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日本経済の先行きを暗くする「賃金減少&物価上昇」の組み合わせ(KlugView)
2008/08/04 (月) 13:00
厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計調査によると、1人あたり賃金の指標とされている現金給与総額(事業所規模5人以上)は、6月に前年同月比0.6%減と、6カ月ぶりのマイナスとなりました。5月まで7ヶ月連続でプラスだった所定内給与(基本給に該当する部分)が、6月は前年比横ばいとなったほか、夏のボーナスに該当する特別に支払われた給与(特別給与)が前年比1.5%減となったことで、現金給与総額全体が押し下げられました。
6ヶ月ぶりとはいえ、賃金がマイナスになっただけでも消費者にとっては憂鬱なことですが、足元では賃金の減少だけでなく、物価の上昇も消費者にとって頭の痛い点です。6月の消費者物価指数は、前年同月比2.0%の上昇と、消費税率が引き上げられた影響が残っている1998年3月以来の伸びを示しています。原油価格の高騰を背景にガソリン価格の上昇に歯止めがかからないほか、食料品も3%以上の上昇率を示しています。
一般の方々は、企業から振り込まれた金額を見て、賃金が上がった(もしくは下がった)と考える傾向にあります。ただ経済学では、賃金の水準だけでなく、賃金の購買力(賃金として得たお金でどれくらい消費できるかを示す能力)もあわせて考えることがあります。たとえば、6月の場合、賃金は前の年に比べ(前年比)1.5%減少した一方で、物価は2.0%も上昇したので、賃金の購買力は前の年に比べ3.5%も低下した、と考えることができます。
日本経済新聞社が集計した4−6月期決算では、連結経常利益が前年同期に比べ15%減少しています。今後も企業の収益状況が大きく改善する見込みは薄く、人件費を削減する動きが強まる、つまり賃金がさらに減少する可能性も高まりつつあります。一方、原油価格は落ち着きを見せているものの、価格転嫁が遅れていたこともあり、消費者物価の伸びが大きく低下する見込みも薄い状況です。つまり、賃金が減少する一方で物価が上昇する図式に大きな変化はなく、賃金の購買力も低下傾向を続けると考えられます。
こうした数字を確認しなくても、消費者は「賃金減少&物価上昇」という状況を感覚的に理解しているようです。内閣府が発表した6月の消費動向調査によると、消費者心理を示すとされる消費者態度指数は、82年6月の調査開始以来、過去最低の水準に達しています。8月4日の日経平均株価が1万3千円台を割り込んだように、日本経済の先行きは、かなり怪しくなってきたといえそうです。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
内閣府が発表した6月の消費動向調査によると、
消費者心理を示すとされる消費者態度指数は、
いつ以来の低水準となった?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
82年6月の調査開始以来、過去最低の水準。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/04/003381.php