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http://news.livedoor.com/article/detail/3570082/
日本には本当に「富裕層」が存在するのか?
2008年03月26日11時51分
ネットカフェ難民と呼ばれ、日雇い仕事をしながらその日暮らしをしている人たちの対極には、富裕層と称される金持ちたちがいる。ネットカフェ難民の暮らしぶりはなんとなく想像できるが、富裕層の生活はいまひとつ伝わってこない。彼らはいったいどんな暮らしをしているのだろうか……。
かつては、あからさまに自分たちのことを「富裕層」とか「金持ち」とは言わなかった。たとえ裕福でも表向きは質素に暮らしていたのが本当のお金持ちだった。ところが時代は変わり、自分たちのことを堂々と「富裕層」と呼ぶ人たちが増えてきた。
神奈川県に住む板橋洋介さん(仮名・37歳)は、IT関連企業を経営している。証券会社時代の仲間数人と始めた会社が、折からのITブームの時流に乗って順調に業績を伸ばし今や社員100 人を数える会社に成長した。
「コンピュータに関してはずぶの素人の僕が、ここまで来れた一番の理由は金持になりたいという欲望でしょうね。僕の家は父親が病弱でろくに仕事をしてなくて、母親もお嬢さん育ちで、自分の実家に頼ってばかりで経済的にはまったくダメでした。それこそパンを買いに出てお花を買って来ちゃうような人でしたから。風流といえば風流だけど、子ども心にもお花よりパンとかお菓子が食べたかった」
そんな子ども時代を過ごした板橋さんは“金持ちになる”ことを人生の目標に掲げ、人一倍努力をしてきた。証券会社に勤めていたころは営業成績は常にトップを走っていた。ところが突然、会社が倒産。人生の目標がぐらついてきた。だがここでへこたれてはいけない、と板橋さんは仲間を集め会社を興した。それから約10年。努力が実を結び今や板橋さんは富裕層と呼ばれる人たちと肩を並べるほど、収入も信頼感も増した。
板橋さんの年収はおよそ4000万円。趣味は車に乗るぐらいでゴルフや賭け事にはまったく興味がないという。今持っているクレジットカードは、「ゴールド」だが、カード会社からはプラチナのインビテーションがたびたびて来ているので、近々それに変える予定でいる。年会費は8万円だという。「自分でいうのも何ですけど“富裕層”って呼ばれるのは悪くないですよ。ただ、よく金持ちにありがちな傲慢な人間にはならないよう気をつけてます」。板橋さんは最近、財テクの教祖ロバート・キヨサキの著作、『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法』を読み始めたそうだ。
ところで「富裕層」とはどんな人たちなのか。一説には総資産が1億円以上ある人のことをいうとされているが、預貯金だけではなく土地家屋なども含めて1億円となると、かなりの数にのぼる。それこそ富裕層だらけになってしまう。ある富裕層向けの雑誌の調査によると、富裕層とはおおむね年収が2000万円から3000万円。持ち家または自己保有のマンションがある。職業は会社経営者や役員、医師、弁護士などの自由業が多い。なんとなく「富裕層」の輪郭が見えてきただろうか。
実際の日本の富裕層がどれだけの数になるのかはわからないが、最近やたらに目につくのが、セールスマンや起業家向けの「富裕層ビジネス」コンサルティングだ。セミナーが中心で、高額を払うとマンツーマンの指導が受けられる。これらのコンサルティングを利用するのは、セールスマンや個人事業者が中心だ。
セミナー内容を見ていると、「富裕層マインドに響く話し方ノウハウ」とか「なかなか回答がでない富裕層をどう説得するのか」「富裕層にはインターネットは効かないのウソ」なんてタイトルが並んでいて、読むだけでも笑える。
また、こういった「富裕層ビジネス」コンサルティングを受けると、支払う金額によって「都心マンション高額物件リスト」や、「年間500万円以上使うプラチナカードホルダーリスト」などが手に入り、DMや訪問販売に役立てることができるという。
実際に豪邸に暮らし、ペットの部屋に1千万円もかける富裕層がいることも事実だが「それが本当にビジネスとして成立するほど、数がいるんですかねえ」というのは、イベントプロデューサーの西村欽三さん(38歳)だ。西村さんは、5年前から富裕層向けパーティやイベントの企画に携わってきたが、いつも苦労するのが「人が集まらない」ということだ。
西村さんが企画するのは、富裕層向け雑誌やジュエリー会社が主催するパーティイベント。都内の一流ホテルの宴会場ワンフロアを借り切って行う豪華なものだが、いつも席を埋めるために、最終的には「仕込み」を雇うことが多い。「日本にパーティ文化が根付いていない、ということもありますが、実際に1回のパーティに数十万円も参加費を払ってくる人は少ないんですよ」。
だが、その一方で集まって集まってしょうがない、という富裕層イベントプロデュサーもいる。豪華客船クルージングや、高級外車のホルダーズパーティを企画している川田さん(51歳・仮名)だ。「富裕層がビジネスにならない、という人はたぶんアプローチの方法が間違っているんだと思います。富裕層の方々というのは、用心深く“一見さん”は信用しないんです。やみくもにDMを送ったって、まず効果はありません」。
川田さんに言わせると、富裕層は富裕層にしか心を開かない。だから、プロデュースする側やコーディネーとする側が富裕層に身を置かなければならないのだ、という。「もっとも本物である必要はないんですけどね」。つまり、着るもの、マナー、知識、出入りする場所が富裕層らしくあればよいのだという。
「自分も富裕層と同じ物を着て、同じものを食べれば、どうアプローチすれば伝わるかが見えてきます。自分を内側から変えない限り、富裕層とのコミュニケーションは成り立ちませんよ」。では、実際に相当数増殖しているという、日本の富裕層はどんな暮らしをしているのか。次回は、川田さんのいう“富裕層の生態”について、ぜひ詳しい話を聞いてみたい。(取材/XIXOX金子保知)