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他人事ではない自国通貨安による物価上昇・景気悪化(KlugView)
2008/07/03 (木) 19:25
7月2日、韓国政府は今年の実質GDP成長率見通しを6%から4.7%に下方修正しました。韓国政府の説明によると、原油高で1%、政策推進上の制約で0.3%、成長率が下押しされるという見立てです。一方、消費者物価の上昇率見通しは、従来の3.3%から4.5%に引き上げられています。
一般に、物価上昇率が高まる一方で景気が低迷する現象は、スタグフレーションと称されます。見通しが修正されたとはいえ、韓国の成長率が4%台後半を維持されればスタグフレーションとは言い切れませんが、仮に今後も成長率見通しが低下するようだと、韓国経済=スタグフレーション、といった認識が強まるのでしょう。
韓国経済を下押しする要因の1つに韓国の通貨であるウォンの下落(ウォン安)があります。あまり知られていないかもしれませんが、足元のウォンは、1ドル=1040ウォン前後と、年初から10%程度下落しています。ウォン安は、韓国の輸出を拡大する効果を持つため、韓国経済にとってプラスのはずです。しかし、ウォン安は、一方で、ウォン建ての輸入物価を上昇させる効果もあるため、国内物価を押し上げることになります。現在の韓国経済は、原油価格の上昇もあって、物価上昇によって需要が減退する図式となっているため、ウォン安による輸出拡大のプラス効果よりも、輸入物価の上昇(ひいては国内物価の上昇)のマイナス効果のほうが大きいようです。
自国通貨が安くなることで物価上昇が進み、景気悪化の可能性が高まりつつある韓国を他人事のように感じる方も多いかもしれません。しかし、これは韓国だけの話ではなく、中国、ベトナム、インドといった物価上昇で苦しむ国々にも当てはまる話であり、インフレとは無縁のように思われる日本にとっても同じことです。
現時点では、多くの方々にとって、円安=日本景気にとって朗報、という考え方が一般的なものかもしれません。しかし、個人的には、円安=日本景気にとって悪影響、という考え方に切り替わる方々が、徐々にかもしれませんが増えていくような気がしています。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
韓国政府は今年(2008年)の実質GDP成長率見通しを
何%に下方修正した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
4.7%
(当初の見通しは6%)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/07/03/003193.php