★阿修羅♪ > 国家破産57 > 903.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
中国政府の経済政策に対する明確なメッセージといえる中国株の下落(KlugView)
2008/08/19 (火) 16:39
8月19日付の日本経済新聞は、中国の電力不足が深刻化していることを報じています。オリンピックが開催されている北京の電力確保を優先したために、山東省など沿海地域で電力が不足しているそうです。報道によると、山東省の8月の電力供給量は、需要量の3分の2程度に落ち込んでいます。
電力が不足しているのであれば、需要に見合うだけ電力供給量を拡大させればよい気もします。しかし、発電量の8割を石炭に頼る中国では、石炭価格が2年前に比べ2倍以上に上昇しており、電力会社も収益悪化を理由に稼働率を下げています。発電をすればするほど、電力会社は赤字が増えるだけ、という状況のようです。
石炭価格が上がったのなら、電力料金も引き上げれば、電力会社が赤字になることはありません。しかし中国政府は、今年7月に2年ぶりとなる電力料金の引き上げを実施しましたが、引き上げ幅はわずか5%です。原材料(石炭)価格が2倍に上昇しているのに、販売(電力)価格が5%しか引き上げられないのでは、どんな企業であっても赤字になるのは自然のことです。
おそらく中国政府は、物価全般にも大きな影響及ぼし、庶民生活にも直結する電力だけに、電力料金の引き上げ幅をできるだけ小幅にしたかったのでしょう。しかし、赤字を前提に企業が生産・販売活動をすることはありませんので、価格統制という策は、品(電力)不足という結果になります。
共産主義国家に限らず、自由市場主義に対する反発は、どこの国でもある程度存在するのは存じ上げていますが、いわゆる効率的な資源配分の点において、自由市場主義に勝る考え方(イデオロギー)は、なかなか見当たらないのも事実です。
ここでいう自由市場主義とは、物価を抑制するには金利というツールを使って金融を引き締め、商取引をできるだけ制限しないことを指します。言い換えれば、自由市場主義とは、中国政府が経済政策と称している活動・考え方と正反対に近い活動・考え方ともいえます。
8月18日、中国株の代表的な株価指数である上海総合指数(終値)は、前週末比5.3%安の2319.868と1年8ヶ月ぶりの安値をつけました。これにより上海総合指数は、今年に入って約56%下落したことになります。本コラムで何度も書いていることですが、中国株が示す大幅な下落は、中国政府に経済政策に対する明確なメッセージのように思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
中国政府が7月に電力料金を引き上げ。
その引き上げ幅は?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
5%(原材料である石炭の価格は2年前の2倍)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/19/003474.php