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日本経済の再生〜ポール・サミュエルソン(米マサチューセッツ工科大学 名誉教授)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080707/164650/?P=1
去年の12月の静岡新聞で、日本の内需拡大の必要性について「いい加減、日本は財政難であるという論は誤りであるという事に気づくべき」という論調で、以下の記事にあるように言及されましたが、
国の借金が大変なら日銀が買い取れば良いと世界を代表するエコノミストが提言(小野盛司)
http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/381.html
ここに来てまた一つ、日経BPがそれを取り上げました。以下に要点を抜粋します。
サブプライム問題による金融の混乱に原材料価格の高騰──。様々な不安要因が重なり、世界経済の行方は混迷を深めている。そんな中、少子高齢化に直面する日本では将来への懸念が強い。だが、ノーベル賞経済学者であるサミュエルソン名誉教授は「日本経済には成長の方策がまだある」と悲観論を一蹴する。“日本流”の欠陥を改め、輸出から内需主導の成長へ舵を切る。
日本政府は膨大な貿易黒字の大半を利回りの低い米国債の購入に振り向けてきた。
これはドルに対する円の上昇を抑え、円安によって日本企業の輸出競争力を維持することが目的の1つだったのでしょう。しかし米国債の購入を続けることで、ほかの投資方法によって資産を大幅に増やす機会を日本政府は逸してしまいました。
そして今、ドルは長期的な下落傾向にあります。米国債の購入を続けても、ドルの下落を食い止めて円高を防ぐことはできません。その一方で、円はほかの通貨に対しては下がっている。日本政府はもっと以前にドル以外の通貨の資産を増やしておくべきでした。
ここに日本のもう1つの特徴である長期志向に伴う欠点を見て取ることができます。長期志向の下で一度決めたことが誤りであっても、軌道修正をせずに続けてしまうところが問題なのです。日本政府が米国債を購入し続けることはまさにその典型と言えます。
日本が今後も経済を成長させ続けるためには、現在のように輸出主導型の成長に固執するのをやめ、内需を拡大することも必要でしょう。それには、赤字国債の発行によって財政支出を増やすとともに減税を実施することです。
不況が長期にわたった90年代にも、日本は財政出動を果敢に実施すべきでした。29年に始まった世界大恐慌に終止符を打つために積極的に政府支出を拡大した当時のフランクリン・ルーズベルト米大統領のようにです。
ところが財政再建を優先し、消費税の税率を引き上げた。その代わりに金利の引き下げによって景気を回復しようとしました。しかし、結果は思い通りにはならなかった。なぜなら、金利が低くなりすぎて金融政策の効果が失われる「流動性の罠」に陥ったからです。にもかかわらず、日銀は政策の誤りを認めず、ゼロ金利政策を取り続けました。その結果、不況が長期化したのです。
不況から脱した今、恐らく国内外の保守的な人々からは増税と歳出削減による財政再建を求める声が再び強まっていることでしょう。「GDPに比べて著しく多い国債残高をいつまでも抱えておくことはできない。削減すべきだ」とね。
しかし、日本政府は次のように反論すべきです。「それはあなたの知ったことではない。先にやらなければならない重要なことはほかにある。それは再び経済を成長させることだ。国債の残高について心配するのはその後でいい」と。
財政支出を増やして公共投資を拡大せずに、金融緩和に頼ったから、失われた10年と言われるほど不況が長引いたのです。しかも、現在は世界経済が失速し始めている。財政支出の拡大と減税によって景気を刺激すべきです。増税による財政再建は今なすべきことではありません。
もっとも、公共投資には注意すべき点があります。日本では建設業界の影響力が強く、公共投資の多くが道路の建設に使われる恐れがあることです。公共投資が不必要なインフラの建設費用に使われないようにチェックしなければなりません。
(以下は余談)
移民の受け入れについては慎重に検討すべきです。労働人口を増やすメリットが大きい半面、デメリットも少なくないからです。例えば、東欧やロシアなどから移民が流入し続けている西欧諸国では、人種間の対立が激化し、移民による犯罪が急増している。日本はこれまで、多くの移民を受け入れずに経済のグローバル化の恩恵を最も享受してきた国です。この点をよく考えるべきです。
今の米国は市場に対する適切な規制がなくなり、金儲け優先になりすぎている。こうした姿勢がサブプライムローンを生み出し、現在の金融不安を招きました。今の米国に見習うべきことはありません。
欧州でも著しい経済成長を遂げたアイルランドや、経済成長率は高くなくても国民一人ひとりが豊かなデンマーク、スイスといった小国にこそ学ぶべき点が多いのではないでしょうか。これらの国では市場メカニズムを重視しながらも、適切な規制が行われています。
(取材構成:中野目 純一)
コメント
この中野目氏は、日経BPでシリーズ ポスト成果主義を取り扱い、好評になっていますが、
【日経BP】シリーズ:ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに “クソッタレ撲滅”で職場いじめ解消を
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/779.html
それは置いといて、こうしてまた、政府とマスゴミが一緒になってずっとやってきた”財政難キャンペーン→増税か緊縮財政しかない”という洗脳に対して、それは違うという記事が出ました。
働いている方なら実感として分かると思いますが、デフレだと人々が使うお金がどんどん減っていき、それの悪循環になっていきます。経済はそうして縮小していきます。そういう時はどうすればいいか?というのは、マクロ経済学を理解していれば問題点はすぐ分かるのですが、それを邪魔するための価値観の様に”財政均衡主義=小泉・竹中平蔵が特に広めた価値観”が立ちはだかりました。
それは実態の経済で嫌でも分かったはずです。緊縮財政を取り続けてどうなったか?自公の財政難キャンペーンに騙されないでください。しつこく言いますし、サミュエルソン氏が言ってるように「無駄な公共事業をしないのと、必要な需要は補わないといけない」のは、ちゃんと分けて考えなければなりません。削減だけを推し進めれば、それは破滅への道をさらに進むのみです。
参考
国の借金が大変なら日銀が買い取れば良いと世界を代表するエコノミストが提言(小野盛司)
http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/381.html
【神州の泉】お金が海外に流れ出ている(小野盛司)
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/263.html
【ヒロさん日記】反ロスチャイルド同盟提供:「Money As Debt」日本語字幕版
http://www.asyura2.com/07/war96/msg/192.html
日本にはびこる財源病:財源バカ
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/735.html
政府がなぜ、財政均衡主義に捕らわれているか、なるほどと思いました。
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/369.html
書籍『黒字亡国 対米黒字が日本経済を殺す』 三國陽夫 【朝日新聞 06年】
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/756.html