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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-05/2008090506_01_0.html
高額所得者(全世帯の1%)に
所得総額の23%集中
米国内の格差 広がる
経済政策研究所 報告書を発表
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【セントポール(米ミネソタ州)=西村央】ワシントンにある民間研究機関、経済政策研究所は、八月末に「二〇〇八―〇九 アメリカ労働者の状態」と題する報告書を発表しました。報告書は、ブッシュ政権八年間で米国内の所得格差が一段と広がっていることを各種データで明らかにしています。
報告書は、米国の経済成長をもたらすために多くの労働者が懸命に働いてきたにもかかわらず、ほとんどの米国の世帯は自らつくり出した経済成長の恩恵を受けていないと指摘。所得格差の急速な拡大は、経済の成長や労働生産性の向上が幅広い国民の所得増につながるという構造の崩壊を示していると分析しています。
格差の一例としてあげているのは、所得上位の1%の高額所得者に全世帯所得の23%が集中しているという点。この比率は、一九一三年以降最も高くなっています。
報告は、これらの格差は市場経済の結果として出てきており、格差をさらに広げているのは、ブッシュ政権の高額所得者優遇の減税策だと分析。低所得者にはほとんど恩恵がなく、減税は中間所得層で一家計あたり約千ドルなのに対し、所得上位1%の高額所得者は一家計あたり五万ドルとなっています。
被雇用者を見ても、経営者や幹部社員など上位10%と残りの90%の所得格差は、一九七九年に二十倍だったのが、二〇〇六年には七十七倍以上になっています。
報告書は、生産性の向上や経済成長は勤勉で創造的な労働者全体の努力によるものであり、ごく一部の幸運なものがつくり上げたものではないと指摘。企業業績が勤労者全体に振り向けられておらず、米国民がすでに間違いが明白になった「ニューエコノミー(高成長が恒久的に続くとする経済理論)」のわなに捕らわれたままになっているとして、次のように分析しています。
「昨年のこの報告書で、生産性向上の保証があっても、生活水準が停滞したままという実態についての調査を開始した。その経済サイクルは今も継続し、こうした状態に終止符が打たれたと評価するのは難しい。二〇〇〇年代の経済サイクルは生産性の向上という約束では前進があったが、その成長がより良い生活水準をもたらすという約束は果たされているとは決して評価できない」