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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080705-00000007-gen-ent
先月末に発表された5月分の消費者物価指数は前年同月比1.5%の上昇だった。今年中に1.7%まで上昇するとみられているが、この指数は値下がりしている大型家電なども含むため、このレベルで済んでいるだけの話だ。生活実感としてはもっと高い、というのが本音ではなかろうか。
生活必需品、とりわけ食料品の値上げが相次いでいるのが痛い。ぜいたく品と違って食事は毎日のこと。一つ一つは少額でも、品数が多いだけに家計に与えるインパクトは計り知れない。
大豆や菜種の価格高騰を受け、日清オイリオグループは食用油の出荷額を10%上げると発表。今年に入って食用油の値上げはこれで4回目だ。毎回10%程度の値上げを行ってきたから、昨年末からの半年間で40〜50%値上がりした計算になる。
「あくまで出荷価格ベースの値上げで、店頭価格が4割アップということではありません。ただ、原料価格は下がる見込みがないので、今後も値上げの可能性があります」(日清オイリオグループ広報)
マヨネーズやマーガリンの値上げも、原料となる食用油の高騰によるところが大きい。
今年1月から9月(予定)までの主な食料品の値上げ率は表の通り。パンやパスタといった主食類の大幅値上げは家計に大打撃だが、さらに恐ろしいのは副菜となる肉類や野菜の価格も高騰していることだ。
「すでにネギやニンジンは店頭価格が4割近くアップしているが、JA全農が7月から肥料価格を平均60%引き上げるため、秋以降は一部野菜価格が昨年の2倍近くまで跳ね上がるかもしれません。肉類もエサの高騰が影響して価格がジワジワと上昇。エサ代の上昇分については国が助成する制度があるが、補填可能な範囲はとっくに越えた。上昇分が店頭価格に転嫁されるのは必至で、昨年比で10%ほど上がると思われます」(JA関係者)
シンクタンクの日本総合研究所の試算によれば、物価上昇の影響で家計の負担は前年に比べて月あたり4851円増える見通しだ。
このうち食料品の負担が1459円。負担増の実に3割が食料品によるものだ。
「4月時点の試算では平均負担増加額は4429円でしたが、原油や穀物の価格高騰が予想を上回るペースだったため上方修正しました。年内にさらに試算額が増える可能性もあります。生活必需品は簡単に切り詰められるものではないので、低所得世帯ほど負担が大きく深刻。負担増加額は平均で収入の1%前後に達します」(日本総研)
世帯年収600万円の家庭で年に6万円の負担増……。
この夏のボーナスは使わずに、今後の物価上昇に備えるのが賢明か。
【今年1月からの主な食料品値上げ】
●カップ麺/日清食品、東洋水産など/10〜15%
●インスタントコーヒー/ネスレ/11%
●菓子/明治製菓、不二家など/12〜15%
●ビール/キリン、サッポロなど/3〜5%
●味噌/マルコメ、ハナマルキなど/10〜15%
●ちくわなど練り製品/紀文、マルハニチロなど/10〜25%
●チーズ、マーガリン/雪印乳業、明治乳業など/8〜33%
●アイスクリーム/ロッテなど/8〜20%
●パスタ/日清フーズなど/15〜30%
●食用油/日清オイリオグループ/10〜40%
●しょうゆ/キッコーマン、ヤマサなど/11%
●香辛料/エスビーなど/5〜10%
●パン/山崎パンなど/8〜30%
●マヨネーズ/味の素など/6〜14%
●ブランド卵/JA全農/1パック30円(約10%)
●ウイスキー、ブランデー/サントリーなど/3〜13%
●柿ピーなど米菓子/亀田製菓など/4〜9%
●いいちこなど焼酎類/三和酒類/平均8.7%
●紅茶ティーバッグ/ユニリーバ・ジャパン/6.6%
●コーヒーなど/ドトール/10〜30円
●ギョーザ1皿/餃子の王将/1人前21円