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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080513-00000147-mailo-l15
「サミット」がやってきた:増え続ける低所得者層 年収、バブル期の半分に /新潟
5月13日15時0分配信 毎日新聞
陽光の照りつける昼下がり。JR新潟駅前では、70台近いタクシーが並ぶ。客待ちの車中には、昼食をかき込んだり、背もたれを倒して眠り込む乗務員の姿も目立つ。
「めちゃくちゃだよ。夫婦共働きでやっと食えるんだから」。運転手の男性(59)は、車列の中で苦笑した。乗務歴は30年を超えるが、先月の給与は17万円。バブル期の80年代に400万を超えていた年収は、半分に落ちた。
厚生労働省の調べでは、県内タクシー運転手の平均年間賃金(06年)は278万7600円。全産業平均の453万3400円を大きく下回る。全国自動車交通労働組合連合会新潟地方連合会の海藤正彦書記長は「規制緩和で新規参入が増えたことが原因。一人一人の収入が下がって、カバーするためにたくさん働いて、事故まで起きる。悪循環だ」と話す。10年前に比べ、タクシーの事故は4割増えたという。
特に供給過剰が目立つのは、新潟市内だ。同市の運転手1人あたり、1カ月間の運送収入(今年3月)は36万9703円(県ハイヤー・タクシー協会調べ)。会社の差し引き分を含めると、運転手の取り分は5割から4割に減るという。
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国税庁の調査によると、通年で勤務した労働者約4500万人のうち、給与所得が200万円以下の人の割合(06年)は22・8%。10年で4・9ポイント上昇している。
低所得者層の拡大について、連合の高木剛会長は「最大の要因は非正規雇用が増えたこと」と指摘する。総務省の労働力調査では、98年に1173万人だった派遣やパートなどの非正規雇用労働者数は、07年に1732万人まで増加した。
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「アルバイトも生きさせろ」「不安定な雇用を無くそう」
労働相会合がスタートした11日午後、新潟市中央区の万代地区で、シュプレヒコールが響いた。新潟市の団体職員の有田純也さんらの呼びかけに、県内外の非正規雇用者約40人がデモ行進した。
長野県松本市から参加した八木航さん(32)のアルバイト生活は10年に及ぶ。年収百数十万円の年が続き、「死にそうな忙しさと、友人に(お金を)借りなければ生活できない貧しさのはざま」で、不安な日々を送ってきた。正社員の仕事を探し続けているが、最近は正社員でも働きづめの友人たちの青い顔を見て、将来に希望が持てない。
八木さんはサミットを機に訴える。「根本的な社会構造が変わらなければ、働いても働いても暮らしは楽にならない。生きる権利を返してほしい」。
【渡辺暢、黒田阿紗子】