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7月企業物価、原油高で27年半ぶりの高い伸び=日銀(ロイター)
2008年 08月 12日 11:12 JST
[東京 12日 ロイター] 日銀が12日に発表した7月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2005年=100.0)は前年比7.1%上昇となり、6月の同5.7%上昇(改訂)から伸びが加速した。エネルギー・原材料価格高の転嫁が進み、第2次石油ショックの影響が残る1981年1月に記録した同8.1%以来の高い伸びとなった。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比5.8%の上昇で、発表された数字はこれを大きく上回った。
三菱UFJ証券・シニア債券ストラテジスト、長谷川治美氏は7月の企業物価について「予想以上に強かった。7月に最高値を付けた原油先物価格と輸入価格に1カ月程度のタイムラグがあるため、もう少し川上物価の上昇圧力が継続、タイムラグを伴って川下物価への転嫁もしばらく続くだろう」との見方を示している。
前月比も2.0%上昇となり、1980年4月の同3.1%以来の高い伸びとなった。
品目別で上昇が目立ったのは、石油・石炭製品(前年比43.6%)、鉄鋼(同26.7%)、電気・都市ガス・水道(同8.1%)、化学製品(同7.3%)など。逆に下落したのは、情報通信機器や製材・木製品、前年が高水準だった非鉄金属など。
輸出入別では、輸入物価が契約通貨ベースで前年比34.8%上昇、円ベースでも同21.6%上昇したのに対し、輸出物価は契約通貨ベースで同4.7%の上昇にとどまり、円ベースでは同2.8%の下落となった。
輸入物価(契約通貨ベース)の上昇率は、1980年7月の同36.4%以来の高水準。
企業間取引では価格転嫁の動きが進んでおり、7月の数字もそれを裏付ける結果となった。実際、前年比で上昇した品目は全体の60.7%にのぼり、現行基準で最高だった6月の58.4%を上回っている。ただ、この動きが最終価格にまで広がるかどうかは不透明。消費者は生活防衛意識を強めており、値上げは逆に売り上げの減少につながりかねないためだ。
日銀は「素原材料の上昇率は高くなっていて、中間財の上昇率も最近高くなってきているが、最終財についてはまだ上がっているというところまではいっていない。耐久消費財や資本財はまだゼロ近辺なので、全般的に広がっているとまでは言えない」との見方を示している。
日銀が7月15日に公表した国内企業物価指数の政策委員の大勢見通しは、2008年度が前年比プラス4.7─5.0%(中央値は4.8%)、2009年度がプラス1.8─2.0%(中央値は1.8%)となっている。
(ロイターニュース 志田義寧)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33202420080812