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消費大国 vs. 貯蓄大国
2006年 12月 04日
昨日、Global Econ(世界経済)の授業で集中砲火を浴びた。
IS-LM分析に関する部分で、教授が日本の低金利を例に挙げて説明した。
なお、IS-LMとは・・・書くのが面倒なので、ご存知ない方は コチラ をご覧ください。
たまにはアカデミックな事を書いてみると・・・
90年代から現在に至る超低金利は以下のように説明できる。
@景気後退、消費者心理悪化
A消費支出・投資の減少→IS曲線の下方シフト(IS-1→IS-2)→金利低下
B上記A及び安全資産への投資増加(=貨幣需要減少)→LM曲線の下方シフト(LM-1→LM-2)→金利低下
C(それでもなお)消費支出・投資減少→IS曲線の下方シフト(IS-2→IS-3)→金利低下
D日銀による量的緩和(マネーサプライ増加)→LM曲線の下方シフト(LM-2→LM-3)→金利低下
もちろん、この過程で政府は減税や政府支出(公共事業)を増やすなど、IS曲線を右上へ押し上げる努力をしたものの、殆ど効果なし。
なお、Bに関して、教授は「人々が株を売って債券(国債)を買う「質への逃避」が起きた」と説明していたけど、企業に関してはともかく、個人に関しては間違いで、日本はアメリカに比べて個人による株への投資が元々少ないので、個人ベースでは資金の移動は起きておらず、単に消費を控えただけだと思う。
まあ、議論の大きな流れに影響を与えることじゃないから、敢えて指摘はしなかったけど。
・・・で、これで終わってくれれば良かったんだけど、生徒がチョロチョロと細かい質問をしたことから、教授が「日本のスペシャリストはここにいるか?」と言い出した。
みんなが一斉に僕の方を向いてニヤニヤしている。
いや、確かに日本人だけど、経済のスペシャリストじゃないんだよ。
シカトしようかとも思ったけど、雰囲気的に逃がしてくれそうになかったので、仕方なくいくつかの質問に答えさせられる羽目になった。
@日本人は何でそんなに貯蓄するのか?
→将来に対してコンサバだから、政府を信用していないから・・・
A何で金利を生まない金融商品に大半の資産を置いておくのか?
→@に同じ、バブル崩壊を経験してるから、土地神話が崩れたから・・・
B何で企業の資金調達がエクイティじゃなくローン中心なのか?
→銀行が面倒みてる(みてた)から、個人投資家の層が薄いから・・・
C日銀は何をやっていたのか?(バブル崩壊前も含めて)
→こっちが聞きたいよ。知らん。
要約するとこんな感じだけど、僕の英語力では完全に説明することが出来ず、テキトーにごまかした部分も結構あった。(←英語は未だにヘタクソ。。。)
結局、1時間くらい日本の話題で盛り上がっていたんだけど、最後は教授も調子に乗ってきやがって、「消費回復に万策尽きた日本政府は、消費者に商品券を配った。日本人はこの商品券をどうしたと思う?商品券で買った商品を売って得た現金を貯金したんだよ。これじゃあIS曲線もシフトしないよなぁ、ガハハ」、だって。
みんな「あーあ」という感じで、「日本はどうしようもないな」みたいな印象を持ったみたい。
うーん、反論しようかと思ったけど、当時僕は商品券をもらう権利が無かったから、当時のことを良く覚えていない。。。
実際、教授が言うような人も中にはいただろうし、商品券を使った分だけ現金支出が減った、みたいな記事を読んだような気もするし。
いずれにしても、アメリカ人から見れば、日本人の貯蓄志向が異常に見えるのは間違いないし、僕自身も異常だと思っている。
でも、何か言いたかったから、「日本は輸出ばかりして国内で消費しない」と教授が言っていたことに対して一言。
「(僕の前に座っている)彼女たちが紙コップを(無駄に)二重にして使っているように、日本はアメリカのこうした大量消費(Heavy Consumption ←嫌味のつもり)に頼っている。だから、日本の消費が回復すれば、アメリカ人はここまで消費しなくても済む(not need to)かもね。」と言ってみた。
すると、苦笑いとともに、ビミョーな雰囲気が・・・
やっちゃったかな?
まあ、いいだろう。