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世界的な利上げモードのなかで注目される白川総裁の判断(KlugView)
2008/06/06 (金) 16:44
原油や小麦といった資源・食料価格の上昇を背景とした物価上昇(インフレ)きっかけに、世界各国は利上げの姿勢を強めています。
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、6月5日の定例理事会後の記者会見で、「次回会合で小幅な利上げをする可能性を排除しない」と述べました。ECBは、1年もの間、政策金利を4%に据え置いてきましたが、消費者物価の伸びが、3%を超える状況が続いていることから、利上げの姿勢を強めています。
東南アジア各国も利上げを進めています。インドネシア中央銀行とフィリピン中央銀行は、6月5日に政策金利を0.25%引き上げています。また、ベトナムでは、5月に公定歩合を6.0%から11.0%へと一気に5%も引き上げています。市場関係者の多くは、マレーシアやタイも近いうちに利上げに踏み切るだろうとの見方が強まっています。東南アジア各国では、原油価格の上昇で石油関連製品の価格が急騰しており、物価上昇への不満からデモやストライキが発生しています。
サブプライムローン問題をきっかけに利下げを続けてきた米国ですら、最近では原油や他商品価格の上昇によるインフレ懸念が強まっており、利上げ観測が台頭しています。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、6月3日に、米政策金利は物価圧力と成長へのリスクに対処する上で「よい位置にある」との認識を示す一方、ドル安によりインフレリスクが高まっていると警告しています。
こうした中で、日本(日本銀行)も他国と同様に利上げの姿勢を強めようとしています。日本銀行の白川総裁は、6月3日の会合で、「エネルギー・食料価格が上昇するなか、インフレの上振れリスクが徐々に高まる兆しが表れつつある。インフレ期待が今後どうなるか注視していく」と述べ、インフレに対する警戒感を示しました。
現在、為替市場では、徐々にではあるものの、主要通貨に対し円は下落方向で推移しています。おそらく、為替市場は、世界各国で利上げの姿勢が強まっているものの、日本だけは利上げをせず、結果として日本と他国との金利差は拡大するとの思惑を強めていると思われます。
個人的には、為替市場が示すように、世界で利上げが実施されたとしても、日本だけは利上げモードから出遅れると考えています。しかし白川総裁は、日銀総裁になるまで、タカ派(利上げの必要性を強調する方)として知られていた方です。以前と異なり、日本も世界の動きにあわせて利上げをする可能性も頭の片隅に入れておいたほうが良いのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
ベトナムは5月に公定歩合をどれくらい引き上げた?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
5%(6.0%から11.0%)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/06/06/002977.php