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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu169.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国ブッシュが主導したバイオエタノール騒ぎは、穀物価格を
つり上げて一部の投機的投資家を大儲けさせることが真の狙いだ。
2008年6月2日 月曜日
◆静かな津波が広がっている 〜食糧危機の深層〜 6月1日 カトラーのマーケティング言論
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2008/06/post_7053.html
その米が、奪い合いになっている。幸いなことというべきか、それは、まだ日本国内のことではないが、米だけでなく、小麦、大豆、とうもろこしといった国際商品穀物の価格が急騰し、国際食料計画(WFP)のJosette Sheeran事務局長が、「This is a silent tsunami(静かな津波)」といっているように、世界中にこれまでにないタイプの「飢饉」とそれに伴う社会不安が津波のように広がっている。
ハイチでは暴動が起こり、首相が辞任に追い込まれた。エジプトでも数千人規模の暴動が発生し、ムバラク大統領が軍隊に対してパンの製造を命じるという異常事態が発生している。香港でも米の買い占め騒動などが発生するなど、全世界で食糧をめぐる社会不安が発生していることをメディアは連日報道している。こうした事態を受けて、来週、急遽、FAOが食糧サミットを開催する。
そもそも、何故、穀物価格は急騰を始めたのか。その背景についても多くのメディアやシンクタンクが分析や解説を行っているが、大体、以下のような高騰要因を並べたてている。
@ 穀物輸出国オーストラリアでの昨年の干ばつに伴う不作(地球温暖化の影響?)
A 中国、インドなど新興国における爆発的な需要拡大、肉食など食生活の高度化
B バイオ燃料として注目されるエタノールの原料としてトウモロコシ需要の急増、
C 原油価格高騰による輸送費、肥料、燃料費などの負担増
D 投機的資金の穀物市場への流入
そして、こうした構造的な要因を背景に、食糧価格は今後も高騰しつづける可能性が高いと結論づけている。
ここで列挙されている理由は、ひとつひとつを取り上げればどれも誤りとはいえないだろう。しかし、こうした優等生の模範解答のようなステレオタイプな説明は、問題の本質を捉えていないどころか、むしろ問題の核心を隠蔽することの方が多いといってもよいだろう。
穀物価格の急騰をもたらした真の要因は何か
多くのメディアが撒き散らしている、こうした模範解答において言及されている食糧の長期的な需給ギャップが存在するとしても、昨年からの穀物価格の急騰現象は説明がつかない。あたかもわかったような気になっているだけだ。
2007 年1 月から2008 年5 月までの短期間に、トウモロコシが1.5 倍、小麦が1.7 倍、大豆が1.8 倍、米の国際価格にいたっては2.7 倍の水準まで高騰している。オーストラリアの干魃は小麦の価格に関係しているとしもて、トウモロコシや大豆とは関係ない。米についていえば、凶作や実需が何らかの理由で倍増したという話はとんと聞いたことがない。
つまり、ここで穀物の国際価格の高騰要因とされるもっともらしい理由は、全体としてみれば、事態の本質を隠蔽するという「もっともらしい嘘」になってしまっている。
思い起こされるのは、これと全く同じような論理が、日本の土地バブルの時にも見られたことだ。
@ 日本は国土が狭く、日本の土地は有限である。
A 日本経済はずっと成長してきたし、これからも成長しつづける。土地やオフィスに対する需要も拡大し続ける。
B 日本経済は、土地本位制であり、担保価値を割り込んで土地の価格は下がることはない。
今、考えれば、こんな理屈をどうして信じられたのかと思えるのだが、当時の日本人の多くが、この「もっともらしい嘘」土地神話に見事に騙された。
それでは、おなじように「もっともらしい嘘」によって穀物の国際価格を急騰させ、それが、当然の帰結、必然であるかのような言説を撒き散らしているのは、一体誰なのか。
ブッシュ大統領の一般教書演説が契機に
犯人捜しをすることが目的ではないが、明らかなことがひとつある。それは、このエントリー記事の冒頭に掲げたグラフを見れば、すぐわかることなのだが、昨年2月にブッシュ米大統領が、一般教書演説の中で化石燃料エネルギーへの過度の依存を是正し、二酸化炭素抑制を掲げバイオエタノールを代替エネルギーとして活用する方針を表明したことから、穀物価格の高騰が一気に加速したという事実だ。
バイオエタノールの原料作物は、主にトウモロコシだが、米国の農家が大豆や小麦の栽培からトウモロコシに鞍替えしたために、大豆、小麦の価格も高騰した。後は、連想ゲームだ。大豆や小麦が上がるなら、米も上がってもおかしくない・・・そう考えた連中が、香港で見られたように米を買い占めたり、あるいは商品先物市場に投資することで、実際に値がつり上がっていった。
そして、米価の急騰によって国外に米が流出することを懸念したインドやベトナムが輸出規制に踏み切ったために、さらに価格が急騰するという悪循環に陥った。こうして、穀物価格の高騰による新たな「飢饉」が貧しい国々を津波のように襲ったのだ。
静かな津波の震源地はサブプライムローンの破綻
そして、現在の「静かなる津波」といわれている食糧危機の震源地は、米国のサブプライムローンの破綻に求めることができる。すなわち、米国内の住宅ローン市場に投資されていた投機資金が、新たな儲け先、あるいはサブプライムローン破綻による実損を取り戻すために仕組んだマッチ&ポンプ相場が今回の穀物価格の急騰といえるのではないか。
このことは、投資ファンドの動きからも裏付けられる。
2007年の第1四半期末から始まった穀物相場の急騰に呼応して、上場投資信託(ETF)が欧州農産物を対象に運用する資金は5倍に膨らんだという。英銀バークレイズ系列の投資専門会社バークレイズ・キャピタルによれば、この間、米国農産物取引での運用残高はそれ以上に拡大し7倍にまで達したという。
地球環境保護という美名のもとで打ち出されたバイオエタノールへのシフトは、穀物相場全体の急騰を招き、1日の収入が1ドル以下という最貧国の人々から命の糧を奪った。その裏で、大儲けした国際穀物メジャーや投資ファンドが高笑いしている。
地球環境を守るという掛け声のもと、代替エネルギーへのシフトが唱われたわけだが、結果的としては、米国では、エタノール向けのトウモロコシの作付けがトウモロコシ全体の作付け面積の20%まで占めるようになり、それが引き金になって、全面的な穀物価格の急騰が生じたということは、これまで見た通りだ。ところが、米国全体のエネルギー使用量に占めるバイオエタノールの割合は、1%にも達していない。
進まなかった代替えエネルギーへのシフト
要するに、トウモロコシの収量全体の20%を犠牲にしながら、化石燃料依存を脱却するという課題は、これっぽっちも解消されていないのだ。穿った見方をすれば、米国ブッシュが主導したバイオエタノール騒ぎは、地球環境の問題とは、端から関係がないのであり、代替エネルギーへのシフトという大義名分の下、もともと流動性の少ない穀物の世界に投機資金を呼び込み、穀物価格をつり上げて一部の投機的投資家を大儲けさせることが真の狙いではなかったのか。
食糧サミットでは、どうやら、食糧増産の方法やら「今後の対策」に関する議論が中心になるようだが、私にいわせれば、犯人捜しの方が先決である。穀物価格の上昇によって大儲けした連中をテーブルの上にならべて、相互の関係をつまびらかにすれば、誰が仕組んだことなのかはっきりするはずだ。とはいえ、仮にそうした議論が行われ、食糧の投機的な取引に関しては何らかの歯止めが講じられたとしても、投機マネーは、既に次のターゲットの物色に入っているだろう。原油、資源、食糧とターゲットは変遷してきたが、次に向かうのは、たぶん水資源だろう。
私は、これまで資本主義というものは、多くの問題はあるにせよ、基本的には善なるシステムだと思ってきた。それは、飢えや渇きに苦しむ人々に経済と産業をもたらし、貧困から救い出すものであったからだ。それが、逆に津波のように人々を襲い、命の糧である食糧や水を奪い始めている。これは、貧しい国々の人々だけの問題ではない、資本主義の危機だ。
(私のコメント)
物価の値上がりなど90年代から忘れ去られていた事であり、日本のデフレ経済はじりじりと値下がりするのが当たり前になっていた。最近のガソリン価格の高騰やバターの品不足などはバブル期の頃を思い出させるものだ。しかし今回の価格の高騰は海外からやってきたもので、70年代の石油パニックのほうが状況は似ている。
昨日もガソリンスタンドの前を通ったらレギュラーガソリンが172円になっていた。これでは車のガソリンを入れるたびに万札が飛んでいくわけであり、流通などにも影響が出てくるだろう。ガソリンが値上がりすれば農産物にも飛び火するのは70年代の石油ショックと同じ構造だ。
だから最近の食品の値上がりは石油投機を仕掛けている連中が農産物にも手を出しているからなのですが、その金はどこから来ているのかというと、あめりかのFRBが金をばら撒いて投機ファンドが石油や穀物などの投機で大儲けをしているのだ。FRBはサブプライムで金融機関が大穴をあけているから、その穴埋めの為に金をばら撒いているのですが、バブルの損はバブルでしか埋まらない。
日本の政府日銀は株バブルと不動産バブルを同時に潰して銀行を締め上げてしまった。グリーンスパンのようにITバブルの次は住宅バブルを作り、そして今はコモディティーバブルを作ってバブルの軟着陸を図っている。日本のようにすべてを潰してしまったら回復するのにどれだけ時間がかかるのか分からないからだ。
以前にも書いたように、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーは元政府の高官たちが経営者に顔を並べる影のアメリカの政府機関とも言うべき存在ですが、カトラー氏のブログにも書かれているように去年の2月の大統領教書演説にちゃんとバイオエタノールを振興することが述べられている。つまりGSやMSは大統領からインサイド情報を得て投機を仕掛けているのだ。
インサイダー取引は日本でもアメリカでも違法なのですが、政府ぐるみでやればSECも動きようないわけでGSやMSはどんな大金でも安心して投機が仕掛けられる。迷惑するのは石油や農産物の消費者達ですが、コメや小麦を食べられなくなれば飢え死にするしかない。しかしこれらの投機はFRBが投機ファンド救済の為に仕掛けている事であり、マスコミはこの事を批判しない。
このように中央銀行とファンドとが手を組めば絶対に負けない投機が出来るのであり、FRBはいくらでもドル札を印刷できるのであり、無限に株や債権や商品を買いまくる事が出来る。日銀でも一時株を買ったことがありましたが、FRBはその大掛かりな事をやっている。しかし誰かに高値で買わせて売り抜けなければならないから、マスコミを動員してガソリンが上がったとかバターが品切れだとか騒がせているのだ。
株の世界でも業界紙が書いている事をまともに信じていたら100%損するのであり、GSやMSがどんな陰謀を企んでいるかを先読みすれば相場に勝てる。しかしFRBがドル札を刷りまくって国債を無限に発行し続ければアメリカそのものが倒産しかねない。ドルは何時までも価値を維持し続ける事は不可能だからだ。ところがドルもNY株式も堅調だ。
投機筋は石油を買って、中東産油国が売っても産油国にはこれといった産業もないから欧米の銀行に金を預けるしかない。欧米の銀行はその金をNY株に投資するからドルや株が上がる。FRBが金をばら撒いて石油や株が上がり続けているうちはいいが、FRBが資金供給をストップした時が暴落する時となる。それは何時か? 投資ファンドが売り抜けた時だ。
このように中央銀行が投機に手を出すようになったら資本主義もお終いなのであり、発行しすぎたドル札は紙切れになるときが必ず来る。日本のバブル崩壊が長引いているのは、アメリカのGSやMSに相当するような投資銀行がないからであり、日本人でファンドマネージャーを養成しようと思ってもシステム的に無理だ。世界に広がる情報ネットワークが日本には無いからだ。
日本のバブルの発生も崩壊も結局は国際金融資本による情報操作に踊らされたからだ。昨日もNHKで低炭素社会の特番をやっていましたが、これも情報操作であり石油の高騰とセットになっている。日本の「国営放送」が情報操作に加担しているのだから国際金融資本はマスコミを自由自在に操る事ができるのだ。
国際金融資本はアメリカのCIAなどの情報機関と表裏一体であり、マスコミはそこからの情報のおこぼれをちょうだいして活動している。日本に情報機関が出来ないのも、GSのような投資ファンドが出来ないのも能力的に彼らにかなう人材がいないからだ。例外的に「株式日記」の管理者は彼らの動きが手に取るように見抜く能力がある。だから「株式日記」はユーロの高騰を見抜くことが出来た。
はたして石油や穀物の次は何が狙われるのだろうか? おそらくそれは空気と水である。空気は温暖化ガスのことですが、水は穀物と関係があり穀物投機の次は水投機が始まる。5月27日のクローズアップ現代で水の問題をやっていましたが、オーストラリアでは農業用水が売買されていた。スペインでは慢性的に水不足で海水を淡水化プラントで生産していた。つまり水は只ではなくなって来たのだ。
アメリカやヨーロッパやオーストラリアでは慢性的な旱魃になっているのは温暖化と関係しているのでしょうが、水と穀物が無ければ人間は生きていく事ができない。国際金融資本は水も買い占め、空気も買い占めるつもりのようだ。温暖化ガス問題はこれも情報操作なのですが、日本企業もこれに踊らされてしまうようだ。
日本では公共事業というと橋や道路を作る事ですが、どうして太陽光発電所や風力発電所などを作ろうとしないのだろうか。箱物では維持費ばかりがかかって利益を生まない。ところが再生可能な発電所なら電気と言う利益を生む。政治家や官僚の頭がコチコチに固いからドイツのような低炭素社会ビジネスを作ると言う斬新な発想が出来ないのだ。