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新興3市場銘柄に復調期待、「負け」から脱却の可能性
2008年 05月 26日 14:26 JST
水野 文也記者
[東京 26日 ロイター] 新興3市場銘柄の相場に復調を期待する声が出ている。2009年3月期の業績予想は1部市場が7期ぶりの減益となった半面、新興3市場は2ケタ増益となる見込みだ。
一昨年のライブドアショック以降、小型株は株価低迷を続けていたものの、決算の明るい予想を背景に、主力銘柄に対して一方的にパフォーマンスで負ける状態から脱却するとみる関係者が少なくない。
新光総合研究所がまとめた2008年3月期決算集計(新興3市場)によると、23日までに決算内容を開示した589社(対象は06年3月期から財務データが取得可能な636社で開示率は92.6%)の通期見通しの経常利益増減率は、前年同期比18.5%増となった。
事前予想との比較では、上振れした企業の比率が47.4%、下振れが52.6%と予測を下回る見通しとなった企業が多い。しかし、同様に集計した東証1部銘柄の経常利益増減率は4.8%減と減益が予想されているのに対し、新興3市場銘柄は2ケタ増益確保が見込まれるなど、市場では新興市場の銘柄を見直す機運が生じている。
集計対象企業のうち104社と最多の情報・通信が、22.4%増となっているほか、サービスが26.3%増、小売業が15.6%増と、小型株の多数派を占める内需関連の好調が目立つ。市場関係者によると「携帯ビジネスの伸長など成長業種が多いほか、内需で完結するITやサービスなどの業種が、円高や原料高の影響を受けにくいことが注目点になる」(中堅証券情報担当者)という。
だが、新興3市場のパフォーマンスが優位に立っているわけではない。ザラ場を基準とした3月安値から5月高値までの戻り率は、日経ジャスダック平均がプラス7.5%、マザーズ指数がプラス21.1%、ヘラクレス指数がプラス22.9%と日経平均のプラス23.1%を下回っている。
この点について「今年から国内年金の資金流入が活発化するとの期待があるが、新興市場を需給面でリードする個人投資家の動きが鈍く、投資マインドが高まっていない」(SMBCフレンド証券・投資情報室次長の松野利彦氏)との声が出ていた。
また「1部市場の主力銘柄が、前提条件の為替や原材料価格を厳しく設定し、その保守的とみられる予想に上方修正期待があり、これらから資金が逃げる様子ではない」(準大手証券ストラテジスト)という。
それでも今後について「現実の決算予想は、新興3市場銘柄の方が勝っており、現時点の出遅れが修正される可能性もある」(先出の中堅証券情報担当者)との指摘が出ている。
野村証券・中小型株担当ストラテジストの元村正樹氏は「小型株はかつての悪いイメージが和らぎ、収益のダウンサイドリスクは十分織り込んでいる」とした上で「業績上向きにより、今後のマインド回復が期待できる。06年以降続いた小型株が1部市場の主力銘柄にパフォーマンスで一方的に負けるようなことはないだろう」とコメントしていた。
(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-31953520080526