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長期的な視野で評価されるべき中国政府による中小企業向け銀行の設立(KlugView)
2008/09/01 (月) 19:23
9月1日付の日本経済新聞は、中国政府が中小企業の資金繰り支援を目的に「国家中小企業銀行」を設立する構想が浮上していると報じています。また、中国の地方政府も、中小企業向け金融機関の設立を進めているようです。
報道によると、国家中小企業銀行の設立は、国家発展改革委員会を中心に研究が進められているようです。研究では、国家中小企業銀行が、日本の中小企業金融公庫のように公的資金を用いて中小企業に安定的に資金を供給することを想定しているようです。
中国の中小企業は、規模が小さいこともあり商業銀行から融資を受けることが難しく、親族や友人などから資金を得たり、非合法の金融機関を利用することが多いとされています。これでは、たとえ将来性のある事業をしていたとしても、資金繰りが厳しく、(たとえ中国経済が発展したとしても)中国の中小企業が独力で事業を拡大させることは難しいといえます。
中国政府が、公的資金を使って中小企業の資金繰り支援をすることに対して否定的な考えもあるようです。中小企業に対する融資が拡大するような施策を実施してしまうと、政府が抑制しようとしているインフレ率が再び拡大する恐れがあるからです。
また公的機関が、中小企業をきちんとモニタリングすることができるのか?という懸念もあります。新銀行東京の例を挙げるまでもなく、公的機関が効率的に融資をするのは難しく、慎重な運用をしないと、ヤミ組織に資金が流入したり、大量の不良債権を発生するなどの問題が生じるといわれています。
ただ、先進国に比べ金融システムの整備が遅れているとされている中国では、たとえ公的機関であったとしても、中小企業に融資をするルートを強化することはメリットが大きいと考えるべきでしょう。おそらく中国は、これまでの安価な労働力を武器にした輸出主導の経済成長から、内需(特に個人消費)主導の経済成長に移行せざるを得ないでしょう。その際に、きめ細かい製品・サービスを供給することを得意とする中小企業の活躍は、不可欠なものと思われます。
国家中小企業銀行の設立が、現実のものとなるかは定かではないものの、中小企業向け融資の体制強化は、単なる景気刺激策とは違う次元で評価すべきと思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
中国政府が設立を検討している「国家中小企業銀行」とは
どんな銀行?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
中小企業の資金繰りを支援することを目的とした銀行で
日本の中小企業金融公庫のように
公的資金を用いて中小企業に安定的に資金を供給することが
想定されている。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/09/01/003547.php