★阿修羅♪ > 国家破産56 > 363.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
米0・25%追加利下げ 今後の緩和には慎重姿勢(中日新聞)
2008年5月1日 夕刊
【ワシントン=古川雅和】米連邦準備制度理事会(FRB)は30日、連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利を0・25%引き下げ年2・0%にすることを賛成多数で決め、即日実施した。サブプライム住宅ローン問題による金融不安の払しょくや、景気後退を防ぐため、金利の一段の引き下げを決めた。
しかしFRBは声明で、原油や食料価格の高騰でインフレ懸念が高まっているため、「これまでの十分な金融緩和は、時間がたてば穏やかな成長を促進する」とし、一段の利下げには慎重な姿勢を見せた。ただ今後、経済成長と物価安定のために「必要な行動をとる」とも明記した。
FF金利が2・0%になるのは2004年12月以来で、物価上昇率を差し引いた実質金利はマイナス圏に入った。サブプライム住宅ローン問題をきっかけにした昨年9月からのFF金利の引き下げ幅は計3・25%になった。民間金融機関への貸出金利に当たる公定歩合も0・25%引き下げ2・25%にした。
決定は投票した委員10人のうち8人が賛成、2人が現状維持を主張して反対した。
声明は「経済活動は依然として弱い」と指摘。追加利下げは、家計や企業の消費の活性化を促し、金融市場の信用不安を払しょくするために行うとした。
◆インフレ警戒に重点シフトも
米連邦準備制度理事会(FRB)は30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気後退の回避を重視し、追加利下げを決めた。だが、金融緩和政策はドル安や原油高騰を招き米国経済を圧迫。インフレ懸念は高まっており、利下げは経済をさらに悪化させる恐れもある。FRBは声明で一段の利下げに慎重な姿勢を見せたが、実際には金利を下げにくい状況に追い込まれたといえる。
米国経済を取り巻く状況は、厳しくなっている。低金利政策で生じた余剰資金が原油や穀物市場に流入し、商品価格の高騰の一因になっているためだ。
ガソリンは全国平均で1ガロン(約3・78リットル)=3・6ドル程度まで急上昇。米農務省によると、3月の卵の価格は前年より約30%も高く、牛乳も前年より約13%も上昇した。穀物価格の上昇で、鶏や牛のえさ代が高くなったことが主因だ。1−3月期の実質経済成長率(GDP)は前期と同じ0・6%増だったが、個人消費は前期の2・3%増から1・0%増に急減速している。
次回のFOMC(6月24、25日)まで商品価格の上昇が収まらなければ、FRBはインフレ警戒に重点を置かざるを得なくなりそうだ。(ワシントン・古川雅和)
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2008050102008092.html