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日経BP 全文ソース
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20080724/166217/
記事の評価欄があるので、読んだ方が評価すると尚、良いと思います。
円安で潤うのは、一部の企業だけ。家計には大ピンチ!
僕の年齢を明かしますと40歳手前なんですが、僕より上の世代には、「円安こそ国益」と主張される方が結構多くいらっしゃいます。だから、3月に円高が進んで1ドル95円台に突入した際、世間は大騒ぎしたわけですが、違うんだな〜。「95円? 円高だ! やったー!」と喜ぶべきトコロなんですけど…。
もちろん、円安信奉者にも言い分があります。「日本は貿易黒字国である」と。日本の輸入額と輸出額を比べると、輸出のほうが多い。よって、円安になれば、輸出分の円の受け取りが輸入の支出分より多くなるため、黒字額が増えるという考え方です。このロジックは20年ぐらい前までは、非常に的を射たものでした。その点については僕も否定しません。
しかし、現状を見るに、日本の貿易黒字額はどんどん縮小しています。さらに、「一国経済で見れば、円安のほうがイイんだ!」という論理が成立するとしても、得をしているのは輸出関連企業を中心とする企業サイドだけです。
それでは、円安時に潤っていた企業がボーナスを大盤振る舞いしたのかというと、そんな話はあまり聞かなかったですよね。業績が良くても、従業員への還元率は一般に低かったわけです。円安で潤うのは家計ではなく、企業。特に、現在のような物価上昇時では、円安は家計に大打撃を与えます。
原油しかり、小麦などの穀物しかり、魚や野菜、果物…。日本は食卓ばかりか生活の大半を“輸入モノ”に依存しています。前回、解説したように、新興国の需要増などで食料価格が上がっているところに、円安が加わったらダブルパンチ!外貨預金をしている人だって、1ドルが100円から110円になって「1割儲かった」と思っても、物価が2割上がったらゼンゼン意味がないですよね。
ここでガソリン高の要因について考えてみましょう。もちろん最大の理由は原油高ですが、円安に振れた際の影響も見逃さないでいただきたい。暫定税率復活と同じロジックですよ。ガソリン高の背景を細かく見れば、原油高だけではなく、暫定税率復活や一時期より円安になった要因も大きいのです。
みなさん、ガソリンが1リットル180円台に突入したと大騒ぎしています。原油価格がさらに上昇を続けるのであれば、ガソリンが1リットル200円台になっても不思議ではありません。この時に私たちが注意すべきなのは、円安の進展に加え、他製品の価格への波及のスピードです。
例えば、ガソリン代が上がったから、翌日から宅配便の値段がすぐ上がるということはありません。一般的に価格波及にれば、半年から1年ぐらいかかるからです。
となると、単純に考えて、いま起きている物価上昇は、半年から1年ぐらい前の原油価格上昇の影響です。そこからさらに上がっているわけですから、ガソリン価格の上昇はまだ続くことが予想できるし、鶏の胸肉の値段も上がるかもしれない
次に価格上昇が起こる分野は、宅配便業界だと僕は見ています。そうすると何が起こるか。ネットショップなどのeコマース業界が厳しくなるのではないでしょうか。eコマースって、宅配便の発展とともに発達した業界ですから。例えば「サイズが合わなければ、送料負担なしで返品OK」だったのが、そうもいかなくなるかもしれません。通販業界の売れ行きに影響してくる可能性があります。
コメント
記事にあるとおり、過去においては円安が国益だったでしょう。ですが今は違います。そして日本がデフレであえいでいる間、反対に貿易赤字国は通貨高で、自分たちの労働以上の富を得てきました。外需依存、というのは、その相手国は内需依存になります。輸出企業、そして特にアメリカ、これらの思惑で、円安が国益、というデマが昨今、はびこっていた様に思います。いつの時代も自国の通貨が高いに越した事はありません。高い時は輸入のウェイトを増やして内需依存にすれば良く、その分、豊かさを享受できます。それは、働いて輸出をして得た当然の権利なのですから。
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