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直ちに国際投機マネーを規制し通貨取引に課税しないと大変なことになる
2008-05-22 11:15:50 | Weblog
現在、いわゆる国際投機マネーという怪物が、高利益を目的に世界中で暴れまくっています。
国境を自由に越えて瞬時に投機される一日の国際投機マネーの額は、一兆五千億ドル(約150兆円)といわれています。
全世界の国際投機マネーの総額は、一説では1京(ケイ)5,500兆円といわれています。1京円は、10,000兆円ですので、
1京5,500兆円は15,500兆円となり、想像もつかない程の巨額な資金がほとんど何の規制も受けずに、投機目的のために世界中を自由流通しています。
現在の通貨取引市場での取引の多くは、実質経済の目的には役立たない投機、つまり「賭け事」によって占められています。
全世界の財貨やサービスの貿易に必要な通貨取引は、取引総額のわずか5%にすぎず、95%は投機マネーといわれています。
昨年夏以降米国で勃発し、現在も世界市場を巻き込ん進行している「米国サブプライム不良債権問題」により、これらの投機マネーは、従来の株や債権や為替や証券市場から、原油や資源、農産物の先物市場に流れ込んでいます。
その結果、原油はニューヨーク先物相場で1バーレル130ドルを超え、米や麦やとうもろこしなどの農産物価格は対前年比で20-30%高騰しています。
開発途上国では、主食の米や麦やとうもろこしが暴騰し、高くて買えない住民が暴動を起こしています。
今国際的な枠組で規制や課税をしないと、エネルギー資源、鉱物資源、農産物、食料品、水などの人類の共有財産が,巨大な国際投機資本に独占され、価格暴騰と品不足によって、飢えと恐慌と戦争が世界中で勃発する危険が出てきています。
1998年にパリで結成された市民組織「アタック」は、このような国際投機マネーに0.01%の通貨取引税を課税することで投機マネーを抑制し、世界の金融マーケットを安定化させること、徴収する税金を使って世界の貧困や失業の撲滅、難民支援や難病対策、教育や衛生環境の普及、南北格差の解消することを目的に、世界中で活発な運動を展開しています。
下記に3つの資料をお送りします。少し長くなりますが是非ご一読ください。
「資料1」は、1998年6月3日のフランス結成総会で採択された「アタック」の 基本綱領です。
「資料2」は、「アタック・ジャパン」の通貨取引税(トービン税)導入を求める市民 運動の呼びかけです。
「資料3」は、今年1月ベルギー上院で採択された「はげたかファンド禁止法採択」の 記事です。
【資料1】1998年6月3日のフランス結成総会で採択されたアタックの基本綱領
金融のグローバル化は経済的不安定や社会的不平等を悪化させる。また、人々の選択、あるいは全体の利益をはかる任務をおびた民主主義的諸機関や主権国家といったものの脇をすり抜け、そういったものの地位を低下させる。
そして、それに取って代えて、多国籍企業や金融市場の利益だけを代弁する投機的論理を持ち込む。
世界の変化は宿命であるという錦の御旗のもとに、市民とその代表はみずからの運命をみずからの手で決める権利を奪われようとしている。
このような市民の地位の低下、無力化は反民主主義的な諸党の前進を利するものである。
こうしたプロセスを食い止めるために、国内次元、ヨーロッパ次元、国際次元において、調整と統制をおこなう新たな機構をすぐにでも創出しなければならない。しかし、これまでの経験に照らして考えるならば、政府が外からの働きかけなしに、
そのようなことに着手することはおよそ期待できない。したがって、内部からの社会崩壊と政治的絶望という二重の挑戦に立ち向かうためには、市民の積極的な活動がどうしても必要である。
資本流通の全面的な自由化、税金天国、投機取引の爆発的な増加のために、国家は機関投資家を優遇しようとやっきになっている。
近代のグローバル化という美名のもとに、外国為替市場では、財やサービスの取引や生産とは無関係に、瞬間的な利益の獲得を求めて一日あたり一兆五千億ドルもの資金が行き来している。
こうした変化は、資本収入の絶えざる増加をもたらす一方、労働収入の減少、雇用不安の増大、貧困の拡大という結果をまねいている。
かくして、賃金労働者は、当面の安定を求めて、年金制度を年金ファンドに切り替えることを余儀なくされる。そうすると、企業はさらに目先の収益だけを追及するところとなり、労働条件は悪化し、金融界の勢力圏は拡大し、市民は国民のあいだ、
民衆のあいだ、世代のあいだの相互連帯の構築は何の役にも立たないと考えるようになる。
OECDに属する国々は、経済成長と雇用の促進を口実にしながら、多国間投資協定(MAI)の締結をあきらめてはいない。この協定は投資家にあらゆる権利を与え、国家にあらゆる義務を押しつけるものである。
同時に、ヨーロッパ委員会といくつかの政府はアメリカとヨーロッパを結ぶ新市場の設置(NTM)によって自由貿易の十字軍を続行しつづけている。これは視聴覚分野においてアメリカ合衆国のヘゲモニーを公然と確立するとともに、共同の農業政策を解体しようとするものである。
南北間の不平等ならびに先進諸国内部の不平等を生み出すこうした機構のメカニズムを食い止めることはまだ可能である。しかし、それに取って代わるオルタナティブに関する情報が制限されているために、往々にして宿命論的な議論が幅をきかせることになる。
そのため、たとえば、外為市場の投機取引に課税しようというアメリカのノーベル賞経済学者ジェームズ・トービンの提案に対しても、国際金融機関や大手マスコミ(そのオーナーの多くはグローバル化の受益者である)は無視しつづけてきた。
トービン税は〇.〇五パーセントという低率であっても、年間一千億ドル近くの収入をもたらす。この税はもっぱら大金融市場が集まっている先進工業国で徴収されるものだが、徴収された金は貧しい国々における不平等の是正のための行動、教育や保健の向上、食料安全保障、持続可能な発展といったもののために使うことができる。
この課税はまた、抵抗の論理を育て、市民や国家に行動の余地を与えるものであり、しかも、政治の復権を可能にするものである。
このような目的のために、署名人一同は、ここにアソシエーション・アタックを創設する。このアソシエーションは、それぞれの国のみならず、ヨーロッパ次元、国際次元においても、共同の行動を行うために、情報を生産し、伝達する。
国際投機を阻止すること、資本所得に課税すること、税金天国を制裁すること、年金ファンドの一般化を食い止めること、そして、おおづかみにいうなら、金融界の利益のために民主主義が失った活動空間を奪回し、投資家や商売人の《権利》を口実にして国家主権が放棄されることに反対すること。
要するに、われわれの世界の未来をみんなでいっしょに取り戻そうということである。
(一九九八年六月三日の総会で採択されたアタックの基本綱領)
【資料2】「アタック・ジャパン」の通貨取引税(トービン税)導入を求める市民運動 の呼びかけ
1998年パリに設立されたアタックという市民団体は、世界中を瞬時に通過する投機マネーに0.01%の通貨取引税を課税し、投機マネーを抑制して世界の金融マーケットを安定化させること、徴収する税金を使って、世界の貧困や失業の撲滅、難民支援や難病対策、教育や衛生環境の普及、南北格差の解消などを実現する目的で活発な活動を展開しています。世界中に支部があり、日本にはアタック・ジャパン
( http://www.jca.apc.org/attac-jp/japanese/index.html)があります。
アタック・ジャパンのホームページに通貨取引税(トービン税)導入を求める市民運動の呼びかけがありますので、抜粋して以下引用させていただきます。
世界人口の5分の1と、最も貧しい国々の5分の1の人々の所得の差は、
1960年の30対1から、90 年には60対1に、97年には74対1に拡大した」のです。
また、2005年度報告では、「1日2ドル以下で生活する者は世界の総人口の40%にあたる 25億人であり、それは世界の総収入の 5%である」とも指摘しています。
また、メガバンクや多国籍企業は、政府の規制の及ばない国際金融市場のなかで自由に資本を移動させ、税金逃れをしています。その結果、租税を基盤とした社会保障の枠組みが崩れ、その代償を増税ないしや福祉予算の縮小という形で、国際金融取引とは無縁な民衆が払わされているのです。
さらに、ひとたび財政赤字に陥れば、巨大企業や富裕層は、ますます自らの資産を増やすために「小さな政府」を要求し、累進税率の緩和、法人税率の引き下げ、投資に対する優遇措置、自由化・規制緩和を実現させようと政府に圧力を加えます。
通貨取引税は非現実的なものではありません。技術的には容易で、実行する意思さえあればすぐにでも実現できます。カナダ、フランス、ベルギーは、すでに議会で通貨取引税の導入あるいは支持を決議しています。スペイン、イタリアは法案を提出しました。イギリス、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでは閣僚が支持表明をしています。
【資料3】ベルギー上院がはげたかファンド禁止法を採択 2008年2月10日
08年1月31日、ベルギー上院は「はげたかファンドの活動から開発協力と債務救済を守る決議と法」を満場一致で採択した。この決議と法案はリベラル党の上院議員によって提出された。
一般的には、ベルギーでは、リベラル派は国家の役割を出来るだけ小さくすること、
自由化と自由競争のモデルを推進する立場にある。にもかかわらず、上記のような「はげたかファンド」を規制する決議文と法案がリベラル派から提出されたのは画期的なことである。
というのは、はげたかファンドの問題が、2007年中、上院の外務と防衛委員会において議論や多くの公聴会が行なわれてきた成果であった。とくに公聴会には「11.11.11」、「CNCD」、「CADTM」などのNGOが呼ばれて、多くの事例について証言を行なってきた。EURODADのMarta Ruizも金融問題について証言した。
ベルギー政府が開発援助を集中させているアフリカでは、2007年、はげたかファンドは非常に活発に活動した。
たとえば、ケイマン島に登録している「はげたかファンド」の「Kensington International」は、コンゴ共和国(ブラザビル)の債務を値切って180万ドルで買い、それを正価の1億2000万ドルを支払えとブルッセル の法廷に提訴している。
ベルギーにおいては、はげたかファンドは、火力発電所の建設をめぐって、大蔵省、開発協力省から1,030ユーロの支払いを要求して訴訟を起こしている。また58万7000ユーロにのぼる国営テレビへの開発協力無償援助費を要求して訴訟を起こしている。
ベルギーの上院議員たちを驚かしたのは、はげたかファンドがコンゴ民主共和国について、10以上の訴訟を起こしていることであった。民主コンゴはベルギー領植民地であったため、ベルギーの開発援助が集中している。つまり、ベルギーの開発援助を守るために、はげたかファンドの規制が必要であるとの結論に達したのだ。
今年1月15日の上院の議論では、はげたかファンドの規制について、今後、ベルギーはEUの中で積極的な役割をはたすべきだということで一致した。シャルル・ミシェル開発協力相(EUのルイ・ミシェル開発協力コミショナーの息子)は上院の議論に出席し、決議に対する支持を表明した。