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日米関係について
サブプライム問題を端に発した信用不安は、世界恐慌突入直前、辛うじて一旦回避はできました。しかしながら、米国の唯一の超大国の地位は揺らいでいます。このままパックスアメリカーナは終焉し、多極化の時代という、極めて不安定な時代へ突入してしまうのでしょうか?聖火リレー問題をきっかけに燃え上がる中国のナショナリズムを目の当たりにして、日本は中国や米国とどう付き合っていくべきか?ここ一月で読んだ本がたまたま日米関係を改めて考えさせるものが多かったのも一つの動機ですが日中、日米、米中の関係について、いろいろと考察したことを書いてみたいと思います。
私は生まれてこの方へそ曲がりの天邪鬼な性格です。株や相場は逆張りこそ、その真髄であるとも考えています。そのためどうも多少世論に対して逆張り的意見となることをお許しください。
9.11以降ブッシュ政権が引き起こしたアフガン戦争・イラク戦争や捕虜虐待問題などは、世界一のスーパーパワーを持て余し濫用したブッシュ政権および米国に対し奸計を感じる人々がだいぶ増えたのではないでしょうか?
グローバル化若しくはフラット化した世界の矛盾の原罪を米国に求め、米国やブッシュ政権を非難することが世界正義であるかの如き言説が幅をきかせています。米国内世論でも民主党を支持する東部リベラルの新聞や全米ネットワーク放送局は、反米主義を煽る反ブッシュ政権サイドのニュースを世界中に配信しています。ただ、米世論はグローバル主義に関してだけは、他国と違い肯定的に捉え、反否定的な意見の方が少ないように思います。
日米関係は盤石か?
様々な意見が有るとは思うが、日本にとって最も大切な二国間関係は米国との関係であることには異論は無いと思います。経済貿易、軍事的結びつき、特に核の抑止力に関しては、在日米軍基地がある限り疑問を挟む余地はない。(在日米軍家族という人質も抑止力かもしれません)
日本は伝統的に左翼を中心に、反米思想を支持する集団は存在してきた。日本では60年安保闘争、反米帝を叫ぶ全共闘〜70年代初期のべ平連の頃から比べれば今日の反米気分も暴力が伴わない為、ネットで反米だと書きなぐっても子供の口喧嘩と大差ないかもしれません。
冷戦の終結とともに、左翼の論陣を張る集団が放散してしまいました。その代わり保守層において親米保守と反米保守に亀裂が生じています。私は、消極的な親米保守の立場をとります。私の偏見でいえば、反米保守の立場の人の中には転向左翼組が多数を占めるのではないかと考えています。なぜなら、愛国的に反米を唱えたとしても、具体的ビジョンを持たず、理想論を振り回す点では、伝統的左翼の思考となんら変わりが無い。陰謀論者も腐れ左翼のなれの果てである。
ただ、消極的な親米保守(米国の属国としての立場には忸怩たる思いだが、現日本政府の陣容では、自主独立路線を仕切れる政治家が皆無で、日米安保やむなしと考える)でさえ、昨年「困った善意、日系反日主義者」ホンダ議員の従軍慰安婦非難決議、やブッシュシニアによる靖国反対意見。そして何よりも拉致被害問題を未解決のまま、北朝鮮をテロ支援国家より除外しようとする動きに関しては、「米国の裏切り行為」は容認できるものではありません。
本日5月4日拉致被害者家族会事務局長である、増元輝明さんの直訴「問題解決までのテロ国家支援国解除を凍結」を冷たくあしらった「ヒルジョンイル」ことヒル国務次官補を日本国民は許してはならない。
http://www.interq.or.jp/power/masumoto/
私のような消極的親米保守主義者ですら「堪忍袋の尾が切れそう」である。今後、北朝鮮問題如何では、堪忍袋の尾を切らし、積極的核保有、自主独立路線へ向かう流れが本当にできてしまうかもしれない。
<「敵国になり得る国米国」青木直人:PHP研究所>という本があります。
http://aoki.trycomp.com/2008/01/post-10.html
日米関係を考える時、この一冊にはいろいろと考えさせられます。そして少しだけ異論があります。
青木直人さんの視点は鋭い、本のタイトルだけを見た時には「小林よしのり」程度の本かと思って中身を読んだら大間違い、引き込まれました。ネットでチェックをしてみて、「ああ、この人か」佐藤優氏・西尾幹二氏と共著「中国の黒い罠:別冊宝島」の青木さんでありました。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796659099/kaoru-22/ref=nosim/
青木氏のブログも発見http://aoki.trycomp.com/
青木氏は東アジアがどちらかというと専門です。この本の内容は、キッシンジャー氏の思考を軸に米中関係を考察されています。キッシンジャー氏といえばニクソン政権時代の国務長官にキッシンジャー外交を繰り広げ、85歳の今も尚、影響力は日米中に及ぶことをこの本で述べています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC
ブッシュJr大統領は就任当初、中国のエージェントと化したクリントン夫妻に代わり、米国の覇権に対する中国の潜在的脅威を取り除くものと私は期待していました。しかし、期待は裏切られた。9.11以降イラクで手一杯となり、米国には核実験をした北朝鮮の処分を中国に委ね頼る選択をした。これは、米国の同盟国である日本に対する裏切り行為であるが、米国ばかりも責められない。日本がこの時点で北朝鮮を押さえるだけの政治的意思と軍事的意思を日本国民が持っていなかった。現実には、米中で共同管理されている朝鮮半島について、日本の意思など働きようがない。
米中関係は、米国が中国に植民地を持たなかった関係から伝統的に良好であった。1950年の朝鮮戦争により、空白が生じたが、1971年時の補佐官キッシンジャー氏の電撃訪問により再び復活した。
その三十七年前の周恩来とキッシンジャーの密約の中身は、対ソ連戦略もさることながら、「復活した日本の拡大」をどうするか、米中は警戒した。米中ともに日本こそ潜在的脅威であると警戒していたことだけは間違いない。キッシンジャー氏が大統領補佐官と国務長官を兼務していた74年、インドが地下核実験に踏み切った直後に、日本が核開発に乗り出すとの認識を表明、独自核武装の動きを懸念していたことが2006年6月、機密指定を解除された米公文書から分かった。
キッシンジャー米国大統領補佐官語録 1971年10月22日北京の人民大会堂で周恩来と会談
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中国共産党が常任理事国になる3日前 「米国は日本をこれほど経済的に発展させたことを悔やんでいる」 「中国と日本を比較すれば中国は伝統的に普遍的な視野を持っているが、 日本は部族的な視野しかない。日本人はほかの国民がどう感じるかに 何の感受性もない。日本に何の幻想も持たない。」「日本が大規模な再軍備に走るような事態になれば 伝統的な米中関係が再びものを言う。 米国は日本の拡張を抑えるために、他国と協調し、できることをする。 日本について我々(米中)は同方向の利害を持つ。」 「日本が米軍撤退を希望すればいつでも出ていく。 日本が自主防衛すれば周辺の国にとって危険だ。 核の傘は(中国が発射する)日本への核攻撃に対して適用される。 我々が米国を守るために核兵器を使用することはなさそうだが、 日本についても同じだ。しかし、実際には (米国が日本を中国から守る為に核兵器を使う可能性は)より小さいだろう」
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http://blog.livedoor.jp/ikegogo1/archives/50428971.html
キッシンジャー氏は年に一回は出演する日高義樹氏のワシントンレポートにおいて北朝鮮の核兵器保有は、日本の核武装を招く可能性に度々言及しています。インタビューでは逆に日本が核武装するのが当然の流れで、むしろ積極的に日本の核武装化を支持するかのインタビューの印象でした。
彼は一流の政治家であり、中国人向けの発言と、日本人向けの発言が異なることは理解しよう。しかし、キッシンジャー氏は、他の民族のように常識があれば当然日本は核武装する努力するはずなのに、核の議論すらまともに国会でしない日本人を理解できないのだろう。そして政治家として、核の議論すらしない日本人を侮蔑する感情が湧いて当然でありと思う。「自分は40年前から日本の核武装を予言しているのに、予言が当たらない!政治家として、日本の政治家がバカじゃないのか?日本人はなんてマヌケな民族なのだ!」と思っているのであろう。
日米関係についての考察 <日米関係は盤石か?>-2へ続く
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7819312.html
[前のページ日米関係についての考察<日米関係は盤石か?>1] http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7817462.html
キッシンジャー氏と米中関係で忘れてならないのは、ブッシュシニア元大統領と中国との繋がりである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BBH%E3%83%BBW%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5
ブッシュシニア元大統領は1974年〜75年北京米中連絡事務所長を歴任していることだ。ブッシュシニア元大統領の非公式バイオグラフィーではキッシンジャークローンとしてブッシュシニア元大統領は米中関係の太いパイプとなりうることは、当然の流れと理解すべきです。
http://www.tarpley.net/bush11.htm
http://www.tarpley.net/bush14.htm
ただし、一部陰謀論のサイトの中では、ブッシュJrも中国で生活し中国女性と関係しているなどデマ情報が流れています。これは下記URLを読めばデマ情報と理解できます。ブッシュシニア在中国期間1973〜74年、ブッシュJrはハーバード大学へ入学し、州兵のパイロットとしても非常勤で在籍していた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/cv/r_grorgeb.html
http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j072.html
青木さんの本でもう一人キーマンとして紹介されたのが、ブレント・スコウクロフト氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%95%E3%83%88
フォード政権およびジョージ・H・W・ブッシュ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、ライス国務長官の元上司であったことで知られる。「スコウクロフト・グループ」という対中コンサルティング会社代表でもある。
この重要なキーマン達は、政治家としての顔と、国際コンサルティング会社「キッシンジャー・アソシエーツ」に名を連ね、対中ビジネスで利益をあげている利害関係者である。
キッシンジャー・アソシエーツに顧問料を払っているのはワシントンポストの記事によると、チェースマンハッタン銀行(現;JPモルガンチェース米投資銀行)、AIG(米保険)、アメックス、コカコーラ、バドワイザー、GE,GM、モービル石油(現;エクソンモービル)、IBM、アップル、インテル、エリクソン(スウェーデン)コンチネンタルグレイン(現;カーギル社穀物メジャー)、アトランティックリッチフィールド(ロックフェラー系のスタンダードオイル系統のアラコ社現在BP社の一部)だそうだ。錚々たる大企業が名を連ねている。ただし、日本の会社は一社も無い。
そして、これらの企業は中国ビジネスに食い込んでいるのは事実で、コネ社会の中国進出では、相当な効力があったものと思います。ただし、私はこれらの企業は、利益を上げているから対中ビジネスをしているのであろうが、彼らの期待通りの利益を中国ビジネスで上げていないのではないかと考えています。
労働集約型の工場としての中国は確かに成功しているとは思いますが、工場よりも彼らの目的は、巨大なマーケットの幻想だと思います。幻想を見せられ、期待感が先行しているだけかもしれません。そして、中国自身が、外資導入経済から、国内産業育成の為に、外資排除へ政策の舵を大きく切り始めています。
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「労働契約法」採択、労働者の権利保護目指す 2007.06.29
全国人民代表大会常務委員会は29日、「労働契約法(労動合同法)」を採択した(写真)。同法は労働者の権利保護を主眼としており、労働契約を書面で締結し、職務に伴う危険やその防護策を契約に明記することを義務付けた。
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http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0629&f=business_0629_017.shtml
http://sakura4987.exblog.jp/3427426/
そして、体力の弱い韓国台湾企業が撤退(夜逃げ)し始めています。
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資本の本質的な性質は「利益の追求」にある。かつて海外資本が中国に押し寄せたのは、中国のコスト的優位を利用して利益を得ようとしたためで、中国市場のコスト状況に変化が生じ、外資系企業の利益がむしばまれるようになっている現在、撤退は外資系企業の検討せざるを得ない選択肢なのだ
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http://japanese.china.org.cn/business/txt/2008-03/04/content_11563664.htm
となると、青木氏の本の基本論「日本を排除して米中が手を握り合う」論拠の一つが崩れることになります。米国中国それぞれの国内事情が今後も米中の利害を一致させることを阻むことになる可能性が高まりつつあります。米中経済利害一致に綻びが生じている可能性は大きい。
現に北京五輪前に燃え上がった愛国熱は、かつての中国人の攘夷運動、義和団事件、1919年5月4日に起った五四運動などと、その共通性を見出すことが出来る。となると、歴史的流れからすれば、高まりつつあるナショナリズムは中国の崩壊の前兆でもある。外国排斥や、新興宗教の布教弾圧運動がシナ没落へのシグナルだ。中国の歴史は繰り返すと思う。
CNNの報道に抗議運動も、米中の蜜月関係の終焉を助長する兆候だと思う。一昨年の反日運動と異なり、カルフールへ対する愛国的抗議を収拾することができず、中国当局は次第に大衆迎合的になり始めた。
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人民日報、「祖国愛の表現も国家の実力強化が基本」
中国の新聞「人民日報」は20日、論評を発表し、「祖国に対する愛情を表し、世界における中国反対勢力に反撃する最も基本的なものは国の実力を高めることにある」と述べた。
この論評では、「祖国を分裂させようとするダライ・ラマグループの企みや一部の西側メディアの事実を歪曲した報道、北京オリンピックを破壊しようとするチベット独立分子の行為に対して、このところ中国人民の愛国主義の感情は高まっている。
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http://news.searchina.ne.jp/special/08_cnn.html
日経新聞(4月27日)
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中国の改革阻む大衆迎合
中国で旅客機のパイロットが乗客を、“人質”に待遇改善を求めるという事件が起きた。今月初めごろ、雲南省昆明を飛び立った二十一便が、目的地の近くまで来ながら着陸しないで引き返した。航空会社は「天候が原因」と説明したが、賃金アップを求めるのが本当の狙いとみられる。
この事件はあまりに悪質なため、関係者が罰金などの処分を受けた。高成長に伴い中国人の経済的な権利意識がいかに肥大化しているかがよく分かる。
最近、中国で不満の的になっていたのが株価の下落だ。上海総台指数は昨年十月につけた最高値のほぼ半分に下がり、口座数で一億を超す投資家たちの怒りが高まっていた。こらえ切れずに政府は二十四日、株式の売買にかかる印紙税率を三分の一に下げた、上海指数はこの日、前日比で九%も上がった。大手ポータルサイト「新狼網」には印紙税の引き下げを巡って「世界で最も偉大な共産党に感謝」「バブル万歳」などの書き込みが殺到した。株価が上がって投資家は大喜びだが、「いざとなれば政布が救ってくれる」と思わせかねない危うさをはらむ。その甘えは中国経済の市揚化を阻む。
今年初めに中国の中南部を豪雪が襲った。温家宝首相は旧正月前の一月二十九日に湖南省長沙駅に飛んだ。駅は列車が止まり、足止めを食った帰省客でいっぱいだった。温首相はメガホンを手に「深くおわびする。必ずみんなを家に送り属ける一と訴え、群衆の動揺を静めようとした。
胡錦濤国家主席と温首相が率いる現政権は『親民政治』を掲げる。腐敗や富の格差が深刻になり、社会不安が高まってきたからだ。農民の所得向上や社会保障を充実させ、環境汚染を食い止めようとする。
親民路線は庶民の声を聞き、社会の矛盾をなくそうとするプラスの面がある、半面、様々な要求に流され、その場しのぎの政策に飛びつく懸念もある。共産党の独裁とポピュリズム(大衆迎合主義)か同居しているのが今の中国だ。
「成長方式を転換しなければならない。反腐敗闘争の力を強めなければならない」。現政権のせりふのように聞こえるが違う。1996年3月九六年三月に李鵬首相(当時)が語った言葉だ。
この年の十月、中国政府は約五万の工場を取り締まり、閉鎖したと発表した。汚染物質を散らした工場などが対象だ、江蘇省南部にある太湖の水質改善は重点事業に指定された。その太湖の汚染が昨年夏に再び深刻になり、温首相は「皆さんの生活に影響を与えた、中央政府を代表しておわびする」と謝罪した。
中国は十年以上も前から経済の効率を高めると言い続けてきた。だが実際は経済成長を追い求めて体質改善を後回しにし、環境汚染が日本などの周辺国まで脅かすようになった。
政権は改革を進めることができるのか。1〜3月の実質成長率は前年同期比で10.6%。米国の景気低迷などのあおりで昨年の成長率と比べて1.3ポイント落ちた。成長率は今後もっと
下がる可能性がある。そうなれば「雇用問題と経済改革の問でジレンマを抱える」(大和総研の肖敏捷シニアエコノミスト)。
世界経済の雲行きが怪しいため、日本は中国を見る際、目先の景気に注目しがちだ、だがもっと大切なのは中国が資源の利用や環境問題で周辺国と調和できる国になれるかどうかにある。中国を語るときに忘れてはならないポイントだ。
}}}
歴史は必ず繰り返す。
青木氏の説は、日本の知らないところで、経済的利害関係で、中国と米国は手を結び日本を処分するか?といったシナリオで書いているが、中国が、自国民を制御不能となれば、米国に対してもシナ人は容赦しない。米中ともに利益背反となり始めてきているように見える。
青木氏の考察は世界中で反感を買っている北京五輪聖火リレーや、カルフール不買運動、CNN批判運動前の執筆である。いつまでも、米中関係が良好である保障も無い、現に悪化しはじめている。
2002年のサッカーワールドカップ、ソウル五輪、中国で開催されたアジアカップなど、特亜諸国の民族主義下のスポーツの祭典には、問題が多い。北京五輪でも、暴走するナショナリズムによって、何かしらの失態が待ち構えていると予言します。(アカシックレコードの佐々木さんより早い、誰でも思いつく予言です。)(しまった、佐々木さんは北京オリンピックを元々開催不能と予言していました。まだ、本当に当たるかもしれませんが、ある意味で彼の予言は的中しています)http://www.akashic-record.com/(私も北京五輪についてはまともに開けないことぐらいは開催が決まった時から予想していた)
日米関係についての考察 <日米関係は盤石か?>―3へ http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7858733.html
[前のページA日米関係についての考察<日米関係は盤石か?>―2]http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7819312.html
日本と米国はまがいなりにも同盟国である。米国のペンタゴンの立場からすれば中国は仮想敵国である。ところが、リベラル派の世論と米経済界と国務省は親中国の立場である。米国内での中国に対する姿勢は一枚板ではない。
青木氏の本は、私の日米関係を考え直すきっかけとなったが、米国防省の視点に欠けている点が残念であった。なお、青木氏の本の中で、中朝国境の緊張状態について、言及しているが、これは、やがて金正日王朝滅亡後に予想される、朝鮮国内の収拾へ軍事介入の目的で白頭山の麓に、新飛行場を建設しているとの説だ。ところが、アカシック佐々木氏は、朝鮮の中国侵攻に備えての説をとる。微妙に異なるが、いずれにしても中朝国境が我々日本人の認識以上に緊迫化していることだけは間違いない。
お互いに相手国に攻め入るのであれば、防御用である鉄条網の設置は不要である。まして友好国であるならば、EUのように国境すら不要だ。現実には中朝国境には鉄条網が設置されだしている。脱北者を防ぐのなら北朝鮮側にしか設置理由は無い。
青木氏の説と佐々木氏の説でどちらも米国の意図と合意が背景にあるとしている。一般的には佐々木氏の説「朝鮮が生き残る為に米国の代理人として朝鮮が中国に侵攻する説」は「とんでも論」の部類に入るかもしれないが、私は佐々木氏説を取る。
朝鮮には、「何も無い」。麻薬や偽札作りも追い詰められている。核兵器輸出ビジネスも難しくなってきた。朝鮮に残された選択肢は、食い詰めたチンピラの行動様式を考えればよい。麻薬ビジネスの「シノギ」を無くし、強請タカリ、恐喝で食っているうちはまだしも、食い詰めた最期は自暴自棄となり「鉄砲玉」となることぐらいにしか無い。
長崎市の伊藤市長殺害事件、オウム真理教の村井幹部殺害事件などはその典型例だ。
佐々木氏の説を支持する理由の一つとして、私は「スーパーノートのCIA関与説」は
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2007/04/0704j0202-00002.htm
有り得るかもしれないと思っている。
どうせ、米国も米国内で印刷しているドル札も基本的にはただの紙切れに過ぎない(笑)
北朝鮮から米国へ支払いの代価として米ドルを受け取るならば、偽札は許されるものではないが、デリバティブ取引によって創造された天文学的信用に比べ、北朝鮮で印刷されるドル紙幣など、ドルの取引規模に比べあまりにも微量だ。北朝鮮の支払う高額のドルなど誰も信用していない。印刷しても使えることが出来なければ意味が無い。そして、その支払相手先の多くは中国と韓国である。CIAが関与して朝鮮で偽札を製作するのを幇助することで、中朝韓に楔が打てる。朝鮮とCIAが裏で繋がっている確率は高い。
シノギに苦しむ食い詰めチンピラの北朝鮮が、CIAからではなく米国務省から鉄砲玉の話を持ちかけられても不思議ではない。米朝の二国間交渉の裏に潜む可能性は、対日問題より対中国問題で、朝鮮側が受諾した可能性を支持する。当然米国は中国に対しては国務省ルートで、金王朝崩壊後の混乱を中国にその役割を依頼する、二枚舌の政策を取っているであろう。
米国の国家戦略は1947年ポールニッツ博士とCIAによって策定された「ソビエト封じ込め政策」その後NSC68と呼ばれる基本政策が経済・軍事・文化政策を決める基本となった。
冷戦が終わりNSC68に代わるNSS2002という新基本戦略をブッシュ政権下で策定した。毎年改定されて、NSS2007はネットで確認できなかったので、日高義樹氏2007年6月出版の「アメリカの新国家戦略が日本を襲う」よりNSS2006を確認すると、二つの柱からなる。第一に全力を挙げテロリストと戦うこと。第二に民主主義的な資本主義体制を世界中に押し広めることである。
http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=273&range=1
上記URLでは意図的に抜粋していなかった可能性があるが、アメリカ議会は「中国は味方ではない」との結論を下している。
【2006年議会特別委員会報告書】
@中国はWTOの規則を守ろうとしない。知的所有権を尊重していないA腐敗し不当な金融制度によって経済を拡大している・銀行の不正融資を国営企業に行い全く不明瞭な形でうやむやにし国営企業は世界的ビジネスを行い銀行のツケは海外の投資家へまわしているB人民元を不当に安く維持しアメリカに損害を与えている。大量に買いこんだ米国債の保管管理口座を明らかにしていない。C企業や政府機関は兵器、兵器部品、技術を中東(イラン)東アジア(北朝鮮)に輸出し中東東アジアの安全を損なっている。D北朝鮮へ食料燃料を輸出し北朝鮮の核兵器開発を止めるよう圧力をかけていない。E中国の石油天然ガス獲得戦略は米エネルギー戦略に悪い影響を与えている。F中国の軍事力拡大の意図が不明で、公表されている軍事費の数倍に達する。
アメリカ政府部内、国務省や、米財界人の多くが期待を棄てていないことも事実だが、アメリカ議会は「アメリカの脅威であると」明言していないが、中国に対する民主主義国家へ脱皮する楽観論は無くなったとしている。
その証拠に、2008年度米国海軍の予算は対中国仮想戦争想定シフトとなっている。
増長する中国海軍の挑発行為に対する返答でもある。@航空母艦を10隻体制に減らさず、11隻体制を維持する。(USS Gerald R. Ford, CVN-78)
[[attached(1,center)]]
ALCS(Littoral Combat Ship:沿岸戦闘艦)の導入http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/lcs.htm
この戦闘艦の想定戦闘水域はどう考えても東シナ海から黄海にかけての中国沿岸地方を想定したとしか思えない。対ロシア海軍ではない。
[[attached(2,center)]]
[[attached(3,center)]]
Bヴァージニア級原子力潜水艦年2隻建造の維持(毎年予算を削られる対象となっていた)
[[attached(4,center)]]
C沿岸地域での活動能力や対地攻撃能力を重視した艦ズムフォルト級の建造
[[attached(5,center)]]
対中国海軍の予算シフトが組まれている。米国は対中国の戦争は地上兵力を想定していない。拡散した核兵器を抑止するために使用を前提とした小型核兵器の開発生産、無人機などの兵士のロボット化にも予算を回している。
[[attached(6,center)]]
[[attached(7,center)]]
NSS2006では、極東地域の記述がNSC68より大幅に減り極東地域への感心が薄れている
ようにも思えるのだが、新戦略:トランスフォーメーション戦略を推し進めると、基本的部隊を米本土に置き、必要に応じて海外の基地を使用する戦略となる。けして米国の軍事力の減退を意味するものでもない。
日本でも、米軍のトランスフォーメーション戦略にあわせ、防衛大綱の見直しに着手するニュースが流れた。私のブログでも取り上げているが、内容は対中国軍事増強に対応するもので、米軍の戦略に沿うものと推測します。
【中国の台頭に対応、政府が「防衛大綱」抜本改定へ】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/6957842.html
気がつくと日米関係から軍事オタク趣味爆発の記事となってしまいました。反省。Cでは米国の世界戦略について 無責任に考察します
C日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―1へ
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7903883.html
[前のページB日米関係についての考察<日米関係は盤石か?>―3]http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7858733.html
C日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―1
[[attached(1,center)]]
【米国世界戦略の核心 世界はアメリカンパワーを制御できるか】
http://www.gogatsu-shobo.jp/taming_notes/taming_notes_index.html
五月書房 刊 / スティーヴン・ M・ウォルト 著 / 奥山真司 訳
Bにおいてネオコンの意見に近い、ハドソン研究所の主席研究員の日高義樹氏の見るブッシュ大統領の新世界戦略でしたが、米国の外交問題評議会委員、ハーバード大学国際関係論スティーヴン・ M・ウォルト教授の米国の今後の方向性、特にブッシュ大統領後の世界を読み解く上で、この本は読み応えありました。アメリカ人が自国のことをどう分析しているか、今後米国および日本はどうすべきなのか、私好みの現実主義者の視点で分析しております。是非お勧めの一冊です。
本書において、驚いたことに、「アメリカ以外の国はなぜその優位を気に入らないか」と、米国人は最近のサブプライムローン問題に端を発する金融危機や、米ドルの基軸通貨の地位陥落の可能性、軍事力での中国の台頭、通貨でのユーロの台頭など、まるで心配ないかのように、圧倒的優位にある米国のスーパーパワーをどう自分で制御するか苦慮するアメリカが描かれている。「ローマ帝国以来の強国」として揺るがぬ米国優位論を展開しており、ある意味意外でした。しかも、この認識は米国人と他の国の人とは大きな溝もあることも承知しいて米国世界戦略論が展開しています。
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冷戦の終結によって、アメリカは前代未聞の異常とも言えるポジションを得ることになった。これは「いくら多くの他国が嫉妬しても、アメリカには対抗できない」ということを示している。
アメリカはこの状態で安堵する代わりに、支配的なポジションをさらに確固たるものとして、世界中をアメリカの利益になる形に変更しようとしている。アメリカはこの努力を始める時点でもすでにかなり有利な立場にあったので、ジョージ・ブッシュ・シニア大統領とクリントン大統領は、既存の枠組みの中で多極的なアプローチを行い、比較的におとなしく行動していた。
ところがジョージ・ブッシュJr大統領が政権を取ったあと、特に9.11テロ事件以降からは、そのアプローチは大きく変化した。ブッシュはその優位な立場に乗じて潜在的な脅威を取り除こうとしており、アメリカのポジションをさらに上昇させ、アメリカの理想と民主制度を普及させるために、勝手気ままに振る舞い始めたのだ。
ほとんどの国は優位な地位を手に入れればさらに多くのことが可能になるため、もしアメリカがその地位を交換してくれるのだったら、喜んで交換してもらうに違いない。しかし優位というものには危険がつきものであることも忘れてはならない。アメリカの目標がいかに崇高なものであったとしても、世界の国々の視点から見れば、アメリカのポジションや行動は他国を警戒させ、背立たせ、時には怒らせるものなのだ。
これまでも複数の大国が存在した時代(1900年から1945年まで)や、二大超大国の時代(1945年から1989年まで)はあったが、単独で世界最強の力を持った国であるという意味合いから考えると、アメリカが世界中からの大きな疑念や不満などに直面することは避けられない。主権国家がひしめく世の中では、アメリカがどうパワーを使おうとしているのかを諸外国が完全に確信できない限り、アメリカは彼らにとって常に「潜在的に脅威をおよぼす存在」なのだ。このような傾向はアメリカがうまく行動すれば抑えることもできるのだが、アメリカにとっては賢明な行動だと思うことでも、世界中の国々が常にそのように考えてくれるわけではないのだ。つまり簡潔に言えば、ここで問題なのはアメリカの優位に対する世界の国々が感じる「感覚」と「反応」なのだ。アメリカはもしかしたら本当に「世界の善なる力」なのかもしれないが、アメリカ以外の国々は必ずしもそのような見方をしてはいないのである。
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独善とは、アメリカの為に存在する言葉かもしれない。
アメリカ人は自国が自らの血を流し、他国で正義の実行(良い役割)をしていると考えているのに対し、他国の人はそうは思わない。米国人はこれを単なる嫉妬か、単なる憎悪ではないかと考えている。ブッシュJrは「米国は世界中で自由とチャンスに向かう最も明るい光である為に攻撃目標とされてしまう」と発言し、イスラムの憎悪は、「自由、文明、キリスト教、自由世界」へ向かったのではなく、「米国とその同盟国であるイスラエルへ対する攻撃」であることに気づいていない。当に真性KYである。
米国は孤立状態を軽視している。ブッシュJrは海外の反米主義者はどうせ何も出来ない、米国一国となっても、理想や国益と一致する世界を形成し、敵を一国でも引き受けることが出来る力を持っていると信じて疑わない。世界中から嫌われてもしかたがない。
米国の優位を維持する為の3つの戦略
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アメリカの経済・軍事・イデオロギー面でのパワーは、世界中に与える影響力の源泉であり、安全保障という面でも最終的な担保となる。アメリカの対外支援策が重んじられるのはまさにこの点なのであり、敵がアメリカを恐れる理由もここにある。確かにアメリカが白国の支配力をさらに大きくしようとするのは(すでにどの国よりも何歩もリードしている状態なため)あまり意味のないことかもしれないが、他国に遣いつかれることをあっさり許してしまえば、現在の優位がもたらしてくれる利点まで放棄してしまうことになるのだ。この理由だけをとってみても、アメリカの大戦略(グランド・ストラテジー)が「現在の地位をできるだけ長く維持すること」にあることはハッキリしてくる。
したがって、ここからいくつかの教訓を引き出すことができる。第一に、アメリカのリーダーは、パワーを必要以上に浪費一不必要な戦争を行うなど)したり、長期的に活力を失うような間違った経済政策を行ってはならない、ということである。もう一つは、新しい能力を獲得し、これまでとは違う国と協力関係を結ぶことで、他国にパワーを獲得させるきっかけとなる余計な刺激を与えないように気をつけなければいけない、ということだ。また、ある地域で安全保障問題が発生した場合に備えて、他国が常にアメリカの協力を仰ぐことができるような状態にしておかなければならない.つまり、アメリカは対抗策である「バランシング」を他国に思いとどまらせ、一緒に手を組みながら「地域バランシング」を行うよう仕向けていくべきなのだ。
一つの選択として考えられるのは、世界覇椿(グローパル・ヘジェモニー)という戦略だ。これはアメリカが世界をほぼ単独で支配する戦略のことで、アメリカが世界の政策を決定し、そのパワーを使い、アメリカの思い通りに世界が動いているかを確認しながら行う戦略である。その結果として、世界におけるアメリカの地位は急降下しており、かつては多くの同盟国から積極的な支援を得ていたアメリカの力も落ちてきたのだ。同蝦国の多くはアメリカの対外政策からわざと距離を置くようになり、アメリカのパワーを制御する方法を模索し始めている。また、イランや北朝鮮のような、いわゆる「ならず者国家」でさえアメリカの圧力に対してますます強く反発するようになり、その一方でアメリカの軍事行動を抑止できる手段を獲得しようと動き始めている。
二つ目の戦略は、選択的関与(セレクティヴ・エンゲージメント)である。この選択的関与という戦略は、ヨーロッパ、アジア、中東のペルシャ湾岸地域で安全保障競争の激化を抑えるため、二国間や多国間で組織される同盟を通じ、アメリカが大規模な軍事力を展開させていくことを]指している。また、この戦略は大量破壊兵器の拡散は厳重に管理される必要があることを強調するが、予防戦争の実行や民主制度の拡大など、アメリカの価値観の押しつけでリスクが生じる「十字軍」の呼びかけは行っていない。
この選択的関与という戦略は、ブッシュシニア、クリントン両大統領の政権時に行った戦略とかなり似通っており、アメリカの優位が必ずしも世界中に反発を広げることにはならないことは、彼らの行動によって実証されている。
当時のアメリカのパワーはヨーロッパ、アジア、中東などの地域に関与していたが、実際は主に防御的な目的で使われていた。アメリカの軍事力の行使は極力抑えられ、使われたとしても多国間で運用されている国際制度を通じて使われていた。
三つ目の(そして最後の)戦略はオフショア・バランシングであり、これはアメリカが伝統的に使い続けてきた戦略である。この戦略でアメリカが自国のパワーを海外に展開するのは、国家の存続に関わる国益に直接的な脅威が迫った場合にのみ限定される。
オフショア.バランシングで想定されているのは、世界中にはアメリカにとって戦略的に重要な(死を懸けてでも戦って守らなければならないような)地域はほんのわずかしかない、ということである。「しかも、オフショア・バランシングではアメリカがこの地域を直接コントロールする必要はなく、その代わりにライバル大国である、いわゆる「競争相手」にこの地域を渡さないようにしておくだけで十分だ、と考えられている。
この戦略では、地域の国々が自分たちでバランス・オブ・パワーを支えきれなくなった場合にだけアメリカが介入する、ということになる。
ここで重要なのは、オフショア・バランシングは「孤立主義」の戦略ではない、ということだ。オフショア・バランシングでは、NAT0・国連・世界貿易機関(WTO)のような多国間制度や特定地域にある同盟国との緊密な関係を通じ、アメリカは世界中に積極的に関与していくことができる。しかし、この戦略では「安定を維持する」ためだけの目的で、大がかりなアメリカの部隊を海外に展開することはなく、他国に民主制度を押しつけることもない。また、アメリカ本土から遥かに遠い地域の、しかもアメリカが全く歓迎されないような場所に介入する可能性も低くなるのである。
したがって、オフショア・バランシングはアメリカ優位の時代において理想的な大戦略となる。なぜならアメリカの優位に必要とされるパワーを節約し、同時にアメリカのパワーが引き起こす恐怖を最小レベルに抑えることができるからだ。重要なのは、この戦略がアメリカの地政学的なポジションを有利に使い、各地域の国々がアメリカよりも互いのことを心配し合うという性質を利用していることである。
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D日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―2へ続く
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7904965.html
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D日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―2
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アメリカは近代史上、世界最強で最も影響力のある大国である。しかし、同時にアメリカはまだまだ未熟な大国でもある。たとえばそのレトリックは実際の行動とはかけ離れていることが多く、往々にして対外政策を「国内政治の一部分」として扱っている。伝統的に植民地を対外政策専門に行う常設の公共機関で管理していたイギリスとは違い、アメリカはホワイトハウスに別の党が入ってくると、そのたびごとに新しく組織を入れ替えなければならないのだ。
自分たちには「世界」を管理する運命と義務があると信じていながら、その肝心の「世界」について・アメリカは驚くほど無知なままである。対外間題がアメリカ国内で注目を集めるのは、常にアメリカの政策が大きな失敗に終わったあとだけなのだ。
もしアメリカが他国にも認められるような特権的な地位を得たいのであれば、国家として対外政策の運営にもっと真剣に自制心をもって臨まなければならない。これまでアメリカは「核の抑止力」と「海」という外堀や、圧倒的な「経済力」と「軍事力」のおかげで、表面的には危険から免れることができていた。
ところが近年は対外政策が党派間の争いにゆがめられ、外国のロビーイストや国内の利益団体にハイジャックされており、理想主義的で非現実的なレトリックにその実態が覆い隠されたり、無責任な外国嫌いの議員たちの都合のよい道具にされてきたのだ。
2001年9月11日の大ショックのあとでも、アメリカの情報機関の改革や、野放しになっている核関連物質の封じ込め、そして本土の安全保障の改善など、政府はやるべきことを全て完全に実施できているとは言い難い。アメリカがアルカイダのような新しい敵に直面しているにもかかわらず、ブッシュ政権は9.11とは何も関係のない国家にまで予防戦争をしかけてしまったのだが、彼らは「オサマ・ビンラディンや彼の追従者と戦うための一番良い方法はこれなのだ!」と主張して議会と国民を説得してしまったのだ。果たして成熟した大国はこのような行動をとるものだろうか?
悲しきかな、問題の根はそれよりもまだまだ深いところにある。世界で唯一の超大国という自負にもかかわらず、アメリカは情報機関を衰弱させ、外交関連の予算まで縮小してしまった。社会の優秀な人材を政府機関に集めるための努力もほとんど行わず、外国語や異文化の研究を軽視一蹴し、対外政策の成果を気にもとめないような行動をしてきたのだ。
これまではこのような政策でも何とかやってこられたのかもしれないが(もちろん、その成果は全く誇れるようなものではないが)、現在の世界の状況の中ではもう通用しないだろう。
したがつて、本当に求められているのは、アメリカの基本的な原則や社会制度に対する自信の復活である。また、アメリカのパワーができることとできないことを正しく理解するための、さらなる判断力も求められている。アメリカ社会の核にある「自由」と「機会(の平等)」という価値観は、アメリカの経済的繁栄をつくり上げるのに必要なエネルギーを開放するための大きな役割を果たしてきた。同様に、この経済的繁栄はアメリカの軍事力の源泉となり、国際的な影響力を発揮するための基盤となっている。
しかし、敵を倒す能力や世界経済に与える影響力は、こういう原則を他国に押しつける「権利」や「能力」を、アメリカに白動的に与えているわけではない。また、地球上の全人口のわずか五パーセントにしか満たないこの国家に、世界の広大な地域を統治する義務・力・権利が与えられているわけでもないのだ。世界に向かって「何をしろ」とか「こういう風に考えろ」と指図する(これはネオコン派の帝国主義者やリベラル派の国際主義者の双方にとってはたまらない誘惑なのだが)のではなく、アメリカは己の行為を手本として見せることによって、世界をリードしていくべきなのだ。アメリカ国民がアメリカの原則を心から信じていれば、世界中の人々の心を惹きつけることは簡単なはずである。なぜなら、世界の人々がアメリカ人の生活様式や生き方などをもっと知るようになれば、自然とアメリカのものを求めるようになるからだ。
近年の多くの間違った決断にもかかわらず、アメリカはいまだに莫大な物資力と世界的な影響力を持っている。しかしここで問題なのは、アメリカの将来の政策の選択が、他国を惹きつけることになるのか、それとも口には出さないが不満が渦巻く状態に追い込むのか、それともあからさまな反抗を巻き起こしていくのか、という点である。アメリカはパワーと富とを使い、他国を思い通りに動かすことができるかもしれないが、この戦略は長期的に見ると失敗する可能性が高い。なぜなら国際政治ではほとんどの場合、最も重要なのはパワーではなく、説得力だからである。
ここで一つの教訓がある。アメリカがまず優先しなければならないのは、現在の優位をできるだけ長く保つ、ということだ。このためには、アメリカは世界の国々に向かって「アメリカの優位が他の選択肢よりも遥かに好ましいものだ」ということを納得させなければならない。この目標を達成するためには、アメリカの対外政策に欠如しがちな(もちろん、これはアメリカにとってこれまで必要がなかったから欠如していた部分なのだが)ある一定のレベルの判断力と自己抑制が必要とされる。したがって、今日からアメリカは生まれ変わらなければならない。なぜなら、アメリカは今まで地理・歴史・度重なる幸運などで驚くべき有利な条件に恵まれてきたが、それらの全てを一瞬で浪費してしまうことも可能だからだ。また、友好国と結んでいる現在のパートナーシップの消滅を早め、アメリカの封じ込めを狙った新しい国際的な枠組みの登場まで許してしまえば、最終的にそのツケを支払うことになるのは他でもない、当のアメリカ白身なのである。
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今年11月にはマケイン大統領が誕生すると日高義樹氏は予想しております。(オバマ氏の可能性もあるかもしれませんが、いずれにしてもヒラリークリントン氏が顔をひきつりながら負け惜しみを言う姿を早く見たい。)共和党の候補が勝とうが、民主党が政権を奪取しようが、次の米国大統領には、米国優位の戦略を維持する為に、ブッシュJr大統領が行ってきた「善意の行動結果」に関しての清算を求められると思います。
しかしながら、ブッシュJr大統領の統治下の世界経済、特に米国、そしてEUおよび新興国に関しては人類が経験したことが無いほどの繁栄を享受しました。この事実は、私がブッシュJrの治世は良かったと評価するのではありません、反米反ブッシュ思想の方は納得できないだろうが、後生の歴史家は、ブッシュJrの治世を高く評価するのではないかと思います。(例えば、織田信長統治下の日本において、織田信長は恐怖の魔王で、多くの同時代の人からは憎悪の対象であったと思います。今日我々は、彼を日本の歴史において稀有な英雄であると考えています。)
本書を読むと、次期政権がどう行動するかが薄ら見えてきます。ブッシュJr大統領の負の遺産、環境問題、格差問題、イラク戦争、そして失墜した信頼を回復する努力をする為に、いかに米国は説得力を持つかにかかっています。その為にはインテリジェンス能力を回復する努力(CIAの能力回復)中東、東アジアで繰り返した外交的誤りを是正する努力が行われるものと思います。
日本は如何に米国と向かい合うべきか示唆に富んでいます。Cにおいて紹介している「米国の優位を維持する為の3つの戦略」の第三番目の戦略「オフショア.バランシング」が実行されることを前提として、日米関係を築くよう日米政府に期待したい。「オフショア・バランシング」ではアメリカが東アジアを直接コントロールするのではなく、その代わりに将来「米国の安全保障」を脅かすであろう中国に、極東〜西太平洋地域の覇権を渡さないよう日本が果たす役割が米国にとって重要となる。
しかしながら、サブプライムローンに端を発した金融危機、ドル安原油高は、着実に米国の優位を脅かし始め、一時期よりは大きく改善されたが、イラクでの膠着状況は、米国の体力を奪いつつある。新政権はイラク撤退と同時に韓国、場合によっては日本からの大規模な撤退も選択する可能性も有るかもしれません。
昨年F22ラプターが嘉手納基地に飛来し、駐留するのではなく米国へ帰還していったことからも推察できるように、米軍は、軍全体の柔軟性と迅速性を実現させるため軍備の軽量化を行い、海外基地の縮小することにより、米国が負担する余分なコストをを削減する「トランスフォーメーション」戦略を推し進めている。この「トランスフォーメーション」戦略と「オフショア.バランシング」戦略はまさに整合性のある戦略である。
F22ラプター第五世代戦闘機
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1機400億円もするF22ラプターを世界中に配備しまくることは米軍といえども難しい。しかしながら、F22ラプターの圧倒的に優位な戦闘能力の前には、中国の最新鋭戦闘機J−10が束になって挑んでも姿を見る前にすべて叩き落されます。(下記URL参照)
【もし世界最強F22が日本に配備されたら】
http://www.chosunonline.com/article/20070217000030
J−10中国第四世代戦闘機
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ちなみにJ−10のベースとなったが、米国の圧力で開発断念したイスラエル「ラヴィ」戦闘機
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J−14?開発中の中国第五世代戦闘機
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ATD−X「心神」F22、F35に次いでもっとも開発が進んでいる日本の第五世代戦闘機のベースとなる機体
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20年度予算に掲載されたイラスト
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E日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―3へ
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7978245.html
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[シリーズ@日米関係についての考察<日米関係は盤石か?>1] http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7817462.html
E日米関係についての考察 <米国の世界戦略>―3
米国軍の「トランスフォーメーション」は、イラク戦争において、ラムズフェルド前国防長官が、現場の制服組の将軍達の反対に耳を貸さず、最少の人員でバクダッドを攻略したことで、その戦略に関しては自信を深めたと思われます。ただし、侵攻・攻撃と異なり、占領・治安維持には非力であることが露呈してしまい、次期政権の最初の課題と思います。
軍事におけるIT情報革命である「軍事改革」RAM(Revolution in Military Affairs)
[ http://www.mod.go.jp/j/library/archives/rma/rma.pdf ]化された米軍はその実力を遺憾無く発揮した。RAM化した米軍の前には、イラクの精鋭部隊と恐れられた革命防衛隊非RAMの軍隊は鎧袖一触されてしまいました。
「トランスフォーメーション」は半撤退戦略である、実際海外基地を縮小することによるコスト減はそのまま、その空白を埋める同盟国への負担の負荷が増す結果となる。
日本は米軍の駐留経費の7割を負担していることに加え、地政学的に対中国ロシアの観点から完全撤退は「ありえない」、極力駐留部隊の撤退はありえるが、沖縄から米軍基地が無くなるのは、中共崩壊後中国地域の安定化後であるので、100年後かもしれない。
日本が経費負担する「思いやり予算」はヤクザが取る「ショバ代」「みかじめ料」(三日以内に払わないと絞める料)と何等変わりがないと思っておりましたが、「トランスフォーメーション」戦略においては、「セコム」しているようなものかもしれません。別の視点からすれば、江戸における「大名屋敷」かもしれません。米軍家族は「人質」もしくは「人間の盾」として有効な存在であるまいか?米軍に核の傘の提供を拒む理由を無くす保険と考えれば「やむを得ない」と考えるようにします。
北朝鮮地域を中共の管轄化とするのか、中共そのものを崩壊させるのかはまだ暫く様子を見ていきたいが、日本が大枚叩いて導入したイージスシステムTMDは、対中国を想定した「トランスフォーメーション」戦略の米軍の兵器システムの一貫であることに間違いは無いと思う。
「オフショア.バランシング」戦略では、中国の台頭を日本・韓国・インドなど地域の国々に処理させ、それが出来なくなった場合にようやく米軍が助けに行く戦略が見えてくる。
日本の場合は、東シナ公海上のガス田、尖閣諸島で中国と衝突した場合、フォークランド紛争の英国軍のごとくまず単独での戦闘の決意を持たなくてはならない覚悟が必要だ。
問題なのは、台湾危機だ。オリンピック後より中国国内に危機が発生した場合、中共は何等かの因縁をつけ、台湾へ対し武力介入を企てる可能性を想定しなくてはならない。中国は国内問題として、一つの中国が建前として認めている日米は基本的に手出しができない。
96年の台湾海峡危機の際にはいち早く米空母艦隊による示威行為により、事なきを得たが、
「オフショア.バランシング」戦略が進めば、台湾海峡危機の後に「日米防衛協力のための指針」(所謂:周辺事態法)[ http://www.mod.go.jp/j/library/treaty/sisin/sisin.html ]が97年に制定されたが、法文を読む限り日本に対する武力攻撃に際しての共同対処行動とはなっているが、「日本に対する武力攻撃に即応して主体的に行動し、極力早期にこれを排除する。」と日本への直積攻撃の場合は、主体的な役割を担わなくてはならないと規定されています。米軍の「オフショア.バランシング」戦略から考察すると、次の台湾危機では日本が前面に出て中国と戦闘する可能性がでてきます。
日本も米国同様現在「インテリジェンス」能力を強化に努めています。
【日本のインテリジェンス】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/2646490.html
米国においては、ロビー活動を積極的に行う国の国益に合致した戦略がとられてしまいます。代表的なのは「イスラエル」これには異存がないかと思われますが、「アルメニア」といった小国が異常なまでに執念をあげ「トルコによるアルメニア人虐殺」の非難決議をありもしない「従軍慰安婦問題」非難決議同様決議されました。そういった、米国の弱点を突くかのように「インド」「中国」も力を入れだしてきています。
好むと好まざるにおいて、日本は「インテリジェンス」能力を高め、米国のロビー活動を積極的に取り組むべき時期に来ていると思います。
米国にとって、極東地域の「オフショア.バランシング」戦略もあるが、バブル崩壊後「マネー敗戦」をした日本に対しての関心が「かつて無いほどに薄らいでいる」のも事実だ。
また、日本という植民地経営を担当しているCIAもかつての力を失い、その出先機関である自民党も「崩壊寸前」でもある。
スタグフレーションの影響も出始め、閉塞感漂う日本ですが、私には、米国の国家戦略の変化とともに、日米関係の新たな関係、しいては日本の「Change!」の予兆が感じられます。
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7978245.html