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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080709-00000948-san-pol
中川秀直元幹事長 安易な増税は「三流国家」への道
7月9日19時22分配信 産経新聞
■国民の価値観を反映
豊かな時代に育った若い世代は金銭欲を満たすことよりも生き甲斐や自尊心を求めているんですよ。でも永田町や霞が関では相変わらず物質的な議論ばかりで、肝心な問題は答えが示されていない。そんな思いから著書「官僚国家の崩壊」(講談社)を出版したんです。おかげさまで30〜40歳代を中心に反響が大きいですね。
一部メディアは私が民主党の一部と「中川新党」を結成すると騒いでいますが、私が考えているのはそんな小さな話ではありません。政治に国民の価値観をいかに反映させるかが重要なんです。与野党の垣根を超えた共通ビジョンが生まれてくれば大きな地殻変動が起こる。「ビジョン再編」が起こるんですよ。
衆参がねじれていてもそれぞれの政党のマニフェスト(政権公約)に同じビジョンが入っていれば法案は成立する。別に大連立でなくてもいいんです。先の国会で国家公務員制度改革基本法が民主党も賛成して成立したのは、その先駆けじゃないかな。永田町の足し算や引き算では大きな改革は進まないんですよ。
■増税論議はまだ先の話
先日、私が代表世話人を務める清和政策研究会(町村派)は国の特別会計の積立金など「霞が関の埋蔵金」を活用し、今後3年間で50兆円規模の財源確保が可能だとする提言をまとめました。国と地方の借金総額1000兆円に比べれば20分の1にすぎないが、これに手を付けず増税を議論しても国民に理解されるはずないじゃないか。
平成21年度から基礎年金の国庫負担率が3分の1から2分の1に引き上げられるので、2兆3000億円の財源確保が喫緊の課題ですが、このためだけに消費税を引き上げる必要はありません。国と地方の公務員人件費縮減などやるべきことはいくらでもある。
確かに自民党内は「社会保障目的の増税が必要だ」という認識で合意できていると思います。でも衆参ねじれた現状では野党を含む国民的合意がなければ国会で法律は通らないし、社会保障の財源も決められない。まずは3年以内に社会保障制度の枠組みについて与野党合意を形成することが先決だ。増税論議はそれからの話ですよ。
■時代ごとに制度を変革
与謝野馨前官房長官らは消費税増税を強調していますが、それはいまの制度を何も変えないことが前提の議論でしょ。それでいいんですか。時代に合わせて制度を変えていかなければ、日本は公費天国の「大重税国家」となり、アジアの片隅の三流国家になってしまう。私にはそんな危機感がある。そこが与謝野氏らとの基本的な認識の違いかもしれませんね。
しかも人口減少社会に突入したんですよ。50年後の日本の人口は9000万人を下回るという推計もあります。これまでの制度を続けてよいはずがない。自民党国家戦略本部では「50年間で1000万人の移民受け入れ」を提言しましたね。外国人を受け入れ、多種多様の時代に対応した政治、行政、経済の仕組みに変革することが必要なんだ。日本文化を理解し、よき日本人になりたい外国人は歓迎すべきです。大和朝廷は渡来人をどんどん受け入れ、それにより大和民族は形成されたんですよ。
福田康夫首相はそういう時代の変化をとらえ、「静かなる革命」を起こそうとしているんです。中でも温室効果ガスの大幅な削減を行う「低炭素革命」は後世に残る革命だ。一般財源化される道路特定財源などを使って目に見える前進をさせなければならない。
■ポスト福田は福田
そうやって首相が頑張っているのに「ポスト福田」なんて考える必要はない。「ポスト福田は福田」なんです。福田内閣を全力でサポートするために清和研は政策提言したわけで他意はない。内閣改造が取りざたされているが、首相が白紙といえば白紙だ。どんな判断でも首相を支持し、首相の判断に従いますよ。
清和研の政策勉強会を「中川勉強会」と報道されたが、みんなに呼びかけた勉強会であり、誰も派中派工作とは思ってません。清和研は森喜朗元首相をはじめ個性豊かですが、政局では常に一致結束してきた。これからもそうです。
これまで私はいつも黒子役でしたが、黒子ばかりというのもね…。私への待望論があるとすれば「お山の大将」を争うことではなく、ビジョンや政策を実現するための期待でしょう。そのためにはわが身を捨てて改革派の「弾よけ」にもなるし、時には先頭に立って引っ張っていく機関車にもなるつもりですよ。(加納宏幸)