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93年のウルグアイ・ラウンド(UR)合意で決まった最低輸入義務(ミニマム・アクセス)による22日の輸入米の入札で、落札がなかったことが分かった。政府は95年度以降、海外から調達するために毎年10回程度入札を実施しているが、落札ゼロは今回が初めて。コメ国際価格の急騰が響いたとみられる。
輸入義務達成のために調達価格を上げれば、国際相場を引き上げる要因を作ったと批判されかねない。政府は食料高騰問題を7月の北海道洞爺湖サミットの議題とする方針で、板挟みになっている。
22日の入札予定数量は約6万2千トン。うち約4万1千トンは商社の入札価格が政府の予定価格を上回り、折り合わなかった。残り2万1千トンは応札する社がないか、1社しか応札せず、入札が成立しなかった。コメ高騰で採算がとれないと判断して応札を見送った商社も多かったという。
農林水産省によると、指標となるタイ米の国際価格は07年の平均が1トン322ドルだったが、今年に入って急騰し、2月(基準日)は441ドル、4月は776ドル(同)と、昨年の倍以上になっている。
コメ輸出国であるベトナムやインドが、それぞれ台風やインフレ抑制目的などで輸出規制を始めたことが響いている。フィリピンなどではコメ不足が深刻になっている。
購入の予定価格を大幅に引き上げれば、コメを集めることは可能だが、農水省幹部は「高騰しているコメ相場に油を注ぎ、国際的に批判される」と懸念する。一方でコメの購入をやめれば、UR合意に違反する。農水省内には、非常事態を理由に購入凍結を世界貿易機関(WTO)に申し入れようとの意見もある。
ただ、WTOのドーハ・ラウンドも、5月にも予定される閣僚会合に向け協議が続いている。「ラウンドを壊すおそれのあるものを持ち込まないほうがいい」との声もある。