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信用市場、危機終息にはなお時間
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)が11日に証券取引委員会(SEC)に提出した四半期報告書で、7-9月期初から今までに住宅ローン関連の損失が約15億ドル出ていると明らかにしたことや、著名なアナリスト2人がゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)の投資判断を引き下げたことは、再び窮地が訪れることを示している。
これらは、7月中旬から株価がやや回復しているとはいえ、信用市場の混乱が続いていることを投資家に思い起こさせた。しかも、多くの信用商品の担保となっている重要な資産である住宅の価格が安定するまで、こうした状況は続く。
住宅価格が近いうちに回復するようには思えない。クレディ・スイスによると、住宅在庫は約11カ月分に達しており、2009年前半のいつかの時点で約13カ月分まで積み上がって天井を打つ見通しだという。米連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)(NYSE:FRE)は最近、全米の住宅価格の最も高い水準から底までの下落率予想を、従来の15%から18-20%に拡大した。
金融各社は今も、保有している住宅ローン担保証券(MBS)の多くが無傷で嵐を乗り越えることができると期待している。このため、市場の流動性を回復させるために必要なバランスシートの掃除をせず、なかなか降参しない状態が続いている。
金融各社が住宅とローン債権を格安で売却し始めれば、買い手は戻ってくる。これは痛みを伴うが、住宅市場にある程度の確実性を取り戻すために必要な規模まで取引を増やすには必要なことだとみられる。
MBS市場が悪化したのは、フレディマックと米連邦抵当金庫(ファニーメイ)(NYSE:FNM)が不安定になったことが主な要因だ。両社は先週、バランスシートが膨張し資本基盤が縮小したため、MBS市場を無条件で下支えすることは不可能になったと表明した。これは、市場を安定させる要因を奪うことになる。
米連邦政府が両社に提供しなければならなくなるあらゆる支援について、確信が持てない状況も続いている。米政府は7月中旬、事実上両社を救済すると表明したものの、救済策が不明確なため、住宅ローン市場の不安はさらに高まった。
ファニーメイまたはフレディマックが保証しているMBSと米国債の間の利回り格差が、不安の度合いを測る1つの目安となっている。いずれも期限前償還リスクにかかわるヘッジ費用を調整している。FTNファイナンシャル・キャピタル・マーケッツのアナリスト、ジム・ボーゲル氏によると、この数字は、7月後半から8月にかけて不安が著しく深刻化したことを示しているという。
3月にベアー・スターンズが事実上破たんした時には約0.5%だったが、ここ数日で0.65%に拡大した。年初はほぼゼロ、6月前半には約0.16%だった。
こうした利回り格差の拡大で、JPモルガンは住宅市場関連の損失がさらに拡大したと表明するに至った。これを受け、12日の同社株の終値は前日比3.97ドル(9.48%)安の37.92ドルとなった。このことから、大量の住宅ローン関連証券を抱えているほかの金融各社も同様の痛みを味わうことになると予想される。
さらに、ゴールドマンのように6-8月期(09年11月期の第3四半期)の終了を間近に控えている投資銀行にとってはタイミングが悪い。
今回の金融危機は1年前、住宅市場から始まった。危機を終わらせるのも住宅市場でなければならない。ただ、それまでにはまだ時間がかかる。
(8月13日付のHeard On The Streetより)
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