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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080602-00000049-san-soci
原油価格の高騰により新日本石油など石油元売り各社が1日、ガソリンの出荷価格を前月比1リットル当たり12〜14・5円引き上げたのを受け、全国のガソリンスタンド(GS)で店頭価格に転嫁する動きが広がった。
東京都大田区の出光興産系列のGSでは、15円引き上げ174円に。午前9時の値上げ以降、休日にもかかわらず給油に訪れる自動車はまばらだった。
石油元売り各社による出荷価格の10円超引き上げは、月ごとの改定を始めた平成2年9月以降では過去最大。石油情報センターの調査によると、5月26日時点の全国平均小売価格は160・3円で、現行の調査を開始した昭和62年4月以来の最高値。6月は全国平均で170円を突破することは確実だ。
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170円台に乗るのは、石油情報センターが現行の調査を開始する以前の昭和57年秋に総理府(現内閣府)調査で177円(都区部平均)となって以来の水準。米国の原油先物相場が高値圏で推移するなか、ガソリン価格は今後も上昇するとみられ、全国平均で177円を上回る可能性も否定できない。家計を圧迫し、企業業績にも影響を与えるガソリン高はいつまで続くのだろうか。
レギュラーガソリンの小売価格平均が都区部で177円を記録したのは、1979(昭和54)年に起こったイラン革命によりイランからの原油供給が中断、これを契機に供給不安が高まり昭和57年まで続く第2次オイルショックによるものだ。
この混乱により石油輸出国機構(OPEC)は、原油価格を引き上げたため、56年10月にはこれまでの3倍弱となる1バレル=34ドルに高騰、高値が続いた。また当時の為替相場が1ドル=250円と現在に比べはるかに円安だったため、国内の石油元売り各社の調達コストも大きかった。
これに対して足元で起こっている原油高は、中国やインドなど新興国による旺盛な需要増と、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きに端を発した金融不安だ。なかでも株式や債券などの現物から逃げ出した投機資金が、原油や金などの商品市場に流れ込み価格をつりあげている。
政府が先月27日に閣議決定した「エネルギー白書」でも、現在、高騰を続けている原油価格の3分の1以上が投機資金などによるもので、需給以外の要因としている。
米投資銀行ゴールドマン・サックスは先月、「原油価格は6〜24カ月以内に150〜200ドルになる」との見通しを発表した。米国の原油先物相場は5月22日に一時、1バレル=135・09ドルの史上最高値をつけた後、130ドルを割る水準へと下げており、先行きは不透明な部分もある。しかし、原油が1バレル=1ドル上がるとガソリンには1リットル当たり0・7円の上昇圧力となるため、第一生命経済研究所の永浜利広・主席エコノミストは「200ドルまで高騰すれば、ガソリン価格は220円程度まで上昇する」と警鐘を鳴らす。
ただ今後も原油相場が120ドル台で推移したとしても、ガソリン価格は170円程度の高値水準にとどまる見込みだ。
(今井裕治)