★阿修羅♪ > 国家破産55 > 961.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aRv2gnxzRCPo&refer=jp_news_index
【エルピーダ:パソコン用メモリー20%値上げへ−市況底打ちと判断(4)】---(ブルームバーグ)
3月31日(ブルームバーグ):パソコン(PC)向けメモリーメーカー国内最大手、エルピーダメモリの坂本幸雄最高経営責任者(CEO)は、パソコンメーカー向けDRAMの相対取引交渉で4月から20%値上げを求める方針を明らかにした。
1年以上続いたメモリー不況でメーカーは赤字に苦しんでいるが、需要回復で市況は大底を打ったと判断した。実現すれば他メーカーに影響する可能性もある。
坂本氏が28日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。同氏は「この1週間ほど需要が良くなっているとはっきり感じ始めた」と指摘。
3月上旬以降、ノンブランドPC用DRAMのスポット価格は容量512メガビット品1個当たり83−85セントと横ばいで推移しており、「この1カ月ほど安値でぴたっと張り付き底打ちしている。これ以上下がることはない」とみて、相対交渉で4月は前半と後半で10%ずつの値上げを要請する方針を示した。
今回のDRAM不況は、米マイクロソフトの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズビスタ」向け需要を見込んだ供給過剰が背景。
スポット価格は昨年12月に過去最低を記録し、韓国ハイニックスや独キマンダ、米マイクロン・テクノロジー、台湾勢など、サムスン電子を除く主要メーカーは07年度に大幅な赤字に陥り、エルピーダも営業赤字に転落する見込み。アナリストの間には価格低迷が長引くとの見方もある。
ソウルに拠点を置くCJアセット・マネジメントの運用担当者、ペク・センホン氏は「実際に値上げできるかどうかは不明」としながらも、「値上げ要請の動きは、急激な生産能力拡大がいつまでも続かないことを示す出来事と言える」と述べた。
米フェデレイテッド・アドバイザリーで日本株を運用する光井祐宏氏は、台湾の関連企業の生産調整が一巡、5月以降に発売予定の米インテルの新製品向け需要もあり「市場は回復期に入る」と分析。「とんでもなく採算割れの価格で放置されていたので、いわば正常化に向かうということ」としている。
追随の動きも
坂本氏は、DRAM需要はノートPC向けが「意外に強い」と述べ、「米国では9月の新学期需要に向けて、記録容量3ギガバイトのノートPCの出荷が増えるだろう」と、メモリー搭載量が増えるとの見通しを示した。
さらに、ハイニックスやキマンダ、台湾メーカーが生産調整に動き在庫調整もほぼ終了したことで「投げ売りする会社がなくなってきた」と、供給過剰は解消されつつあると説明した。
価格情報などを提供する台湾のDRAMエクスチェンジ社によると、ノンブランドPC用の容量512メガビット品の価格は1年間で7分の1に大暴落し、昨年12月に75セントと史上最安値を更新。1ギガ品も11月に1ドル57セントまで下がった。
坂本氏は「1ギガ品が2ドル以下では、どのメーカーも利益が出ない。そろそろ健全な姿に戻るべきで、価格を正常化したい」と主張している。
値上げが業界に広がる兆しも出てきた。6位の台湾ナンヤ・テクノロジーは 31日、「需要が回復しているため4月の値上げを検討中」(広報担当者リン・パイペイ氏)と表明。
最大手のサムスン電子や2位のハイニックス、7位の台湾力晶半導体(パワーチップ、PSC)、8位の台湾プロモスは、いずれもコメントを控えているが、力晶半導体の広報担当者エリック・タン氏は「エルピーダの判断は全てのメモリーメーカーにとって朗報」と歓迎する。
市況予想
エルピーダの提携先である力晶半導体のブライアン・シエー社長は2月26 日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、DRAM価格はメーカーの生産調整を受けて4月から上昇、1ギガ品は7月にも3.5ドルに上昇するとの見方を明らかにしている。
クレディ・スイス証券の前川英之アナリストは11日付のリポートで、1ギガ品の価格は4月に4ドルに上昇する可能性があると指摘。ウリ投資証券のパク・ヨン氏も21日付のリポートで、DRAM価格は4−6月期に上昇に転じるとの見方を示した。
一方で、慎重論も根強い。DRAMエクスチェンジのロジャー・チュー氏は、DRAM価格について「まだ下押し圧力はかなりあり、メーカーによる値下げは続くだろう」と、4月は5−10%低下すると試算。
UBS証券やマッコリー証券、CLSA証券も今月のリポートでDRAM価格は年後半まで反発しないと予想、ゴールドマン・サックス証券も23日付リポートで、供給過剰で年内は価格回復の可能性は低いと指摘した。
今期営業赤字200億円の見方
エルピーダは業績予想を公表していないが、ブルームバーグ・データによると、08年3月期のアナリスト17人の予想平均値は、売上高が前期比16%減の 4138億円、営業赤字は117億円(前期は過去最高の684億円の黒字)。
三菱UFJ証券は24日付リポートで売上高4000億円、営業赤字200億円と予想している。これに対し、坂本氏は「当たらずとも遠からず。だいたいそんなところ」と述べた。
来期の業績について坂本氏は、DRAM値上げや微細化技術によるコストダウンなどで黒字に転換できるとの見通しを示した。
これに対し、JPモルガン証券の和泉美治氏は「4−6月期までは赤字が続くが、7−9月期以降は黒字転換できると予想。エルピーダは微細化とコスト競争力で他社に先行するなど相対的に有利」と分析している。
31日のエルピーダ株はDRAM値上げの方針を受けて、一時前週末比8.9%高の3540円まで上昇した。終値は同2.2%高の3320円で、1年前に比べると3割以上安い水準。