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供給制約の可能性を示した中国・鉱工業生産の伸び鈍化(KlugView)
2008/06/17 (火) 15:03
中国国家統計局が発表した5月の鉱工業生産は、前年同月比16.0%増と、4月の伸び(15.7%)から加速しました。ただ、昨年5月の伸びは18.1%でしたので、前年と比べると伸びは減速したことになります。
じつは中国では、今年の5月の営業日は、祝日の日程の変更もあって3日間増えています。言い換えれば、今年5月の鉱工業生産は、景気状況が全く変わらなくても、3日分伸びが高まるのが自然といえ、日数要因を調整していない今回の結果は、実態ベースでは伸びが、かなり鈍化したものといえます。
5月の鉱工業生産の伸びが鈍化した理由として、中国の輸出の伸びが鈍化したことを指摘するエコノミストが数多く存在します。たしかに、中国の鉱工業生産と輸出は連動性が強いことで知られているので、エコノミストの指摘は、それなりに合理性のあるものといえます。
ただ、あくまで個人的な邪推でしかありませんが、鉱工業生産の伸びが鈍化した理由は、輸出という需要の伸びが鈍ったためではなく、供給能力の拡大ペースが鈍ったため、いわゆる供給制約が発生したためではないかという気がしています。なぜなら、仮に輸出の伸びが鈍化したとしても、中国国内の需要が輸出の分をカバーする可能性が考えられるからです。特に5月には四川大地震が発生したので、震災の復興需要による鉱工業生産の拡大は、充分にありえるように思えます。
中国は衣服やプラスチック製品、PCなど数多くの工業製品を大量に製造する世界の製造拠点であり、そんな国で供給制約が発生するわけがない、とお叱りを受けるかもしれません。ただ、仮に中国で供給制約が発生していないのであれば、中国の消費者物価が前年比7%以上の伸びを示すのはやや不自然です。なぜなら物価が上昇するのは、需要の伸びに供給がついていけていない場合が多いからです。
仮に個人的な邪推が正しいようだと、中国経済の先行きは相当厳しいものになります。今後、四川大地震や大雨などの災害の復興需要で、食料品だけでなく建設資材などを中心に中国国内の需要はさらに高まるでしょう。こんな中、中国国内で供給制約が発生しているのであれば、食料品だけでなく工業品も含めて物価上昇は加速することになります。この場合、インフレ抑制に必死になっている中国政府・金融当局は、預金準備率・市中金利の引き上げといった金融引き締め策を強化するでしょう。当然ですが、下落が続く中国株の調整幅は、さらに大きくなることになります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
中国の5月の鉱工業生産の前年同月比はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
16.0%増
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/06/17/003060.php