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インフレ圧力の高さを示すトヨタの値上げ(KlugView)
2008/08/25 (月) 19:22
8月25日、トヨタ自動車(トヨタ)は、スポーツタイプ多目的車(SUV)「ハリアー」のハイブリッド車と、ハイブリッド専用車「プリウス」の乗用車2車種について、国内販売価格を引き上げると発表しました。車両改良を伴わない乗用車の値上げは、第1次オイルショックの影響を受けた1974年以来(34年ぶり)のこととなります。
トヨタは、2車種を値上げする理由として、ボディーなどに使われる鋼板やハイブリッド車のモーターなどに使われるレアメタル(希少金属)など、原材料価格の上昇が値上げの要因と説明しています。トヨタの説明によると、当初は、数多くの車種で値上げを検討したようですが、国内の自動車市場の冷え込みを考慮し、値上げする車種をレアメタルの使用量が多いハイブリッド車のみにしたそうです。
たしかに、各種貴金属の価格は、世界的に上昇していますので、今回の値上げは仕方ないように思えます。また、それにもかかわらず、トヨタがいろいろと検討した結果、値上げする車種を2種類のみに留めたことも、トヨタの実力の高さを示したかのように思えます。
ただ、「カイゼン」という業務効率化を得意とするトヨタにあっても、(たとえ2種類だけとはいえ)値上げを余儀なくされたことは、製造業を取り巻く物価上昇圧力が非常に高いことを示しているという意味で興味深い現象です。
これまでトヨタは、原材料価格や人件費の上昇を、業務効率化によって吸収することを続けてきました。たとえば、これまで1人1台の割合で自動車を生産していたところを、1人2台に引き上げることが出来れば、たとえ原材料価格や人件費が1割程度上昇しても、売上高が拡大することで利益も拡大させることが出来ます。しかし、今回のトヨタの値上げは、こうした業務効率化だけでは対応できず、値上げという手段を用いなければ採算性が維持できないことを意味します。
トヨタは世界で1、2位を争う自動車メーカーです。このトヨタが値上げを実施したことで、おそらく他自動車メーカーでも値上げの動きが強まることでしょう。そして、自動車産業は、日本において1,2位を争う生産性の高い産業です。この自動車産業で値上げが浸透すれば、おそらく他産業においても値上げの動きが強まります。結果として、これまでデフレで苦しんできた日本は、今度はインフレ(物価上昇)で苦しむ可能性が高まることになります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
トヨタが車両改良を伴わず値上げするのはいつ以来?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
第1次オイルショックの影響を受けた1974年以来(34年ぶり)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/25/003511.php