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カスピ海の産油国アゼルバイジャンの国営石油会社(SOCAR)は9日、グルジアの黒海沿岸の港を通じた石油と石油製品の輸出を8日から停止したと発表した。ロシア軍による10日のグルジアの海上封鎖を受け、ロシア経由の石油輸送への切り替えを検討しているもよう。ロシアは今回の紛争を利用し地域のエネルギー輸送の主導権回復も狙っているとの指摘もある。
アゼルバイジャンは世界の原油生産量の約1%にあたる日量約87万バレル(07年)の原油を産出しており、旧ソ連圏ではロシア、カザフスタンに次ぐ有力産油国。19世紀末に現在の首都バクーの沖合のカスピ海で油田が発見され、欧米の石油会社が開発に参加、20世紀初頭には世界最大の生産量を誇った。ソ連時代は油田の中心が西シベリアに移り、バクー油田老朽化もあって、産油地帯としての地位は低下した。ソ連邦崩壊後、英BPなど西側資本が再参入し、バクーのより沖合で未開発の油田を開発したことで産油量が回復。産油国として復活しつつある。
(モスクワ=古川英治) (00:16)