★阿修羅♪ > 国家破産55 > 910.html
 ★阿修羅♪
日本の財政維持可能性の試算 『100年後の「破綻確立」6割』基礎収支悪化で債券市場は危険水域に
http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/910.html
投稿者 Ddog 日時 2008 年 3 月 28 日 02:01:45: ZR5JcjFY1l.PQ
 

2008年3月26日<日経新聞>【経済教室】
日本の財政維持可能性の試算 『100年後の「破綻確立」6割』基礎収支悪化で債券市場は危険水域に

日本の財政を維持できる可能性が後退している。試算では、最も楽観的なシナリオをべースにしても、百年後の「破綻確率」は六二%と一年則より一八%も悪化した。債券市場ではこうした財政破綻の可能性の高まりが相場に織り込まれておらず、何らかの弾みに急落する危険がある。

金利と成長率の大小関係が重要日本の昨年末の政府債務残高は、八百三十八兆円と、国内総生産(GDP)の約一・六倍に達し、経済協力開発機構(OECD)諸国の中で圧倒的に高い水準にある。政府は、二〇〇六年度の『骨太の方針』で「11年度には国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバ一ンス)を確実に黒字化する」との目標を掲げた。だが、今年一月には早くもこの目標の達成が困難との見通しを公表した。政府の財政健全化へ熱意は後退しつつあるようにもみえる。

経済財政諮問会議でかつて「利子率・成長率論争」が繰り広げられたが、財政の維持可能性を考える上で重要なのは、国債の金利と経済成長率との大小関係である。金利が成長率を下回れば、公的債務のGDP比は減少し公的債務の維持可能は高まる。逆に、金利が成長率を上回れば、維持可能性は低くなる。

標準的なマクロ経済理論を使って試算すると、金利のほうが成長率より2〜3%ほど高くなる。だが、下図が示すように、過去二十五年間の関係を見ると、その差はわずかで、日本では、成長率に比べ利子率はあまり高くない傾向がみられる。

標準的マクロ経済理論では、通常金融仲介のコストを考慮しない。しかし、日本の金利と成長率の関係を考える上で、この点は見逃せない。預金者と企業を銀行一仲介する際、資金がより円滑に流れるためにかかる審査や債権管理などの費用を負担すべく、預金金利は低く据え置かれる。国債は預金と代替的な金融資産であり、その金利も低い預金金利にさや寄せされる。このため、国債金利も、成長率をわずかに上回る程度に低く据え置かれがちになる。

こうした金融仲介コストを考慮して改良された理論モデルを使い、日本の財政が将来も維持可能かどうか調べるため試算を行った。まず政府の目標値に沿って、今後の平均的な実質成長率と基礎的財政収支を設定。次に成長率と整合的な金利を算定した上で、将来のG
DPと債務残高(GDP比)をシミュレーションし、最後に百年後の債務残高の分布を描き、それが現時点を上回り維持が不可能になる割合を「破綻確率」として算出した。

まず、昨年一月に公表された見通しのうち最も望ましい成長・歳出削減ケースである「11年度の実質GDP成長率二・五%、基礎的財政収支(GDP比)O・二%の黒字」を目標数値として計算した(〇七年試算)。

破綻の防止には厳しい努力必要
百年間の実質金利の平均は二・五七%と実質GDP成長率をわずかながら上回るが、百年後の公的債務残高(GDP比)は〇五年時点のO・九八倍とわずかだが下回り、財政は維持可能である。だが、この数字はあくまで経済成長率の平均が11年水準を保った場合であり、不況が続いた場合は必ずしもこの限りではない。

平均成長率が二.五%を下回り現状より公的債務残高が増えて財政が破綻する可能性(確率)は、我々の試算では四四%ある。

では、今年一月に公表された見通しをベースにするとどうか(O八年試算)。同見通しでは最
も望ましいケースの場合、〇七年見通しと比べ11年度の実質成長率はO・1%引き上げられたが、基礎的財政収支はO・三ポイント悪化し、黒字化は果たせないとの結果が提示された。試算では、平均実質金利は二・六四%と実質成長率をわずかに上回る程度だが、基礎的収支が赤字なため、百年後の公的債務残高(GDP比)は現状の一・二一倍となり、財政の維持は困難になる。さらに六二%の確率で財政は破綻することとなり、〇七年試算のと比べ18ポイントも増えた。このように日本の財政の維持可能性は確実に悪化しているのである。

いずれのケースも・財政破綻防止法に必要な基礎的な財政収支を計算すると(破綻確率を五%以下に抑える場合の試算)、対GDPで一%程度黒字にし続ける必要がある。これは消費税率に換算すると、約二・五%に相当する。今後、年金や医療、介護などの支出増や少子
高齢化の進展に伴う成長率や貯蓄率の低下が予想されることを踏まえれぱ、かなり厳しい努力が求められるといえよう。なおこの試算結果は、あくまで政府見通しの中
で、「最も楽観的なシナリオ」を基にしていることに注意すべきである。

さて、財政破綻の確率が二割近くも高まっているのに、昨年末以降、国債の利回りはほとんど変、化していない。破綻確率の上昇は、本来ならリスクプレミアムの高まりを映し、国債利回りの上昇圧力となるはずである。

そもそも、一九九五年度にGDP比約O・七倍だった公的債務残高は、いまや一・六倍とほぼ倍増するなど、バブル崩壊以降、国債残高は経済成長率をはるかに超えるペースで増え続けてきた。

一方十年国債利回りは、ほぼ二%以下で極めて安定して推移している。つまり、市場は財政破綻の可能性に関して、まったく楽観的であった。

この理由として、国民がこれまでの二倍の税金を支払う覚悟を決めたので、投資家も安心して国債を買い続けたという仮説が考えられる。その場合、国民は将来の増税に備えて消費を手控え、特に公的憤務残高(GDP比)が急上昇した2000年以降、消費の成長率は鈍化しているはずだ。実際は、むしろ景気が回復した〇三年以降、消費は堅調である。とする
とやはり、市場はこれまとやはり、市場はこれまで財政危機を楽観的に見てきた、換言すれぱ、国債の利回りは低すぎる(価格が高すぎる)のであり、債券相場はバブルということになる。

国債売り浴びせは財政破綻に直結

国債バブルが長期化した理由は、様々あるだろうが、日銀が買いオペを通じ、大量発行による値崩れを防ぐ「大口の買い手」として行動してきた側面が強いと思われる。

いざとなったら、日銀が引き受けるので国債は安心だという認識を投資家は明らかに共有している。割高感があれば、すぐ売りを仕掛ける外国人投資家の比率が少ないという事実も、バブルの存続を可能にしている。

ファンドの台頭で様変わりしつつある国際金融市場は、サブブライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題を契機に不安定さを増している。

財政再建努力を怠ると、何かのきっかけで海外ファンドが売りを仕掛けてくるかもしれない。ファンドの売り浴びせに対し、日銀は国債買いオペで支えるだろうが、機動的に対応できるかどうか疑問である。

国債を大量に保膏する日本の機関投資家は、安全資産とみなしており、価格下落でリスクが表面化した国債に積極的に買いを入れる行動をとるとは思えない。機能していないゆえに、ファンドの動き次第でもろさが露呈する恐れがあるのだ。国債価格が暴落し、金利は
急騰すると、即座に財政破綻に追い込まれよう。

成長戦略で財政危機を克服しようとする考え方魅力的だが、過去の事例を見る限り、高齢化が進行する中で成長率を上昇させるのは容易ではない。財政再建路線の手綱を決して緩めてはいけないのである。

櫻川 昌哉 慶応義塾大学教授
細川 薫  学習院大学教授
財政破綻シュミレーション http://www.econ.keio.ac.jp/staff/masaya/index.html


100年前の1908年は明治41年 明治38年に日露戦争が終わりT型フォードがはじめて作られた年でした。はたして、明治41年に今日の日本の様子が想像できますでしょうか?ましてやその間、米国相手に戦争をし、敗戦となり、高度成長も経験し、ベビーブームや少子化など、100年前に今日を予測する意味があったのだろうか?

現状の日本はけして楽観できるものではないことは確かだ。ただ、100年後日本は破綻していますという論法で、財政再建論を論ずるのは滑稽だろう。第一、最近の世論で、米国の紙幣は紙屑同然であるとの、ドル暴落論がでているが、それではユーロや円、まして人民元も紙切れにすぎないのではないだろうか?国債も、全部返済する意味があるのだろうか?100年後日本人の人口は半減している予測もあるが、人口減=衰退の構図は成立しているとは断言できないはずだ。

http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産55掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。