★阿修羅♪ > 国家破産57 > 248.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
新しい可能性を示したかもしれない商品先物会社とイスラム銀行との提携(KlugView)
2008/06/24 (火) 16:01
6月23日付の日本経済新聞は、商品先物取引の岡地が、マレーシアのイスラム銀行であるアライアンス・イスラミック・バンク(アライアンス)とイスラム金融商品の開発で提携すると報じています。報道によると、岡地は、アライアンスが金融商品の販売で得た資金を日本の商品取引所で運用し、顧客に還元するようです。
イスラム教では信者に利子の受け払いを禁じています。そこでアライアンスは、金融商品を購入した顧客の代理人として商品取引業者(ここでは岡地)に商品の買い注文をします。その後、アライアンスは顧客から商品を買い取り、顧客は商品の代金を受け取ります。これにより顧客は、金融商品の「元本+利子」に相当する金額を受け取ることが可能となります。
報道によると、利子の受け払いを禁じたイスラム教の戒律に即した金融商品(イスラム金融)の開発では、ロンドン金属取引所(LME)が利用される場合が多いようです。それにもかかわらずアライアンスが岡地と提携したのは、日本とマレーシアの時差が1時間しかなく、岡地がマレーシア証券取引所の会員企業であることから、LMEを利用するよりも金融商品の開発や運用がスムーズになると判断されたためのようです。
岡地とアライアンスとの提携の成否は、商品先物業界にとって非常に注目されるものといえます。商品先物業界では、外国為替証拠金取引(FX)の普及などにより取引量が年々減少しています。証券取引所が金や原油などを対象とした商品型ETFの上場を計画していることなども考えると、商品先物のニーズは今後も低下傾向を続ける気がします。
一方、原油価格の上昇を背景に中東産油国では、いわゆるオイルダラーが拡大を続けており、それとともにイスラム金融のニーズは高まるばかりです。岡地とアライアンスの提携が成功軌道に乗れば、岡地は、国内の商品先物ニーズが低下しても、拡大するオイルダラー(ひいてはイスラム金融)を取り込むことで拡大路線を狙うことが可能となります。
もちろん、オイルダラーやイスラム金融を取り込む動きは、商品先物会社だけでく、銀行や証券会社からもでてくるのでしょう。ただ、商品先物ニーズが低下しているという難しい外部環境に身を置いているだけに、岡地のような動きを示す商品先物会社は今後も新たに出現するのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
イスラム金融の開発で利用されることが多いとされる取引所は?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
ロンドン金属取引所(LME)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/06/24/003126.php