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この論争は1987年10月に起こった株式市場大クラッシュの前にあった大西洋を挟んだ闘いの繰り返しだ。 テレグラフ紙
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/341.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 7 月 02 日 13:07:32: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu171.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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この論争は1987年10月に起こった株式市場大クラッシュの前にあった
大西洋を挟んだ闘いの繰り返しだ。 欧州利上げ→ドル暴落→米国株暴落

2008年7月2日 水曜日

ユーロ・ドル週足チャート


◆ECBは3日理事会で利上げの見通し、インフレ高進受け 7月1日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000181-reu-bus_all

[ロンドン 30日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は3日、約1年ぶりに金利を引き上げる見込み。ECB当局者は、限界に近づきつつあるユーロ圏のインフレを抑制しようと、利上げの意向を示している。
 アナリストは1カ月前、時期が今年あるいは来年初めになるにしても、ECBは利上げよりも利下げに動くと予想していた。
 しかしトリシェ総裁は現在4%の政策金利について、7月に小幅な引き上げを実施することは可能と前回の記者会見で発言。以来、状況は一変した。
 6月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は4.0%と過去最高の上昇率となった。ECBが目標とする2%未満の2倍以上となり、利上げは間違いないとみられている。
 ロイターが先週実施したアナリスト調査では、アナリスト81人の95%が政策金利は25ベーシスポイント(bp)引き上げられ4.25%になると予想している。1カ月前行った同様の調査では、年末までに利上げがあると予想したアナリストはいなかった。
 トリシェ総裁は先月、確かなことは何もないと強調。ただそれ以降ECB当局者らは反インフレの主張を繰り広げ、ECBはついにインフレ高進に耐えられなくなったことを市場に伝えてきた。
 原油と食料価格の高騰で欧州および世界のインフレ率は跳ね上がり、天井がみえない状態となっている。原油価格は先週1バレル140ドルを突破し、過去1年で2倍の水準に達した。主要産油国側にも上昇を止める手立てはないとみられている。


◆ECB、金利決定に当たり米国とユーロ圏の金利差を考慮すべき=独財務相 7月1日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000234-reu-bus_all

[フランクフルト 1日 ロイター] ドイツのシュタインブリュック財務相は1日、欧州中央銀行(ECB)は金融政策を決定する際、米国とユーロ圏の金利格差を考慮すべきだ、との考えを示した。
 同財務相は、ブルームバーグTVとのインタビューで「利上げが、金利格差の点で米国とユーロ圏の異なる動きにどんな影響を与えるかを考えてもらいたい」と語った。
 ECBは3日の理事会で、政策金利を0.25%ポイント引き上げ4.25%にすると予想されているのに対し、米国の政策金利は2%となっている。


ユーロ・円週足チャート


◆金利上昇の気配が強まる中、スタグフレーションがユーロ圏を掌握 7月1日テレグラフ 今日の覚書
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/667606179fb61c727c73b6c381c3cd70

製造業不振の気になる兆しにも拘らず、ユーロ圏のインフレは6月、4%という史上最高レベルにまで急上昇し、10年前の設立以来最も厳しい試練をECBに突きつけている。

石油と食品の急激な値上りは、木曜日に金利が4.25%へと0.25%利上げされ、更にヨーロッパとアメリカの溝を大きくすることを保証している。唯一の問題は、ECBは利上げを「一回きり」にするのか、それとも秋に更に何度か利上げを行おうとしているのかである。

ジャン・クロード・トリシェ総裁は、インフレがシステムから除去されない限り、賃金価格スパイラルという「重大なリスク」があると警告している。

このデリケートな時期にやり過ぎはユーロ圏を深刻な経済停滞に陥れるかもしれない、ヨーロッパ南部と有権者がリスボン条約を拒絶して既にEUをカオスに陥れたアイルランドで、一連の危険な政治的出来事を引き起こすリスクを冒すことになるかもしれない、と懸念する批評家の懸念の声が高まっている。

アイルランド経済は第一四半期1.5%縮小。 現在は1980年代半ばのクラッシュ以来最悪の不況に直面している。投資は19.1%も減ってしまった。 住宅価格は今では15ヶ月連続で値下がりしている。

スペインのホセ・ルイ・ザパテロ首相は今週末全国ネットのメディアで、政府の経済危機プラン承認を拒絶しているペドロ・ソルベス財務相とも未だコミュニケーションはとっている、と再度保証することを余儀なくされてしまった。

この数日間、ザパテロ氏もイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニも物凄い剣幕でECBに噛み付いているが、ドイツのペール・シュタインブリュック財務相までECBの強硬路線に疑問を唱え始めている。

「経済が鈍化している最中に金利引き上げを行えば、正循環的影響があるかもしれない」と彼は言った。

このコメントはドイツの受注が5ヶ月間減少し続けてようやく出されたものだが、この減少は1990年代初頭以来最悪レベルだ。シーメンス、フォルクスワーゲン、その他大手産業用製品の輸出業者は人員を削減し始めた。

EURIBOR金利が120ベーシス・ポイントも跳ね上がったにも拘らず、昨夏にクレジット・クランチが始まって以来、ECBは金利をずっと4%に保ってきた。ユーロはドル、ポンド、円、人民元に対して急激に値上りしている。

金融引き締めと通貨引き締めの全面的な影響は、今後一年間ほどかけてユーロ圏に広がるだろう。世界経済が急激に鈍化しているところなので、この影響が被害をもたらす危険性がある。

フランスのクリスティーン・ラガルデ財務相はドイツ政府の明らかな政策シフトを称賛した。「ECBが何をしようがお構いなしに断固として彼等を支持していた我がドイツ人の同僚が、初めてトリシェ氏に『気をつけなさい』と言ったわ」。

「兆しは一つだけではありません。インフレが起こっています。勿論。でも成長もしています。私達の中でもかなり大勢がトリシェ氏に両方のバロメーターを観察してほしいと思っています。今まで彼はインフレしか気にしていなかったのですから」と彼女は言った。

彼女がこのような言い方をしたということは非常に重要だ。 EUの閣僚達は(マーストリヒト条約第109条により)ユーロ圏の為替レートを決定するにあたって最終的な権限を手にしており、これは彼等にECBに政策変更を強いる奥の手を与えている。第109条を行使するぞという暗黙の脅迫は、ECBのタカ派に対する、お前達の独立性には限界があるぞ、という警告だ。

仏独政府のコメントが出されたのは、アメリカのハンク・ポールソン財務長官が、トリシェ氏とブンデスバンク総裁アクセル・ヴェーバー両名との今日の会談の準備をしている時だった。
非常に危険な状況の中、ドルを安定させ石油価格高騰を止めようとするアメリカの努力を損なっているとして、ブッシュ政権はECBに激怒していると伝えられている。

ECBは火遊びをしているのである。 そしてアメリカに、金融システムが既に危機的状況にある時に、安全と思われるレベルよりも金融政策を引き締めさせているのだ。 この論争は1987年10月に起こった株式市場大クラッシュの前にあった大西洋を挟んだ闘いの繰り返しだ。

今月先にはトリシェ氏がECBの利上げをほのめかした後、ユーロ高を背景に石油価格が2日間でバレル当たり$16も跳ね上がった。 今では原油先物を或る種の「アンチ・ドル」通貨のように操って、しかも複数のレバレッジをつけて、ヘッジファンドが石油市場を暴れまわっていると主張する人には、この市場の反応は明白な証拠だ。

それに、更にインフレを悪化させるので、この環境でECBが引き締めを行うことは非生産的だということも明らかにした。批評家はECBは自分の尻尾を追い回して、現代世界経済の複雑性に適合していないと言っている。

Insinger de Beaufortのチーフ・ストラテジスト、スティーヴン・ルイスは、ECBはリスクにも拘らず利上げして正解だと語った。「利上げをほのめかした後、今手を引けば、壊滅的に信頼性を損なうことになるだろうし、これは更に世界の安定性を傷つけるだろう」と彼は言った。

「ECBは、これは短期的な価格上昇かもしれない、などという理由で政策を作ることは出来ないんだ。インフレを野放しにすれば消費者の信頼もぶち壊すし、経済成長の見込みもおじゃんにしてしまう」。


ドル・円週足チャート


(私のコメント)
先月の6月8日に「ECBの利上げは第二のブラックマンデーを呼びかねない」と書きましたが、本当に利上げをするのだろうか? アメリカは2%まで利下げをして金融危機を乗り切ろうとしていますが、FRBの金融緩和と政府の小切手ばら撒き政策は世界のインフレの原因となっている。ドル暴落の恐れからファンドの資金が石油などに流れているからだ。

ドルの金利が2%でユーロの金利が4%だから、日本から見ればユーロ債を買っておけばドル債よりも倍もいい金利が稼げる事になる。ドルが金融危機などで暴落のリスクがある上にFRBが金融機関に資金供給を続け、その資金がファンドに行って株の買い支えや石油などの投機に回っている。当然ユーロにも流れてドルに対して最高値をつけている。

このようにアメリカは世界にインフレをばら撒いているのですが、金融の引き締めに動く事はできない。金融を引き締めれば小康状態を保っているのに再び金融危機に火をつけかねない。しかしいつまでも石油が天井知らずに高騰していけばアメリカが非難されるのは必定だ。

基本的に言えばインフレが酷くなれば金融を引き締めて景気を冷やすのが唯一の策であり、アメリカがやっていることはインフレを激化させている事だ。アメリカもインフレが酷くなれば自分のところにもはね返ってくる事になり、自動車などの売れ行きが落ちてきて、いずれにしても景気後退をもたらす。

アメリカは只でさえドル安でインフレ状態なのに、金融緩和でさらにインフレを加速させる政策をとっているのは、何よりも日本の失敗を繰り返したくないと警戒しているからだろう。もし金融を引き締めれば住宅価格も暴落して金融不安が再発するからだ。

EUはこのようなアメリカの政策に対して利上げでインフレを回避しようとしている。この事は6月8日の「株式日記」に書いたとおりなのですが、テレグラフ紙も書いているように1987年のブラックマンデーとちょうど同じ構図が生じてしまっている。はたしてECBの利上げが世界の金融協調路線を崩してしまうのか不安がある。

日本は相変わらず超低金利が続いていますが、石油や穀物や鉄鉱などの値上がりが不況下の物価高となっている。幸い円が1ドル=120円台から105円と値上がりしているので海外からの物価高はやわらいでいるが、円安状態だったらガソリンも小麦ももっと値上がりしていた事だろう。

日本としてはアメリカがこのまま世界にインフレを輸出し続けるのならば利上げをして円高にしてインフレの輸入を阻止すべきだ。日本の超低金利も世界にインフレを起こさせている原因であり日本も少しづつ利上げをしていって資金供給を抑えるべきだ。

アメリカにとってはユーロの利上げよりも円の利上げのほうが影響が大きいだろう。アメリカのファンドは日本の超低金利の金を借りて金利の高い国へ投資をして利ざやを稼いでいる。その資金源である日本が利上げをすれば資金源を断たれたファンドは投資を引き上げなければならない。さいわい日米は協調して金融緩和をしているからアメリカはなんとかもっている状態だ。

しかし日本も海外からのインフレを阻止するためには若干の利上げをすべきだろう。これによってドルは暴落して株も暴落するだろうが、福田総理はブッシュ大統領とライス国務長官にはこう言ってあげればいいだろう。


「ドルの事は決して忘れない」


北朝鮮指定解除の仇はドル暴落でお返しをしてあげればいいのだ!


 

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