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国土交通省
見出し 谷垣偵一・国交相就任/公共事業削減指針堅持か
掲載 2008年8月6日 本社配信
本文 1日に行われた内閣改造で、自民党の谷垣・前政調会長が国土交通大臣に就任した。谷垣氏は15年9月に小泉内閣で財務大臣に就任し、18年9月まで公共事業費削減の指揮を執ってきた。その彼が今後の国土交通行政の行方を握る。削減が続く公共事業費を、新大臣は確保に向けて動くのか、あるいはさらなる圧縮を進めるのか。
「安心実現内閣」の名前どおり、谷垣国交相は就任会見で『安全・安心』を何度も口にした。災害に対する備えや社会資本整備の計画的推進を「安全・安心の観点から進める」、また観光分野における新しいニーズも「安全・安心の中にある」と語る。今後の国土交通行政はこれが大きなテーマになると推測される。
一方、依然として続く原油価格高騰への対策としても「単品スライドなど、打てる対策を打つ」という。転嫁を基本に、一部分への負担集中を避ける考えだ。
では事業についてはどうか。道路整備については「必要な道路とは何なのかを詰めていく。必要な道路は作るし、無駄なものは控えていく」という。『必要』さらに『無駄』の判断基準は今後議論で提示されるのだろう。条件を『詰めていく』ということは、計画事業の絞り込みとも受け取れる。
似たような発言は、全国建設業協会(全建)が7月3日に行った自民党への要望活動でもあった。政調会長の立場で要望書を手渡された谷垣氏は「必要な道路を作るのは当然。では必要な道路とは何か。道路整備を多面的に考えたい。無駄を排する姿勢は堅持する」とあいさつしている。
今回の就任会見では「時代として、新たに作るのではなくメンテナンスに重点が移ってきた」とも述べており、これらの言葉から察するに、新規道路整備はあまり期待できそうにない。
公共事業費は、平成14年度を境に前年比3%以上の減少を続けている。冬柴鐵三前国交相は「削減はもう限界」と述べていた。しかし、一時期とはいえ削減の陣頭指揮を務めていた人物が、国交相に就任したからといって自らの行為を無にするような「公共事業費の増を」と発言することは考えにくい。逆に事業の取捨選択がさらに厳しくなるかもしれない。うがった見方をすれば、財政面に強い谷垣氏が国交相に選ばれた理由は、さらなる公共事業費削減のためではないのだろうか。
就任会見では「まだ頭が整理できていない」と述べていた。これが徐々に整理されてくる頃からいよいよ『無駄の排除』が始まるのだろう。21年度の公共事業費は、5%削減の方向性で7月末に閣議了解となった。この夏の動きが、来年度の建設業界に与える影響は、図りしれない。