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身売り目的に思える投資会社のすかいらーく社長退任要求(KlugView)
2008/07/30 (水) 18:46
7月30日付の日本経済新聞は、外食大手すかいらーくの主要株主である野村グループなどの投資会社2社が、創業一族の横川竟社長に退任を要求したと報じています。すかいらーくは、2006年に野村プリンシパル・ファイナンス(野村プリンシパル)と英投資ファンドCVCキャピタルパートナーズ(CVCキャピタル)に横川氏ら経営陣が加わり、MBO(経営陣が参加する買収)で非上場化しました。すかいらーくの持株比率は、昨年末時点で野村プリンシパルが61.5%、CVCキャピタルが35.6%、経営陣や従業員が約3%となっています。
報道によると、すかいらーくの07年12月期の最終利益は130億円の赤字と、2期連続の赤字となったほか、前期(06年12月期)の赤字幅(111億円)から赤字幅を拡大させています。投資会社2社は、業績が上向く兆しが見えないことを退任要求理由にあげており、MBO時に2社に融資をしたみずほ銀行、新生銀行など19行に退任要求の説明をしたようです。
すかいらーくが2期連続の最終赤字となった背景として「消費者の外食離れ」があります。ガソリンや食品を中心に物価が上昇し、消費者が生活防衛(いわゆる節約)の動きを強めています。すかいらーくの場合、郊外型店舗が比較的多く、顧客の多くは乗用車で店舗を訪問する傾向が強いといわれています。節約で外食を手控える動きだけでなく、ガソリン高で乗用車の利用頻度も落ちていることで、すかいらーくは苦戦を強いられているようです。
日本経済新聞の記事には、仮に投資会社2社が横川社長を退任させ、経営の主導権を握ったとしても、経営の舵取りは厳しいと書かれています。たしかに、ガソリンなどの物価上昇を背景とした消費者の外食離れが進展しているのでは、誰であっても、すかいらーくの業績を早期に回復させるのは難しいように思われます。
単なる邪推に過ぎないのでしょうが、投資会社2社の狙いは、横川社長に代わる新経営陣で、すかいらーくの業績を立て直すのではなく、すかいらーくを他企業へ身売りすることにあるのかもしれません。すかいらーくは、様々な業態で4千近くの店舗を有しており、他外食企業や外食業への参入を検討している企業にとって非常に魅力的な企業です。
創業一族である横川氏が、すかいらーくを去れば、すかいらーくを買収する企業は、すかいらーくを比較的自由にコントロールできる可能性が高まります。すかいらーくの投資会社である野村プリンシパルやCVCキャピタルの主な事業は、投資であり外食ではありません。投資を生業とする2社が主体となって外食企業を経営すると考えるのは、やや不自然なことといえるのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
すかいらーくの経営陣や従業員の持株比率はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
約3%
(野村プリンシパル・ファイナンスは61.5%、
英投資ファンドCVCキャピタルパートナーズは35.6%)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/07/30/003355.php