります。米政府の本音は、GSEを救済することで時間を稼ぎ、その間に、景気回復とインフレの進展を待つことのように思われます。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

経営難に陥った米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と
連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対し、
米政府はどれくらいの公的資金を投入する?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

20億ドル(約2160億円)

http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/09/08/003590.php  

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