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13日付の朝刊に、大きく内需拡大の必要性について載っていました。シリーズの、東京大学教授 松原隆一郎教授の指摘です。政治経済欄では、相変わらず増税派と緊縮派=どちらもマクロ的には需要を増やす気がない記事ばかりでウンザリですが、文化欄ですが、こうしてまともな記事がありました。要点を抜粋。
上げ潮派か増税派か、小さな政府か大きな政府かといった経済上の対立が前提されているように見受けられる。けれどもそうした対抗の図式では見落とされるものもあるように思う。
上げ潮派が公的な歳出を減らす事に力点を置き、法人税や資産税といった大企業や株主の負担は軽減して、民間活力でGDPが増すならば、公的な歳入も後追いで拡大するだろうといってきた。
増税派は、法人税や資産税を増税すると唱えてはいないからだ。
小泉「上げ潮路線」の成果として、02年からの景気回復が挙げられる。批判の多くは格差の拡大を指摘する。あまり注目されていない点に、財政赤字の拡大がある。97年の橋本改革は、当時先進国中最善の水準にあった債務を「累積赤字」と言い立てたことで開始された。そして驚くべき事に、小泉構造改革を経て「財政赤字解消」どころか、逆に赤字の累積スピードが加速して、10年で倍増したのである。この間、企業への減税や高額所得者への減税、株からの配当や値上がり益への課税率引き下げを行ったため、税収は急落した。その落ち込みは国民の生活にのしかかった。
では何故、企業や高額所得者、株からの配当への増税という話にならないのか。税負担を増やせば海外逃避するだろう、という見方があるが、企業の立地は税率だけで決まるものではなく、社会や文化、政治環境も考慮される。
こうしてみると、上げ潮は経済の循環の内で供給面の増強だけに注目し、増税派はその循環内、国民所得の全般から歳入を得る事だけを考えているように思われる。上げ潮路線で需要面が貧弱になった小泉・安倍政権の後に、やはり福田政権も国民所得を介し需要面を細らせる戦略を探るという事になる。これでは循環が拡大しつつ拡張するという事はありそうにない。