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「インフレ」という言葉が金融商品の勧誘文句にすぎない理由(KlugView)
2008/06/16 (月) 16:00
ガソリン価格が1リットル170円台となり、バターや牛乳を始めとする食料品価格が値上げされるなど、最近、身の回り品を中心に物価が上がっていることが多くなっています。総務省が発表する消費者物価指数をみても、4月の伸び率は前年同月比プラス0.8%と、7ヶ月連続で上昇しています。4月以降も原油価格を中心に国際商品価格は上昇を続けていますので、今後も日本の物価は上昇傾向を続ける可能性が高いといえます。
つい1年前くらいまで、日本ではデフレである(物価が下がる)ことが当然のように言われていただけに、最近の物価上昇に対して困惑している方々も多いかもしれません。そうした方々の姿を見てか、金融機関や投資顧問業者の中には「忍び寄るインフレ(物価上昇)」などと題したセミナーを開催し、インフレ時代に対応すべきと、自らが提供する金融商品やレポートを販売する企業もあるようです。
一般的に言われていることとして、「インフレ時には株式投資が有効」という考え方があります。インフレ(物価上昇)時には、企業の売上や利益も物価上昇率とある程度連動すると考えられており、株価が企業収益と連動するのであれば、資金を株式に投じておくことで、資金が物価上昇と連動して増えることになるからです。
ただ、現在の物価上昇は、原油など国際商品価格の上昇によるもの、つまり日本の外で起きていることによるものです。よって、物価上昇は、日本のお金が海外へ流れ出すことを意味し、日本企業の収益が拡大することを意味しません。むしろ日本企業が得られるはずだったお金が海外へ流れ出してしまうので、日本企業の収益は減少する可能性が高まります。
インフレ時には海外への投資が有効、という考え方も最近では知られるようになりました。仮に日本でインフレが進むようであれば、日本円は海外通貨に比べ安くなる、つまり円安が進展するので、海外通貨建てで海外に投資をすべき、という考え方です。
しかし、この考え方も、よくよく考えれば今の物価上昇には当てはまりません。原油価格などの商品価格の上昇は、日本だけでなく世界的な現象です。また、日本の物価は上昇しているものの、上昇率は欧米諸国に比べて低いままです。インフレによって通貨安が進展するならば、今こそ日本に投資をすべき、ということになります。
投資信託の売れ行きが鈍っているなど、日本の投資ブームは一時に比べ良くないようです。このためか金融機関などは、新しいセールス方法として「インフレ」という言葉を使いたくなっているかもしれません。ただ、インフレという言葉は一つでも、言葉の背景は多々あるのが現実です。インフレという言葉だけで焦ることなく、ゆっくりと時間をかけて投資の是非を判断しても、決して遅すぎることはないように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
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日本の消費者物価指数の伸び(前年同月比)は
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7ヶ月連続
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