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新たな冷戦構造の出現で懸念される世界の株式市場の行方(KlugView)
2008/08/27 (水) 17:34
8月26日、ロシアのメドベージェフ大統領は、ロシア南部ソチでテレビ演説し、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表しました。これに対し、グルジアのサアカシュビリ大統領は、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立は非合法的なものであり、欧州で大国が他国の領土を併合するのは、ナチスドイツとスターリン以来のことだ、ロシアを非難しています。
日米欧諸国もグルジアと同じ態度を示しています。ブッシュ米大統領は、声明を発表し、「緊張を高め、外交交渉を複雑にするだけだ」と非難した上で、ロシアに「無責任な決定」の見直しを求めています。またライス米国務長官も、国連安保理でグルジアの「領土の一体性」を守り抜き、ロシアを孤立させる考えを示しています。日本では高村外相が、ロシアの態度に対し声明を発表し、ロシアに主要8カ国のメンバーとして責任ある行動を強く期待する、と表明しています。
これまでなら、こうした諸外国の対応を踏まえ、ロシアも大人しい動きを示す傾向がありましたが、今回は違うようです。メドベージェフ大統領は、「われわれは何をも恐れない。冷戦状態をも覚悟している」と述べ、仮に南オセチア自治州とアブハジア自治共和国が攻撃を受けた場合、ロシアは軍事的手段で援助をすることもほのめかしています。
ロシアと日米欧の対立が鮮明化したことから、ロシアの株価は急落しています。ロシア株の代表的な指数であるRTSは、8月25、26日の2日間で7.2%も下落しています。ロシアと日米欧諸国との対立が強まれば、海外投資家の資金はロシアの株式市場から流出する傾向を強めることが予想され、海外資金で上昇を続けたとされるRTSは、下落傾向を強める可能性が高まるからです。
仮にロシアと日米欧諸国の対立がさらに強まれば、株価下落は、ロシアだけでなく世界的なものになる可能性も出てきます。一般に、経済環境の先行き不透明感が強まれば、株式市場では、将来不安に見合ったリスクプレミアムがリターンに要求され、株価はリスクプレミアムを織り込むように下落します。1990年代に、いわゆる冷戦構造が崩壊したことで、世界的に株価が上昇基調に転じたのと逆の展開です。ロシア株の下落を新興国株式市場にありがちな動きと考えず、日米をはじめとする先進国株式市場でも起こりうるものと考え、慎重な姿勢を取ることが今まさに求められているような気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
8月25日、26日の2日間で
ロシア株指数であるRTSはどれくらい下落した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
7.2%
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/27/003524.php