★阿修羅♪ > 国家破産58 > 152.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
世界での役割が変わりつつある中国経済(KlugView)
2008/09/04 (木) 13:20
9月3日、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、事業戦略説明会を開き、主力のユニクロ事業で中国以外のアジアでの生産を拡大すると発表しました。発表によると、ファーストリテイリングは、ユニクロ事業での海外委託生産の約9割を担う中国の比率を、5年後をメドに約3分の2まで下げる予定です。
現在、内外のユニクロ店で扱う衣料品(年間5億着)の約9割は中国で生産されており、残りの約1割が、ベトナム、カンボジア、バングラデシュで生産されております。中国での生産比率を下げる理由として、ファーストリテイリングの柳井社長は、「(生産コストが中国よりも安い)バングラデシュなどに拠点を広げないと世界で戦えない」とコメントしています。
こうしたニュースを目にすると、「世界の工場」と持て囃された中国の地位が、ベトナム、バングラデシュといった新・新興国に脅かされていると感じる方も多いでしょう。中国の経済水準の高まりとともに、中国で働く方々の賃金も上昇しており、中国が「世界の工場」になりえた「低コストの労働力」という強みは相対的に低下している状況です。
中国の通貨である人民元の為替レートが上昇していることも、中国の強みを低下させています。人民元レートが上昇すると、円を始めとする外貨建てでの中国への支払が上昇しますので、(仮に人民元建てで労働コストが上昇しなくても)日本を始めとする外国企業にとってはコスト高につながってしまいます。ファーストリテイリングが、中国での集中生産を見直すのは、労働コストの上昇、人民元レートの上昇といった状況を考慮した結果と思われます。
ただ、これをもって中国経済の世界的地位が、低下すると考えるのは早計でしょう。たしかに労働コストの上昇は、「世界の工場」としての中国の地位を低下させるかもしれません。しかし一方で、労働コストの上昇は、家計の購買力を拡大させる効果があることも忘れてはなりません。
先にご紹介したファーストリテイリングは、中国の生産比率を引き下げると発表するのと同時に、中国での出展を加速させる計画も発表しています。現在、ファーストリテイリングは、中国で23店舗を運営していますが、将来的には100店舗程度まで増やすとしています。
おそらく、日本を始めとする世界各国は、中国を生産拠点のパートナーとしてではなく、世界有数の消費市場とみなし、中国との経済交流のあり方を考えることになるのでしょう。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
現在、ファーストリテイリングが
中国で運営している店舗数はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
23店舗
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/09/04/003565.php