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全文ソース
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008062302000111.html
世界的な環境学者レスター・ブラウン氏は「火山が多い日本は世界有数の地熱資源大国。もっと地熱発電を活用するべきだ」と提言する。
「日本は地熱発電で国内電力の半分、もしかして、全部を賄えるかもしれない」
地熱発電は、地熱で発生した蒸気でタービンを回して、電気エネルギーを取り出す仕組み。
日本では現在、九州、東北地方を中心に十八カ所の地熱発電所がある。最大は大分県の八丁原発電所で十一万キロワット(発電認可出力)で、十八カ所の年間総発電量(設備容量)は約五十四万キロワット。原発一基のほぼ半分で、全国の年間発電量(同)の0・2%にあたる。この数字は一九九六年からほぼ変わっていない。
ブラウン氏の提言の背景に、地熱発電に対する日本の消極的な姿勢がある。日本の地熱技術開発費は一九八二年をピークに減少を続け、二〇〇三年以降はゼロ。
日本が開発から事実上撤退した理由として、地熱資源(熱水層)の八割は、開発が難しい国立公園内に存在することがある。加えて温泉所有の観光業者からの強い反対で、開発が頓挫してきた経緯もある。
原油高などから米国、インドネシア、フィリピン、アイスランドなどが地熱発電開発を加速。地熱資源に恵まれていないドイツ、オーストラリアも本腰を入れ始めた。「世界の主要地熱資源国で停滞しているのは日本だけ」(産業技術総合研究所=茨城県つくば市)という。
風に依存する風力、天気に左右される太陽光、雨量の季節変動が大きい水力などの自然エネルギーと比べても、安定的な供給が可能なことから地熱発電が評価を高めている。
同研究所の地熱資源研究グループ長の村岡洋文さんらの研究では、(1)現在の地熱技術で、日本で開発可能なエネルギー量は年間2347万キロワット。全電力の8・6%を賄える(2)さらに深部の地熱資源を利用できる技術開発で、22・7%に上がる(3)「どんなに早くても開発に五十年はかかるが」(村岡さん)マグマ熱を直接使えるようになると、全国電力需要の三倍近くを賄える−という。
コメント
50年。長い目で見て将来に対する”公共投資”をコツコツし続けるのと、無駄な道路、普通電車とあまり速度の変わらない一部の新幹線などをつくるのでは、当然差が出てきます。
そしてエネルギーをなるべく使わない国づくりをすれば、もっとエネルギー消費は減らせ、ほぼ自分たちでエネルギーを賄う事ができる国づくりもできたわけで、いかに政府が無駄な物ばかり作り続けてきたか、そしてマクロ的に経済を考えてこれなかったか(マクロレベルで見れば、電力開発に投資をして、その観光業の人達の労働問題対策をした方が国全体の国力は上がるに決まっている、今日の輸入物価値上がりによる損失を招かず)。
他のエネルギー事情も知っているので、地熱にこだわるわけではないですが、いくらでもエネルギー問題は解決できるのに、アメリカの言いなりになっていい様に搾り取られてきた現実に苛立ちます。