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機械的に判断してはいけない景気予測調査の景況判断(KlugView)
2008/06/23 (月) 19:36
内閣府と財務省が発表した4―6月期の法人企業景気予測調査(景気予測調査)によると、大企業製造業の景況判断指数はマイナス15.2と、1−3月期に比べ5.9ポイント下がり、現行形式で調査を始めた2004年4−6月期以来、過去最悪の水準を記録しました。
景気予測調査における景況判断指数は、前期と比べた景況が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」との割合を引いて算出されます。景況判断指数がマイナスとなることは、景況が「下降」と回答した企業の割合が「上昇」と答えた企業の割合より大きいことを意味しますので、企業のマインドは、足元の景気が後退している、つまり不況入りしたことを示したといえます。
内閣府の浜野審議官は、景気予測調査をもとに景気の先行きについてコメントし、「このまま景気が崩れていくとはみられていないことも明らかになった」と述べています。これは、同じ景気予測調査において、大企業製造業の景況判断指数の先行きが、7−9月期見通しでプラス3.7、10−12月期でプラス5.7とどちらもプラスの結果になっているためと思われます。
ただ、景気予測調査における景況判断指数の先行きについては、注意が必要です。2004年以降、景況判断指数の結果をみると、多くの時期において、現時点の景況判断指数よりも先行きの現況判断指数の方が大きくなる、つまり先行きの景気が良くなる結果となっているからです。たとえば、前回調査(今年1−3月期)の場合、調査時点(今年1−3月期)の景況判断指数がマイナス12.9に対して、先行き(今年4−6月期)の景況判断指数は、マイナス1.6と改善を示していました。しかし結果をみると、先にご紹介したように今年4−6月期の指数はマイナス15.2と1−3月期より悪化しています。
景況感の悪化の背景に原油高がある一方で、原油価格は市場動向によっては下落する可能性も残されていますから、希望的観測も含めれば、景況感の先行きを楽観視しても不自然と言い切れない面はあります。ただ、新興国を中心に原油需要が高まっている点、投機マネーが原油市場に流入する図式が続く見込みである点を考えると、原油高が収まるのではなく、原油高が続くと考えるのも不自然ではありません。だとすれば、浜野審議官がコメントしたように「このまま景気が崩れていくとはみられていないことも明らかになった」と言い切るのは、やや不自然のように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年1−3月期の景気予測調査における
今年4−6月期の景況判断指数(見込値)はいくつだった?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
マイナス1.6
(実際はマイナス15.2)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/06/23/003114.php