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ダラダラと停滞する可能性もある今回の景気後退局面(KlugView)
2008/08/08 (金) 18:13
8月の月例経済報告では、景気の基調判断が「景気は、このところ弱含んでいる」と下方修正されました。月例経済報告で景気を「弱含み」と判断したのは、景気が後退局面にあった2001年5月以来です。
過去、月例経済報告で「弱含み」という言葉が使われたときは、景気後退局面にあったことが多い、景気との連動性が強い鉱工業生産がピークアウトした可能性が高まっている、などを考えると、日本景気が後退局面入りした可能性が高いといって良いと思われます。
月例経済報告を了承した閣僚会議後の記者会見で、与謝野経済財政相は、「(景気)後退という言葉は使わないが、『弱含み』ということは、日本経済が楽観できない状況に入ったということだ」と述べています。字義通りにとらえれば、与謝野氏は景気後退を認めていないように思えますが、与謝野氏は、「長い間の順調な歩みが曲がり角に来た」とも述べています。素直に景気後退を認めたくない気持ちは分からなくもありませんが、大臣という立場にいる以上、国民に分かり易く状況を伝える姿勢をもっと強く持った方がよい気もします。
景気が後退入りした要因の1つに、輸出の伸び鈍化があげられます。2002年2月より始まった今回の景気拡大局面での輸出の年平均成長率は、11.4%と、設備投資(同4.4%)、個人消費(同1.5%)を大きく上回っています。今回の景気拡大は、輸出の伸びだけで(ほぼ)支えられていたといえます。この輸出の伸びが鈍化したために、日本景気全体が後退局面に突入したといえます。
ただエコノミストの多くは、たとえ日本の景気が後退入りしたとしても、バブル崩壊のように長く大きな不況になると考えていません。日本企業は、リストラを通じて、過剰な設備、過剰な雇用、過剰な債務という「3つの過剰」を捨て去り、効率的な経営体質になっています。仮に景気後退に入ったとしても、日本企業の業績は、停滞こそすれ、バブル崩壊時のように大きく悪化することはないだろうと考えられるからです。
しかし、日本の景気後退局面が、大きな不況を伴わないとしても、やや長期化する可能性は視野に入れておいたほうが良いかもしれません。日本経済は、人口減少、少子高齢化といった構造的な要因から、個人消費や設備投資などの内需が拡大しにくく、景気が再び拡大するとすれば、やはり輸出に頼らざるを得ない状況です。輸出の拡大のためには世界経済、とくに米国と中国の景気拡大が求められます。
米国経済は、大型減税の効果が剥落する秋以降、個人消費を中心に失速する懸念があるほか、中国もインフレの進展もあって北京五輪後の景気拡大が不安視されています。米国と中国の景気が期待している早さで拡大しない場合、日本の景気もダラダラと停滞を続ける可能性はあると思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
8月の月例経済報告では、景気の基調判断が
「景気は、このところ弱含んでいる」と下方修正。
月例経済報告で景気を「弱含み」と判断したのは、
いつ以来のこと?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
景気が後退局面にあった2001年5月以来。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/08/003415.php