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投機資金の流入を示唆する中国の外貨準備高の急増(KlugView)
2008/07/15 (火) 11:21
中国の中央銀行である中国人民銀行は、6月末の外貨準備高が前の年に比べ35.7%増の1兆8088億ドル(約192兆円)になったと発表しました。中国の外貨準備高は、2006年2月に日本を抜いて世界一の規模となっていますが、いまや2位の日本の2倍近い水準まで拡大しています。
中国の外貨準備高が増える理由として、これまでは貿易黒字の拡大が指摘されていました。中国人民銀行は、貿易によって得た外貨を中国企業などから買い取る為替介入を継続的に実施しているため、貿易黒字が大きくなればなるほど、外貨準備高も大きくなる図式となっています。
しかし、最近では中国の貿易黒字と外貨準備高との間の連動性が、以前ほど強くありません。今年1−6月期の中国の貿易黒字は990億ドルですが、外貨準備高は同じ時期(今年1−6月期)に2806億ドルも増えています。海外企業による直接投資額を考慮しても、外貨準備高の増加額のうち、1300億ドル(約13.8兆円)あまりは、貿易黒字や直接投資で説明できません。
市場関係者の間では、外貨準備高のうち出所が説明できない資金の多くは、「熱銭(ホットマネー)」と呼ばれる投機資金ではないかと指摘されています。投機筋が、人民元レートが今後も上昇すると見込み、中国への投資を拡大させているという見方です。
中国では、インフレが進んでいることもあり、利上げなどの金融引き締め策が続けられています。こうした金融引き締め策は、短期的には人民元レートを引き上げる効果があるため、人民元高を見込んだ投機筋は、より多くの資金を今後も中国に投ずる可能性があります。この場合、せっかく金融引き締めをしても、投機資金の流入で中国経済に多くのマネーが流通することになり、インフレが抑制されにくくなります。
中国政府・当局とすれば、投機資金の中国への流入を止めるべく、外貨管理を徹底させることで投機資金の動きを封じたいところでしょう。しかし、すでに中国経済は、ある程度、諸外国に開放されたものであり、今までの行動を無視して外貨管理を徹底させるのは難しいと思われます。今の中国政府・当局がすべきことは、外貨管理の徹底ではなく、人民元の上昇期待を後退させるべく、なるべく早くに人民元の上昇を容認し、人民元レートを実勢ベースに近づけることのような気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年6月末の中国の外貨準備高はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
1兆8088億ドル(約192兆円)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/07/15/003256.php