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(回答先: 夏のボーナス20万円の差、公務員と民間で明暗 公務員60万、民間40万 [Business Media 誠] 投稿者 XL 日時 2008 年 6 月 12 日 09:27:33)
実感とかけ離れたGDP2次速報、GDIの注目度高まる
2008年 06月 11日 18:13 JST
[東京 11日 ロイター] 内閣府が11日発表した1─3月期実質国内総生産(GDP)2次速報値は、1次速報から上方修正され、前期比年率プラス4.0%の高成長となった。1%台後半と言われる潜在成長率を2四半期連続で大幅に上回ったが、経済実感とあまりにかけ離れた数字に、とまどいの声も少なくない。
原油など輸入原材料価格高騰に伴う交易条件の悪化による海外への所得流出が、GDPでは勘案されておらず、その点が大きな要因としてエコノミストの間で意識されている。そのため所得流出分も考慮した国内総所得(GDI)への注目度が高まりつつある。
このところ発表された国内指標は、家計・企業マインドを中心に悪化が目立つ。特に注目されるのは、内閣府が9日に発表した4月景気動向指数コンポジット・インデックス(CI)の一致指数だ。内閣府では、その基調判断を「局面変化」に下方修正したが、この表現は、景気が4月以前に既に山を付け、後退局面に入っている可能性を示唆するものだという。
そうした背景を考えれば、今回のGDPについて「どの程度の経済主体が、07年10─12月期、08年1─3月期の高成長を実感できているだろうか」(バークレイズ・キャピタル証券チーフエコノミストの森田京平氏)との疑問が出てもおかしくない。
<1−3月の交易損失はGDPの4.6%分>
カギを握るのは交易条件悪化に伴う海外への所得流出だ。輸入原油価格高騰などでの交易条件悪化による所得の流出入を示す交易利得をみると、ここ数年間は損失に転じているが、特に原油価格の急上昇もあり、直近の1年間で損失が急増している。
10─12月期の交易損失は22兆円、GDPの3.9%程度だったが、1─3月期には26兆円、GDPの4.6%に増加している。GDPの5%近くが海外に流出しては、景気の良さは実感し難いというわけだ。
この交易損失を前年比でみると10兆円ほどの増加だが「消費税率5%分の引き上げ」(モルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの佐藤健裕氏)に相当するという。
<GDIなら1.7%成長に>
そこで注目されるのが、GDPに交易利得をプラスしたGDI、GDIに配当、利子など海外からの所得の純受取り分を加えた国民総所得(GNI)だ。
1─3月期のGDIは前期比年率プラス1.7%、GNIも同プラス0.8%と、GDPよりかなり低い数字だが「企業の景況感は、GDPよりGDIに合っている」(みずほ証券・シニアエコノミスト、泰松真也氏)との指摘も少なくない。
交易損失は「輸入原油価格に連動しているため、4─6月期は相当悪化する」(佐藤氏)見通しという。財務省によると1─3月期の輸入原油価格は1バレル=93ドル程度だったが、4月が100.7ドル、5月上中旬では106ドル程度に上昇しているという。泰松氏も交易損失の08年度の平均は28.7兆円と、07年度の21.3兆円から大きく増加するとみる。
日銀は4月展望リポートで「生産・所得・支出の好循環」との表現をはずしたが、森田氏は「GDPだけみて、GDIを見ないならば、日銀の指摘する下振れリスクは見えてこない」と警告する。
GDI、GNIについては、日銀も展望リポートでも触れて重視したおり、今後注目度が一段と高まりそうだ。
(ロイター日本語ニュース 児玉 成夫記者;編集 田巻 一彦)
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32209620080611