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10年前に逆戻り、かもしれない日本の財政運営(KlugView)
2008/08/29 (金) 10:22
マスコミ報道によると、政府は本日(8月29日)夕方には補正予算案を含む総合経済対策を発表するようです。経済対策全体の事業規模は、8〜10兆円程度になる見通しです。
今回の経済対策については、小泉政権が否定し続けた「バラマキ政策」に戻ることを懸念する声がありました。すでに10年以上指摘されているように、日本の財政事情は決して裕福ではありません。今後の少子高齢化社会への対応を考えると、一般的な経済対策のために貴重な財源を費消することは、あまり得策ではないとの声は、それなりにもっともなように思えます。
経済対策が必要だとの声が強まった8月上旬、与謝野経済財政担当相は、「バラマキはよくない」と述べ、財政規律を揺るがすような内容は含まない考えを強調していました。当時、与謝野氏は、「そういう趣旨の指示を福田康夫首相からもらっている」ともコメントしており、バラマキ的な経済対策に対して否定的な姿勢を示していました。
ただ、足元の報道をみる限り、今回の経済対策は、かなりバラマキに近い内容になりそうです。高速道路の料金引き下げ、住宅ローン減税の延長・拡充、学校給食費の保護者負担の軽減、10月に実施する輸入小麦の政府売り渡し価格引き上げ幅の圧縮など、実施がある程度固まった項目だけで1兆円程度の財政支出が見込まれています。
依然として実現されるかどうか不透明ですが、政府・与党の一員である公明党は、所得税などの一定額を減らす定額減税の実施を強く主張しています。定額減税の規模にもよりますが、仮に定額減税が実施されれば、財政支出の規模は(おそらく)2〜3兆円規模になるでしょう。この場合、今年度予算の予備費だけでは財源が足りませんので、赤字国債の追加発行を余儀なくされるでしょう。
奇しくも昨日(8月28日)、財務省は、国の来年(2009年)度予算の概算要求の見込み額を明らかにしています。 一般会計の総額は、今年(08年)度当初予算に比べて3兆700億円多い86兆1300億円程度と、概算要求段階では04年度予算(86兆4500億円)に次いで過去2番目に大きい額となっています。
概算要求のうち、国債の元金返済や利払いにあてる国債費は約2兆2800億円増えて約22兆4400億円となっています。国債発行残高が拡大しただけでなく、今年度当初予算で2.0%としていた想定金利を2・7%に引き上げたことで、国債費は拡大せざるを得ないようです。
今回の概算要求は、今回の経済対策を織り込んだものではありません。よって、経済対策の規模が大きくなる、つまりバラマキ政策が加速するようであれば、国債費の拡大ペースは、さらに高まるのでしょう。我々は、日本の財政運営が10年前に逆戻りするリスクを抱え込もうとしているともいえます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
財務省が発表した来年(2009年)度予算の
概算要求によると、一般会計の総額はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
86兆1300億円程度
(今年(08年)度当初予算に比べて3兆700億円多い)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/08/29/003537.php