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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu169.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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銀行マン、ついでに監督機関もそうだが、彼等が最悪の時は終わった、
などと言う時は、眉に唾して聞くが良いのである。信用危機はこれからだ
2008年6月7日 土曜日
NHK−BS1「地球特派員2008」より左より藤巻健史 金子勝 江上剛
日本の銀行経営者は資金調達も出来ずに右往左往していたが、アメリカの
銀行経営者は自分で資金調達してきてアレンジしたと話す江上氏
シティグループやメリルリンチはさらに大きな増資を求める可能性がある
と話す、大手金融機関と政府系ファンドの橋渡しをした弁護士の話。
◆油断するな!信用危機は未だそこに… 5月30日 テレグラフ 今日の覚書
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/77df421920eed161b5b3510f8a7d7ce2
JPモルガンのジェイミー・ダイモンやシティグループ会長のウィン・ビショフ卿から、BoE副総裁のジョン・ギーヴ卿まで、金融業界の錚々たる面々曰く、最悪の時は過ぎ去った、とのこと。勿論彼等が言っているのは、経済への後遺症というよりも、信用危機そのものである。
そして確かに若干の希望の兆しはある。 銀行間金利はなんとなく安定した。 金融機関は損害を受けた証券の評価損を数十億相当発表し終え、ビジネスを支援するために新規資本を調達している。
この状況は、更に多くの銀行が救済されなければならなくなる可能性を減らすだろう。また、資金を融資し経済の歯車に潤滑油を与え続けられるようにする可能性を増やすだろう。
確かに、英国銀行協会の最新データによれば、4月は企業融資が堅調に増加し、住宅価格の下落にも拘らず、モーゲージ貸付も増え続けたようだ。
だが、全ての悪材料が出揃った、と誰もが楽観的だというわけではない。 私が言っている悪いニュースとはモーゲージのデフォルト率や、小売業売上の軟調ではない(勿論これは更に悪化するだろうが)。金融危機の経済コストの全容は明らかになりつつあるが、これはかなりわかり易いものだ。
これは市場に影響をもたらすが、昨年のサブプライム危機によって引き起こされたような、大規模なショックはシステムにもたらさないのが普通だ。
しかし、未だ更なる性質の悪いサブプライム・サプライズが出て来る可能性がある…つまり未だ我々は金融の嵐をやり過ごしたのではなく、その目の真っ只中にいるかもしれないのだ。 信用危機はアメリカのサブプライム・モーゲージ問題によって引き起こされたが、勢い付いたのは、銀行がこれやその他の債権をパッケージし直して安全なはずの証券として再販したからだ。 その後、金融システム全体の莫大なレバレッジの結果、当該市場の破綻のインパクトは倍増された。
今問題なのは、近年金融市場を悩ませている他の猛毒性かもしれないシロモノが、弾けそうかどうかということだ。ジョーズ映画っぽい。海は(かなり)凪いでいる。我々は水中にサメが潜んでいることを知っているが、知らなければサメは飛び上がって足を食い千切るだろう。どっちにしろ飛び上がったら食い千切られるが…。
最初の、そして一番怖くないサメはほぼ同じである。 つまり、銀行が既に件の証券で出してしまった多額の評価損も、十分ではないだろうということだ。資産の価値が下ったら白状する義務を課すマーク・トゥ・マーケット会計規則に励まされて、殆どのアナリストは大手銀行はもう自分達の損失に現実的な見解を抱いている、と思っているようだが、現実はこんなところかもしれない。
保険会社やもう少し小型の銀行の場合は、話は別かもしれない。 本当に怖いのは、多くの金融機関が詳しい情報公開をしたにも拘らず、これらの資産が複雑怪奇過ぎて実態はほとんどわかってませんでした、という事態だ。
二匹目のサメはレバレッジ・ローンだ。 Dealogicによれば、その額は昨年は記録的な$1.8兆に上ったとのことである。殆どはプライベート・エクイティ・グループの買収に使われたが、景気が後退する中で、今度は買収した企業がローンの金利を払うに十分な稼ぎをしてくれなければならない。これらの企業の多くが背負わされた多額の借金の負担を思えば、かなりの数が沈没する可能性は、実はかなり高い。
このサメの方が実態ほど恐ろしくない理由は、恐ろしいことにならないからというのではなく、企業が資金難に突っ込む時には事態はがかなりゆっくりと恐ろしいことになる傾向があるので、ショック要素が緩和されるからかもしれない。
三匹目のサメはCDS市場だ。 企業破綻を保証をする民間市場である。私が今週CSFI(金融イノヴェーション研究センター)主催のエコノミストや金融家の集まりで発見したように、水の不思議な視覚効果で、巨大サメが本当にいるのかどうか、実にわかり辛いのだ。
『信用危機のドミノ』という主題で演説したアルケミー・パートナーズを設立したプライベート・エクイティ企業家ジョン・モールトンは、CDS市場を「恐ろしい円の繋がり」と評した。これは「これはCDSの死のスパイラルだ。このゲームには恐ろしい数のそれが参加している」という、彼が財務省特別委員会で今月先に出したコメントの繰り返しだ。他の者はもう少し楽天的だった。
ISDA(国際スワップ&デリバティブ協会)によれば、2007年末の未償還CDSの額は前年比+81%の$62兆だったとのこと。だがISDAは、純リスク総額は$1兆にも満たない、とする最近のフィッチの格付調査を取り上げて、市場の実質額は遥かに小さいのだとを熱心に指摘した。
これは契約が相殺可能(過去デフォルトが起こった時に効果的に機能する様を見せてきたやり方)だからかもしれない。市場の懸念対策の中、投資銀行のグループが昨日、これらの契約の中央決済制度(契約は払い戻される、ということを保証する本質的にかなり退屈な調査)を設立することに合意した。
一方、この市場にある本物の危機が、金融機関の間に更に深刻な苦境を引き起こすかもしれない、という可能性は少なくとも存在する。モールトン氏が見取ったように「銀行は明らかに自分達で手に負えないものを扱っている」のだ。興味深い逆「狼少年」物語だが、今では銀行が非常に複雑な金融市場は何のリスクも課さないよ、と言っても殆ど信じられない。
CSFI会議の或るスピーカーは、金融ジャーナリストはいつも酷く悲観的だと指摘した。 その通りである。 悪いニュースの方が良い記事になるから、というのがその理由の一部である。 それから、殆どのジャーナリストがかなり疑り深い、というのも理由の一部だ。 一般的に思われていることとは逆に、これは我々が単に愚痴の多い連中だからというのではなく、長く時には厳しい経験にも拘らず、ビジネス・ジャーナリストは銀行マンが都合の言いようにしか語らないと学んでいるからだ。
まあ、考えてみれば、彼らはそうするのが仕事なのだ。あんたたちの資産はジャンクの山だよ、などと警告したところで、株主には何の役にも立たないだろう。というわけで、銀行マン、ついでに監督機関もそうだが、彼等が最悪の時は終わった、などと言う時は、悲観主義者のジャーナリストよろしく、眉に唾して聞くが良いのである。
最低でも1兆ドルを上回る損失規模になると話すルービニ教授
日本のバブルに対して講釈して回ったが我々は奢っていたという。
金融資本主義で皆が浮かれていたのがサブプライム問題の性格だ
金融に対する信用を失ってしまったのが大きな問題だと話す西村教授
(私のコメント)
NHKのBS1で「地球特派員2008」でアメリカのサブプライム問題を放送していましたが、実際に取材した江上剛氏によれば問題はまだまだこれからのようだ。大手の銀行が開けた穴はまだまだ埋まっていなくて、シティと政府系ファンドの仲介をしたコーエン弁護士によればシティもメリルリンチも増資を必要とするようだ。
欧米の金融界と言うのはジャングルのようなもので、英国のテレグラフ紙の記事によれば金融は落ち着いたように見れるが、信用危機の本質問題は一向に片付いてはいない。日本のバブル崩壊も91年に崩壊しても96年頃までは一部の信用組合が潰れただけで武村大蔵大臣も二信組で終わったと答えていた位だ。
おそらく大蔵省当局も日本の大手の銀行が抱えている不良債権を正確に掴んでいなかったのだろう。銀行自身も飛ばしなどで不良債権を隠していたからだ。日本の不良債権は土地や不動産などで実態の把握が難しい面があり、アメリカのような債券だと市場取引などで価格がでるから、大手銀行が開けた穴は誤魔化しようが無く、すぐに手を打つ必要があった。
債券市場の混乱による金融危機はひとまず落ち着きましたが、売買が出来ない債券というのはどんな優良債券でも一番最低ランクの債券と同じだ。そして不動産の下落は去年から始まったばかりであり、資産担保証券はどんどん劣化してきてこれから二年くらいは劣化を続けるだろう。
ブッシュ政権は小切手をばら撒いて景気に梃入れしていますが、庶民がモーゲージローンであけた穴は住宅市場が底を打って上げ始めないと目処がつかない。今までは不動産の値上がりと消費が相乗効果で上げてきましたが、これからは相乗効果で不況に突入せざるを得ないだろう。
金融パニックというのは一つの銀行が破綻すると将棋倒し的にパニックが広がっていく現象ですが、ベアスターンが破綻してもJPモルガンが破格の安さで買収して破局を抑えましたが、シティやメリルリンチが破綻した場合何処が引き取るのだろうか。あるいは公的資金で救済するのだろうか。
ヘッジファンドは高利回りでファンドを運用しなければならないから、レバレッジを効かせて運用している。上手く運用している時はいいが歯車が逆転するとあっという間に元本割れして巨額な負債が残る。その穴を埋めるためにヘッジファンドはより大きな賭けに出ているが、それが石油や穀物市場だ。
日本のバブル崩壊では株と土地のバブルが崩壊して、その損失の穴を埋められるような新たなバブルは無かった。2000年のITバブルが救いとなりましたが、私もITバブルでは200万ほど株で儲けることができたが、財務省は証券税制をますます強化して株式市場は火の消えたようになってしまった。
昔から株の損は株で取り返せといいますが、小泉内閣が出来て私は株式投資から撤退した。財政再建を優先して景気対策は打たれなくなってしまったからだ。大阪のような地方とは違って政府や日銀には通貨発行権があり、500円硬貨などは財務省造幣局が通貨を発行している。ならば10万円金貨や1万円銀貨などを発行して公務員の給料を硬貨で支払ったらどうだろう。
国家公務員にもにも三枚か四枚の10万円金貨で支払えば国債を発行する必要はない。硬貨の裏を見れば日本国と書かれているように日銀が発行するものではなく日本政府が通貨を発行しているのだ。しかし小泉内閣は財政再建を最優先しているが、アメリカ政府は財政赤字も経常赤字も関係なくイラク戦争を始めたり小切手をばら撒いて景気対策をしている。
だから日本のような「失われた15年」ということはないだろうが、アメリカの銀行経営者も財務大臣もFRB議長もやることが素早い。それに比べると日本の政治家は役人任せで政治決断ができなくて、財務省のバカ役人は増税で財政の再建をしようとしている。増税というのは国民から金を巻き上げる事でありこれでは景気が良くなるわけがない。
アメリカの金融危機は大手の金融機関は比較的実態は掴みやすいが、ヘッジファンドの実態がまるで分からない。デェリバティブやレバレッジを効かせた投機などに手を出していたから、かなり闇は深いと思われるのですが、政府系ファンドもシティなどへの出資が失敗したように上手くはいっていないようだ。当面は石油などの投機で凌ぐのでしょうがそれが終わればヘッジファンドの破綻が表面化するだろう。
しかし、ヘッジファンドが破綻して困るのはファンドマネージャーではなく出資した投資家なのであり、日本からもかなりの額がファンドに金が渡っている。だから泣きを見るのは投資家でありファンドマネージャーは失敗しても首になるだけだ。結局は日本の投資家は投資も外人任せのようだから、日本の経済は良くならないのだ。
◆主役は日本の投資家・商品市場に資金流入〜ピーター・クラーク英マンCEOに聞く 6月5日 木走日記
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20080605/1212629304
原油や農産物など国際商品市場に投資マネーが流れ込み、相場高に弾みがついている。商品先物運用を得意とするヘッジファンド最王手、英マン・グループのピーター・クラーク最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞に「日本の個人マネーが運用資産拡大のけん引役だ」と述べ、日本の投資資金が大量に商品市場に流れ込んでいることを明らかにした。長期的に商品相場高は続くとの見方も示した。
−−運用資金が五月末で785億ドル(約8兆円)と一年前に比べて二割強増えた。
「マネー流入の主役はいまや日本の個人投資家だ。個人からの預かり資産430億ドルのうち日本だけで24%を占める。国別では米国や欧州各国を上回り最大だ。日本は超低金利が続き、分散投資のニーズが強い。元本保証型などリスクを抑えた商品が売れ筋だ」
−−株式や債権、商品先物市場などに分散投資する主力ファンドの前期の運用成績が三割超のプラスとなった。
「相場の流れに追随する運用手法なので、円やユーロ、原油や金属など値上がりした相場の持ち高を高めたのが功を奏した。株式相場は急落したが、商品相場は連動性が低いので、分散投資すれば特定の市場の影響は受けにくい」
−−先物ファンドが商品相場高に拍車をかけている
「短期的には相場の流れを加速させる要因になるかも知れないが、長い目でみれば金融や商品市場の取引量を増やし、流動性を高める役割を果たす。例えば今は商品相場の上昇要因だが、相場が下落すれば売り(ショート)が膨らむはずだ」
「短期的には投資マネーが相場を振幅させるかもしれないが、方向性を決めるのはあくまで実体経済だ。エネルギー相場でいえば、中国の台頭で需要が増える一方、供給体制が追いつかず、これが歴史的な高値要因となっている。需給が逼迫(ひっぱく)する状況は改善するとは考えにくく、長期的に国際商品相場全体に上昇が続くだろう」
(聞き手はロンドン=田村篤士)
日本経済新聞2008年6月4日 経済2面より