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一時的と思われるドル円の上昇(KlugView)
2008/07/04 (金) 16:12
7月4日の東京外国為替市場ではドル円レートがジリジリと上昇しています。午後3時30分現在、ドル円レートは106円86銭と、6月27日以来の107円台に到達しようとしています。いわゆるドル高(円安)です。
7月3日、6月の米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)は前月より6.2万人減少し、失業率は前月と変わらず5.5%のままでした。NFPの減少は6ヶ月連続で、失業率は今年最高水準です。
米国景気は、雇用情勢との連動性が強いことで知られています。よって、NFPが減少傾向にあり、失業率が高止まりしている状況は、米国景気の悪化を意味しているといえ、ドルは上昇ではなく、むしろ下落するのが自然といえます。
市場では、ドルの上昇に対する理由付けとして、米国の独立記念日(7月4日)と、ECB理事会声明文が指摘されています。米国の独立記念日により市場関係者の多くは休みを取るため、為替のポジションをスクエア(ポジションをゼロ)にする傾向が強まり、結果としてドルが買い戻されたという見方です。
ECB理事会声明文では、ECBが利上げ姿勢を示すために使われてきた文言が削除された一方で、金融政策の先行きを中立にすることを示す文言が追加されました。市場は、この文言に注目し、ユーロ圏での利上げは当面ないとの見方を強め、ユーロ売りを進めました。この結果、ドルも買い進みやすくなりました。
ただ、米国の独立記念日にせよ、ECB理事会声明文にせよ、ドルを下支えする効果は一時的のように思えます。当然のことですが、独立記念日が終われば、市場関係者は再び仕事(為替取引)に戻り、ポジションを持ち始めます。米国景気の先行き悪化がある程度はっきりしてきた状況で、ドルを買い進む行動をとる市場参加者は少数派のような気がします。
ECB理事会声明文にて、ユーロ圏の金融政策の先行き中立を示す文言が追加されたとはいえ、実際に利上げがストップするわけではない気がします。ユーロ圏の消費者物価指数は、通貨統合後、最も高い伸びを示しており、インフレが進展している状況です。原油価格の高止まりや労働者の賃上げ要求の強さなどを考えると、ユーロ圏のインフレ圧力は依然として高く、ECBは近い将来、利上げを強いられると考える方が自然に思えます。
足元でドル円レートが上昇したことで、ドル買いトレンドが為替市場で強まったと考えるのは、現状だけで判断した考えのように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
6月の米雇用統計で示された非農業部門雇用者数は
前月からどのように変化した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前月より6.2万人減少した。
(失業率は前月と変わらず5.5%のまま)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/07/04/003204.php