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<東京市場 26日>
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日経平均 |国債先物6月限 | 国債292回債 |ドル/円(14:30) |
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13699.85円 | 134.61円 | 1.725% | 103.26/31円 |
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-312.35円 | +0.26円 | -0.010% | 103.30/35円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替は前日NY終盤。
[東京 26日 ロイター] 26日の東京市場は株安/債券高。今夜の米英市場が休
場とあって資金フローが限られる中、前週末のNY市場の動きを映した展開から抜け出せ
ていない。原油高の影響について市場では見方が毎日のように目まぐるしく変化しており
、きょうは消費減退シナリオが優勢だ。日経平均.N225が25日移動平均線を下回って
引けると株式市場の調整色が強くなる、との声も出ている。一方、円債市場では金利上昇
バイアスがかかっているため、株の下落に比べて金利低下幅は小さい。乱高下が続き証券
会社などがリスクを取りにくくなっているため買いが入りにくい、という。
<先物売りで日経300円安>
株式市場では日経平均が反落、下げ幅は一時300円を超えた。前週末の米国株安や為
替の円高傾向を嫌気して幅広い銘柄に売りが先行した。「海外勢が休暇中で現物のフロー
が減少している中、先物に小口売りが断続的に出て指数を押し下げた。一部の米大手投資
銀行が第2・四半期も多額の損失を計上するとの観測も、相場の足を引っ張る材料だ。決
算発表が一巡したことで再び金融問題が意識されている」(中堅証券)という。
市場は米国景気の早期底入れを織り込みつつあったが、原油高がインフレを招き消費を
抑制するというスタグフレーションの懸念もくすぶっている。26日の取引でも原油価格
は上昇している。北海のスタットフィヨルド油田の石油流出による供給停止やドル安など
を背景に、米原油先物7月限CLc1は前週末の終値を上回る1バレル132ドル台後半で
推移している。
第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏は、原油価格が引き続き高値圏で
強含みに推移すると予想している。「原油高の背景には、長期需給ひっ迫期待と過剰流動
性がある。現状で世界経済は減速傾向にあるものの、失速するほどの懸念はない。少なく
ともそうした懸念を高めるような材料が今週表面化する可能性は極めて小さい。一方、
米国が現状の低金利政策をしばらく保つとの見方に変化が出なければ、過剰流動性による
相場押し上げ力は残存することになる」と指摘している。
<弱気に傾く心理>
明治ドレスナー・アセットマネジメント、トレーディング部長の若林仁氏は「原油とド
ルについて、読みが弱気にブレてきている。原油高がインフレを経由してその後の米消費
圧迫につながるというシナリオが視野に入ってきたことで、株価上昇トレンドへの確信が
持ちにくくなっている。テクニカルにも一部弱気のシグナルが出てきており、5月16日
の日経平均1万4400円どころは、当面の天井になる可能性がある」と話す。
日経平均は金融危機が後退したとの見方から、買い戻しなど短期需給主導で上昇してき
たが「このまま25日移動平均線(1万3845円75銭=23日現在)を下回って引け
ると調整色が強くなるだろう。これまで下値支持線として機能していただけに失望する向
きも多そうだ」(ファンドクリエーション投信投資顧問・シニアファンドマネージャー、
山田拓也氏)との声もある。
「海外勢が買っている間は、大きく崩れる心配も小さいが、他に代わる買い主体も出て
きてないだけに、海外市場の動向が懸念される。原油高によるインフレでヘッジ手段とし
ての株式の魅力が高まるとの見方もあるが、コストアップによるインフレは企業業績への
マイナス要因として働き、結果的に株式市場にとってネガティブ要因になる」と山田氏は
とみている。
<円債の上げ限定、リスク許容度は回復せず>
前週末の海外市場で米長期金利が低下したことを手掛かりに円債市場は反発しているが、
上値は重い。23日のLIFFE円債市場で先物6月限の清算値は東京引け値を39銭
上回る134円74銭だったことを踏まえれば、「戻りはきわめて鈍い」(邦銀の運用担
当者)。
主な背景としては、4月の相場急落の影響などで、国内投資家や証券会社を主体とする
業者のリスク許容度が回復していないことが挙げられている。
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「ファンダメンタルズにつ
いての思考を踏まえた素直な金利観からすれば、足元の債券相場は、明らかに金利上昇方
向でオーバーシュートしている」と指摘。「国内投資家や証券会社などのリスクテイク能
力は、なお限られているとみられる。市場は軟弱なままで、癒しの時間帯となっている。
ファンダメンタルズや金融政策見通しと、現実の金利の居所のギャップが大きいまま、市
場機能の回復を待つ時間帯と言えそうだ」と話した。
複数の市場参加者によると、値ごろ感からの買いが入ってもおかしくない水準でも、現
物債市場は閑散商状。「国債先物が朝高後、上げ幅を縮小したのは、戻り局面では少しで
もリスク量を減らしておきたいとの思惑の表れ」と、ある外資系金融機関の担当者は解説
する。
別の参加者によると、日経平均株価の下落幅拡大を受け、商品投資顧問業者(CTA)
やマクロ系ファンドからは小刻みに買い注文が入っていた、という。それでも相場が騰勢
を強めるに至らなかったことについて、前出の邦銀の運用担当者は「国内参加者がポジシ
ョンを増やせるような状況ではないため」という。
ある外資系証券の債券ディーラーは「さまざまな観測が飛び交う中、テーマがひとつに
絞りきれず、各金融市場がそれぞれの思惑で取引した結果、中期的に株安/債券安の流れ
すら鮮明になりかねない」と述べている。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:田巻 一彦)