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財政均衡政策と実質GDP成長戦略は、整合性のない破綻した政策である。。
政府関係者がよく使うプライマリーバランスという名の財政均衡策と名目GDPよりもっぱら実質GDPの成長を基礎にする政策は、矛盾した政策であり、整合性がないものである。
それ故、日本の財政は年々苦しくなっている。貨幣で徴収される資金量(税収)が年々減ってくるからである。それに加え、政府の財政均衡を優先するやり方が民間の可処分所得を減らすため、年々経済は縮小している。この年々の経済縮小は、今まで払って来た借金の利子や、経費を払えなくなるところまで間もなくやってくることになる。それが日本の破産である。
これまでは、輸出の好調に支えられ、税収が賄われていたが、サブプライム問題の発生により輸出が鈍り始めると、危険状態になってくる。
今日本が取っている
政策は、このような破産が確実にやってくる事が容易に推測できるものである。如何に体裁を繕っていても、如何に言が前向きであろうとも、その実態は破産にひたすら邁進している政策を取っているのである。
税金はすべて貨幣で換算され、予算やその出費はすべて貨幣で支払われる。
これに対しデフレの経済状態で、(名目GDPより実質GDPの方が大きい経済状態)、実質GDPの成長を重視する政策を取ると、付加価値の増大より、生産量の増大を目指す政策を取りがちになるため、企業の利鞘が減少し、その結果、企業利益や個人所得からの税の徴収が少なくなる。
デフレという経済はもともと生産量に比べ、資金量が著しく減少したものであり、製造企業においても、個人消費においても、また政府支出においても、
借金が莫大なため購買資金の捻出が十分になされない。そして全体の貯蓄が借金より少なくなっている。これはデフレ経済が多くの下層階級を生み、低所得層が増えることから明らかであろう。
市場においては低価格商品があふれ返る事になる。付加価値の少ない原価率の高い商品が氾濫している。
このような時に実質GDPの成長を基礎に置く政策を取ると、生産量を刺激する政策になりがちである。
貯蓄がなく所得が増えないデフレにおいては、内需の大きさが決まっている。そのため生産物が増えると、生産物ひとつ当たりの利鞘(付加価値が)少なくなることを意味する。これはまた労働量が増えると、一人頭の所得が減少することを意味する。これが低賃金化の原因である。デフレでは投入量が増えても、所得が増えず、逆にひとつ当りの利鞘や、一人当りの所得が減少する。
実質GDPの成長政策は主に、低金利にし企業への貸し出し金利を低くする事により生産を刺激しようとする。またいろいろな名目の補助金、研究資金、雇用対策費などで生産者側を刺激し生産を増やそうとする。
また社会資本への公共投資を通じて生産量を増やそうとする。
このような政策は正常な経済の時推奨された政策であるが、デフレの時は全く逆作用をもたらすデフレ促進策と化してしまうのである。
デフレは原価率の高い、経済である。(利益率の低い経済でもある。)もともと資金の減少が、低価格の生産増をもたらしており、生活費を稼ぐのにより多くの生産物を低価格で販売しなければならない状態なのである。
例えば100個で千円の原価のものが千五百円で売っていたものが、資金減少による購買力の減退から、千4百円で売らざる負えなくなったり、あるいは、千五百円で売れるように、包装を変えたり、品質を上げて千二百円の原価で販売しているような状態である。
これが実質GDPと名目GDPが逆転している理由なのである。
このようなデフレ現象は、自動車の購買状況が如実に物語っている。高級車から中級車へ、小型車から軽自動車へ、と低所得化が進むにつれ顕著に表れ、今は国内自動車の保有台数が減少し始めている。
若者の車離れ、消費行動の変化、少子化など理由をいくら上げても根本は低所得化が原因である事は自明のことである。
このように利鞘(企業の利益と個人所得も含めたもの)が年々減って行く政策を取っていながら、プライマリーバランス:優先的に財政の均衡を政府だけが取ることは、個人や企業がマイナスになることを意味している。
これは民主主義の社会において許されざることである。官主主義、国主主義の典型と言えよう。あるいは江戸時代の幕藩体制のような、幕府、や藩がよければそれでよしの社会である。
また、政府の財政均衡により、民間負担が増すことは
さらなる経済縮小を意味するため、この財政均衡もつかの間の夢にしか過ぎないのである。消費税を上げそれを年金に回しても、デフレ経済では一時の安定ももたらさないであろう。
このように日本政府の基本方針自体が整合性のないものなのである。政策が間違っているのである。
デフレにおいて税収を増やそうとすると、生産量の増大より以上に資金を増やさねばならない。生産量を増やすことはデフレをより促進させていることを意味する。
現在の原油高は、インフレの典型である。それは資金量が原油量より圧倒的に多いことから生じるのである。デフレは逆に資金量より生産量が圧倒的に多いから生じるのである。
生産量を増やせば増やすほど原価率が高まり、利鞘が少なくなる。日本の政策はデフレにおいてこのような政策を取っているのである。
このようなだれにでも分かる事を、既に15、6年の間続けており、これをまだ破産するまで執拗に続けようとしている。だれも止めるものがいない。日本の病理現象であろう。戦争でも行き着くところまでやり方を変えないのである。
デフレでは名目GDPを基礎にし、その増加を目標値にした政策をとる必要がある。でなければ税収が増えず借金が返せないであろう。税を徴収する前の根本資金を増やす政策を取らなければならないのである。
一言主http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/